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Last-modified: 2007-07-29 (日) 23:58:26

エリウッド「ふう、夏休みだというのに委員会の仕事やヘクトル、エフラム関係のことで
      謝罪やお詫びまわりをしていたら、すっかり遅くなってしまったな…
      お腹はすいたけれど、胃の調子が最悪でまた夕飯は食べられそうにない、な…
      またエリンシア姉さんにおかゆを作ってもらわなければ…はぁ」
セリス「エリウッド兄さーん!」
エリウッド「ん?ああ、セリスじゃないか。どうしたんだこんな時間に」
セリス「うん、遊んでいたら遅くなっちゃった」
エリウッド「そうか。でもこんなに暗くなるまでなんて、あんまり感心しないな。
       家にはちゃんと連絡を入れているのかい?」
セリス「うん、大丈夫。遅くなるって言ってあるよ」
エリウッド「兄さんたちはあまり気にしないかもしれないが…
      姉さんたちを心配させるんじゃないよ」
セリス「はーい。あ、エリウッド兄さん。こっちの道、近道なんだよ。こっちから帰ろ?」
エリウッド「あ、セリス!…行ってしまった。
      しかし明かりの少ない道だな。セリスはいつもこんな道を歩いているのか?
      今度しっかり注意しておかないと…」

 
 

エリウッド「ところで、遊んでいたのはいつもの友達かい?」
セリス「うん、そうだよ。ラナとかユリアとかユリウスとかユリウスとかユリウスとか」
エリウッド「…へ、へぇ」
セリス「王様ゲームっていうのをやっていたんだけれどね。
    なぜだか僕とユリウスばっかりあたっちゃって、ハグだとかほっぺにちゅーだとか
    ×××だとか○○○だとか…」
エリウッド「セ、セ、セリス!?」
セリス「でも結局ラナとユリアが毎回『やっぱやめー!』って止めるから、ゲームにならなかったんだ」
エリウッド「………」
セリス「兄さん?」
エリウッド「(話を聞いているだけでも、並々ならぬ作為の影が感じられるな。
       裏を読みあい、互いに打ち消しあって結果第三者に狙いがそれてしまったのだろうな。
       しかし、それはそれとして…兄として弟がますますインモラルな方向へ向かっているのを
       黙って見過ごしておいていいのかどうか。教えて、シグルド兄さん!)」
セリス「えへ?(小首かしげ)」
エリウッド「いい!かわいいは正義!」
セリス「?」

 

???「おーっと、お二人さん。イチャつくのはそこまでだぜ」
エリウッド「だ、だれだ!」
???「ふふん、この土地を誰の許可を得て通ろうとしてるんだ?」
セリス「に、兄さん…」
エリウッド「セリス、僕の後ろに下がっておいで。
      …何者だ!姿をあらわせ!!」
ヤナフ「うちのボスの庭に、誰の許可を得て入り込んでるのかって聞いてんだよ!」
ウルキ「………」
セリス「き、君たちは…!?」

 

………

 

エリウッド「…ふっ」
ヤナフ「な、何がおかしい!」
セリス「に、兄さん?」
エリウッド「だめじゃないか、子供がこんな時間に外を出歩いては」
ヤナフ「(゚Д゚)ハァ?」
エリウッド「最近はとても物騒だからね。
       どこぞの教団が子供を攫うってテレビのニュースにもなっていることだし」
ヤナフ「ちょ…待っ…」
エリウッド「そうでなくても、いい子はもうとっくに家に帰っている時間だよ。
      いたずらはほどほどにしておきなさい。ね?キラーン(王子スマイル)
      お兄さんたちが送ってあげるから、早く家にお帰り」
セリス「さすが兄さん、やさしいなぁ。
    ね、君、おうちの場所は言えるかな?(膝を曲げて視線をあわせ)」
ヤナフ「てめーら、いいかげんにしろ!!俺は断じて子供じゃねぇ!!!」
エリウッド「ははは、子供はみんなそう言うんだよ。
      夏休みだからって、夜遅くまで出歩いては不良になってしまうよ」
セリス「んー、ロイと同じくらいかな?学校はどこ?」
ヤナフ「頭さわんな!俺は正真正銘大人の男だっつーの!」
ウルキ「…いい歳してハーフパンツでうろついてるあたりに説得力がない」
ヤナフ「仕方ねーだろ、子供服しかサイズがねーんだよ!
    ていうか、てめ、いるならなんかしゃべれ!!」
ウルキ「…さっきひろった。 つ【スキル影】」
エリウッド「おや、保護者の人がいたんだね。失礼しました」
ウルキ「…うむ」
ヤナフ「なにドサクサにまぎれて肯定してんだよ!
    そこは否定しろよ、俺のプライドのために!」
ウルキ「…またこれ以上話がこじれるのがめんどくさい」
ヤナフ「またって言うな、ばか!」
ウルキ「…ばかって言った方がばかだ」
エリウッド「はっはっは、仲のいい兄弟だなぁ。あ、それともお父さんかな?」
セリス「エリウッド兄さんたら、失礼だよ」
エリウッド「ああ、申し訳ありません。
      …そういえば、この先は通れないんですか?」
ウルキ「………(横の道を指差す)」
エリウッド「この道を行けばいいんですね。ありがとうございます。
      さ、セリス帰るぞ」
セリス「うん、兄さん。…あ、僕、じゃあね、ばいばい ノシ」
ヤナフ「僕とか言うなぁ!!コラ待て!」
ウルキ「…別に不審な奴らじゃなかった」
ヤナフ「こっちの話が済んじゃいねーんだよ!」
ウルキ「…いいかげん慣れろ」
ヤナフ「そういう問題じゃねぇーー!!!!!!」

 
 

エリウッド「よそのお宅の中なんだな、この道。しかし広い家なんだな。
      今度から気をつけるんだぞ、セリス」
セリス「はぁーい」