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Last-modified: 2012-08-22 (水) 19:53:20

ロイ「……で、結局リーフ兄さん、誰が勝ったの?」
リーフ「各々、熱い血潮をぶつけ合って……測る前に倒れそうになった……」
ロイ「何やってんのさまったく」

やれやれと溜め息を吐き、ロイはリーフに増血剤を渡した。元はリオンが作って家に置いて行った怪しい錠剤だったのだが、ルーテに再調整を頼んでからは信頼のおける薬としてエリウッドやエリンシア、そしてリーフに重用されている。

リーフ「何って、僕は青春を謳歌してるだけさ。大好きなおねいさん……ああ、想像するだけでも胸が熱くなるね。自分の欲望に素直になれないってのはまだまだ子供だってこと」
ロイ「いちいち鼻血を吹き出して貧血になるのが大人なら僕は大人になんかならなくていいよ。ていうか、そんなの大人のあるべき姿じゃないだろ……」
リーフ「ノンノン。成人男性なら誰しもその手の願望はあるものさ。皆ムッツリなんだよ」
ロイ「謝れ……町中の成人男性に謝れ……!!それはそうとその理屈だとアイク兄さんもムッツリになっちゃうけど」
リーフ「まあ、確かにアイク兄さんだけはそういうのがなさそうだよね」
ロイ「本当、なんでだろうね」
リーフ「でもそんなことはどうでもいいんだ。アイク兄さんがあらゆる意味でブラックボックスなのは今に始まったことじゃないし。……それよりロイ、気を付けなよね」
ロイ「……え?」

話題をぐるっと変えて、リーフがロイに詰め寄る。

リーフ「今日の鼻血競争に、リリーナちゃんも加わってただろ?」
ロイ「あ……うん。でも、リリーナがちょっと変なのも別に今に始まったことじゃないじゃん」
リーフ「フッ……甘いね、ロイは。だからまだお子様なのさ」
ロイ「……なんだよ。」
リーフ「つまりさ……リリーナちゃんは、興味があるんだよ。惚れた腫れたにね」

そう言うとリーフはロイから距離を置き、意味ありげに背を向けると反対方向へ歩き出した。
リーフの声が徐々に小さくなる。

リーフ「あんまり無関心なままだと、気が付いた時には彼女はいなくなってしまうかもしれないよ?」
ロイ「…………。」

その言葉を受けてロイが何を思ったのか。
それは、類推する他ない。

そして……

ナンナ「……リーフ。」
ミランダ「弟のことはわかるのに、どうして私たちのことはわからないのかしら……」
ティニー「私たちも、このままだとどこか遠くへ行ってしまいますよ……?」
サラ「人の振り見て我が振り直せ、ね。クスクス……」

リーフにはお約束が待ち受けていましたとさ。