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Last-modified: 2012-08-23 (木) 19:46:14

昼日中ですら太陽光の侵入を許さぬ分厚い霧に包まれた森の奥。赤毛の青年が焚き火に向かっていた。
レイヴァンである。
深い霧と跋扈する魔物で人間から隔離された樹海、ここの中を移動していれば1日2日で捕まる事は無いだろう。
とりあえず腹拵えをするため返り討ちにした魔物を焼いているのだが……
レイヴァン(この目玉から触手の生えた……確かビ、ビ…ビルグだったか?こいつは喰えるのか?とりあえず触手を焼きはしているが……)
と、突如背後の茂みから上がったガサガサという音に、反射的に足元の剣を拾い上げ臨戦態勢を取る。
レイヴァン(魔物か?それにしてはデカい音を立てるが……)
前方だけで無く四方に注意を向けながら茂みに視線を注ぐと。
ヘクトル「あ」
レイヴァン「む」
かつて仇敵と思ったp…小太りの青髪が出て来た。
レイヴァン「貴様ここで何を」
ギュヲーグルルルルルルルルルゴリュタスケテエイリーク
している。という言葉は盛大な腹の虫でかき消された。
レイヴァン「……………喰うか」
ヘクトル「………悪い…」

ヘクトル「ほー妹から逃げてなあ。まあ俺もちょっとアレだなと思ってたけどよ」モグモグ
レイヴァン「さすがに色々……な、お前は?」(とりあえず毒は無いか)
ヘクトル「お、俺は……修行だ、兄貴に倣ってな」
ヘクトル(減量の為のサバイバルがてらビラクやリリーナから逃げてきたとは言えねえ……)

161 :>>141に便乗?:2011/08/25(木) 11:46:13.99 ID:ZtCqa4HD

ピ…ウ…ヘクトルが何事もなく焼き触手を喰う姿を見て、レイヴァンも口をつける。
最外皮は堅いが、中は意外に柔らかく口中に広がる肉汁にも想像した臭みは無い。が。
レイヴァン「レベッカの料理の方が良いな…」
ハッと気づいた時には、目の前の男がニヤニヤした視線を此方に送ってきていた。
レイヴァン「………何だ」
ヘクトル「ん~別に~。ってか何の肉だこれ?」一際太くて固い一本を頬張りながら
レイヴァン「確かビ…ビラクとかいうm」ヘクトル「アッーーーーーーーーー!!
レイヴァン「何だ!?どうした一体!?」
ヘクトル「なななななな何でも無え。そそそそれよりお前どれ位ここに居る気だ?」
レイヴァン「二三日だ。それ以上はバレる。お前は?」
ヘクトル(こいつの妹マジパネェ)「あ、ああ一週間位だな」
レイヴァン「そうか」(まあ八月末なら宿題も片付けているだろうしな)
ヘクトル(何か忘れてる気もすっけど。ま、大丈夫だろ)