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Last-modified: 2007-07-23 (月) 00:11:50

失せ物探しはリンディスに!

 

セリス  「ああ、困ったなあ……」
リン   「あら、どうしたのセリス」
セリス  「あ、リン姉さん。実は、僕のぬいぐるみの一つが無くなっちゃって」
リン   「ぬいぐるみ……そう。どこにあるか見当はつく?」
セリス  「ううん。どうしよう、どこに行っちゃったのかなあ……?」
リン   「……セリス、あなたのぬいぐるみ、一つ貸してくれない?」
セリス  「いいけど……どうして? あ、だ、ダメだよ、ストレス解消のために殴るとかそういうのは!」
リン   「んなことしないわよ!」
セリス  「本当に? 僕、『いつものリン姉さんじゃない』とか言って泣くのは嫌だよ?」
リン   「しないったら……ってかどれだけストレス溜まってると思われてんのわたしは」
セリス  「うーんと……じゃ、この子をどうぞ」
リン   「……さっきまであんなこと言ってた後に兎のぬいぐるみ渡されるのは凄く微妙だけど……まあいいわ」

 

 ぬいぐるみに顔を押し付けて、くんかくんかと臭いをかぎ始めるリン。
 戸惑うセリスの前で、ぬいぐるみから顔を話して再びくんかくんかと臭いをかぎ始める。

 

リン   「……! 見つけた……!」
セリス  「え、まさか、臭いで……!?」
リン   「セリス、そこの棚、ちょっと動かしてみましょう」
セリス  「うん……よいしょっと……あ、あった!」
リン   「棚の上に乗せてたのが落っこちちゃったみたいね」
セリス  「そうみたい……ありがとう、リン姉さん!」
リン   「任せといて! 失せ物探しは得意なのよ」

 

シグルド 「うーむ……困ったな……」
リン   「どうしたの、シグルド兄さん」
シグルド 「ん? いや、明日の会議で使う書類が見当たらなくてな……」
リン   「って、大変じゃないのそれ!」
シグルド 「そうなんだ。どこにやったんだったか……」
リン   「……」

 

 で、シグルド周辺の臭いをくんくんとかぎ始めるリン。

 

シグルド 「……リン、今はお前とお犬さんごっこをしてあげる余裕はないのだよ」
リン   「わたしにもそんなつもりはないから安心して」
シグルド 「そうか? だが子供の頃のお前は酷かったぞ、
      『お馬さんごっこーっ!』とか言ってわたしの背中に無理矢理跨ってお尻のところをバシンバシンと」
リン   「そういう恥ずかしい思い出を語るのも後でいいから!
      (くんくん)シグルド兄さんの臭いと、紙とインクの臭いが混じりあった……そこね!」
シグルド 「なんだ……? おお、あった!」
リン   「……積み重ねられた座布団の下、とはね……」
シグルド 「いやー、スマンスマン、助かったよリン」
リン   「任せといて! 失せ物探しは得意なのよ!」

 

フロリーナ「ふえーん、リンーっ!」
リン   「ど、どうしたのフロリーナ!?」
フロリーナ「ぐすっ……あ、あの……わたしの家に、下着泥棒が入って……!」
リン   「な、なんて破廉恥な! 許せないわね! 犯人は見つけ次第串刺しの刑に……!」
フロリーナ「あ、あの、わたしとしては下着さえ戻ってくればいいかなって……」
リン   「そう……それで、手がかりは何かある?」
フロリーナ「手がかり……ええと、犯人は逃げるとき、わたしのパンツを一枚落としていったんだけど」
リン   「任せといて! 失せ物探しは得意なのよ! ってな訳で早速(くんくん)」
マルス  「(ガラッ)うわぁ、リン姉さんが親友のパンツに顔を押し付けてくんかくんかしてる!?」
リン   「は!? いや、ちょ、違うのよマルス!」
マルス  「変態! 変態!! 変 態 ! ! ガチレズの上に臭いフェチだなんて、見損なったよリン姉さん……!」
リン   「いやだから違うんだって……!」
フロリーナ「あ、あの、リン……わたし、あなたのことも大好きだけど、ヘクトルさまのことが……」
リン   「だから違う……っていうか何聞き捨てならないことさらっと言ってんのフロリーナ!?」