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Last-modified: 2012-09-09 (日) 22:06:03

258 :ママチャリの系譜 第3章:2012/06/09(土) 08:49:02.82 ID:LAs3GBs2
204.5

アイク「ここ最近、作者の怠慢により、1章に1回しか投下出来てない『ママチャリの系譜』のあらすじコーナー。
    今回は俺とクロムの番だ、よろしく頼む」
クロム「まさかこんな早くに出番が来るとはな……しかし、俺が出て良かったのか?
    今さっき会場に着いたばかりで、何も分からんのだが…」
アイク「テンプレで俺とエリウッドの間に入ったから仕方ない。だが、前回のレースを見ていないお前が
    あらすじを説明するのは無理だろうから、今回は俺に任せておけ」
クロム「すまない、アイク兄さん」
アイク「さて、前回は43章>>385-390だったな。山岳コースで全員の位置を表示するのは困難だから、省略した。
    それと、俺は兄貴と鍛錬しながら観ていたからやや適当な説明になるが、許せ」
クロム「ここは適当にやっていい所なのか?
    あと、炎天下で男二人が上半身裸で筋トレをしている姿を見た時は何事かと思ったが…」

順位変動    マシン名             搭乗者               現ドライバー   単勝倍率
5位→1位:4 フェニックスアロー    レスター&デルムッド       レスター         8.1倍
8位→2位:7 プリンツェーッサ       デュー&パティ           デュー         13.6倍
1位→3位:9 謎のユングヴィ城    エーディン&ミデェール    ミデェール     3.4倍
6位→4位:5 SDL551バゼラート     アサエロ&ロドルバン      ロドルバン      20.2倍
7位→5位:1 影の伝説           ファバル&ジャンヌ        ファバル      10.9倍
3位→6位:2 緑三号             アレク&ブリギッド        ブリギッド       12.3倍
2位→7位:3 お                 ジャムカ&ベオウルフ      ジャムカ       11.7倍
4位→8位:6 世界ひろし号       ヴォルツ&リデール      ヴォルツ      3.2倍
     9位:8 黒王号             ラナ&ユリア          ユリア          3.5倍

・トップで山岳コースに入ったミデェールと、それを追うジャムカの対決。
 ジャムカがミデェールを捉えるが、エーディンの魔法フィールドに阻まれ、減速を余儀なくされる。
・登り坂の後半、8位と低迷していたデューが、コース取りと盗賊ならではの軽業で一気に暫定2位に浮上。
・トップを射程圏に収め、デュー達が攻勢に出る。パティが手近な樹を蹴り、蝉嵐を発生させ、
 先行車も後続車も視界を塞ぐ無差別攻撃を実行。更にひろしも蝉嵐を発生させる。
・そのどさくさでデューはトップを奪取。6位ロドルバンはヘルメットで防御、
 7位ファバルもジャンヌのステルスバリアで蝉嵐をやり過ごし、それぞれ3位4位に上がる。
・そのままデューがトップで折り返すと思いきや、ここまで別ルートで蚊帳の外だったレスターが姿を現す。
・レスターがトップで折り返し、その直後にデューも折り返し、即座に臨戦態勢に入る。
・パティの奸計(?)でレスターが追い抜かれ、デューが再びトップに立つ。
・一方、最下位で折り返し地点に到達したラナオウ。ここでユリアに強引に交代された所で前回終了。

アイク「…とまあ、こんな感じだ」
クロム「さっきレースをチラッと見て来たが……どいつもこいつもエラい変わった格好で出ているな。
    くノ一とかメイド服とか、シスター服とかドレスとか、レオタード着た女の子とかもいるし///」
アイク「服装は自由だそうだからな。俺もラナオウのナース服には驚いた。
    普段は無敵の世紀末覇者だが、ああいうのを着ていると、やっぱり女なんだなって事を思い知らされるな」
クロム(ナース服……スミアやオリヴィエに着せて、優しく癒してもらいたい……
    って、何を考えているんだ、俺は!?)
アイク「他にも褌一丁に裸エプロン、裸マントにパンツマスク、極めつけは葉っぱ一枚とかあったぞ」
クロム「なっ!? 葉っぱ一枚だと……!! ユグドラル地区の女の子は過激だな……ゴクリ」
アイク「いや、葉っぱ一枚はリーフ、裸エプロンは兄貴だ。
    他の衣装もほぼ全て男が着ていた物だぞ。暑いから脱ぎたがる気持ちも分かるけどな」
クロム「…そ、そうだよな……女の子がそんな格好する訳ないか……ハァ…orz」
アイク(一人だけ褌姿の女がいたが、それは黙っておいた方がいいのだろうか?)
259 :ママチャリの系譜 第3章:2012/06/09(土) 08:50:29.67 ID:LAs3GBs2
205

ノイン  「さあ、攻守を替えての、プリンセスメイド・ユリア選手の手腕を拝見と参りましょう!
      略してプリメ! 初めてプリンセスにした娘の名前は光凛(ぴかりん)」
エルフ  「痛っ」
ノイン  「痛い言うな! 全国のぴかりんに謝れ! ぴかりんも今頃どこかで見守っていると思います!」
セーラ  「見守ってはいないと思うけど……」
ドロシー 「現実にいそうな名前ですよね……」

~山岳コース下り~
ジャ                ギュイーン!!
          ヴォ    ←────ユリ

ノイン  「ユリア選手が身体を預ける黒き覇王・黒王号、跳ねるように障害物を踏みしだきながら、
      物ともせずに前を走る世界ひろし号・ヴォルツ選手に猛追をかけるっ!」
エルフ  「後ろに乗っているラナ選手はたまりませんね」
ラナ   「もうちょっと静かに走れないの!?」
ユリア  「黙ってて…これでも食らいなさいっ!」
ガシャンッ!!
ヴォルツ 「どわっ!?」
リデール 「何をするんだっ!?」
ノイン  「メイド服の光龍・ユリア選手、なんと、ダイレクトアタック!!
      車体を直接前を行く世界ひろし号にぶつけたっ! これはたまらないっ!!」
エルフ  「捨て身の攻撃ですわね」
ノイン  「当然、自分もよろけるが、何とか持ち直すっ。
      不屈のネコミミ、ユリア選手っ! 猫には九つ命ありっ!!」
エルフ  「全くネコミミでも何でもないですけどね」
ラナ   「ユリア……それ危険だから、代わってくれる?」
ユリア  「まだよっ、あなたはそこで休んでなさい!」(ガンガンッ!!)
ヴォルツ 「ちっ、こんなのに付き合ってられるかっ!」
リデール 「最下位に落ちるのは不服だが、マシンを破壊される訳にはいかない!」
ノイン  「ユリア選手の神風アタックに世界ひろし号、たまらず道を譲る!
      黒王号、とりあえず最下位を脱出したぞっ!!」
セーラ  「何と言うか……今までで最も漢らしいやり方ね」
ドロシー 「これまで肉弾戦はほとんどなかったですからね」
ノイン  「最下位、黒王号が肉弾戦のドッグファイトで8位に浮上っ!
      キャットファイトか、バ○ーンファイトかっ!? 最も伝承者に近い男は風船闘士っ!!」
エルフ  「任天道の伝承者を決める戦い、『スマッシュブラザーズ』の事ですわね」
セーラ  「えっ!? スマブラって、そういう戦いだったの!?」
ドロシー 「セーラさん、任天『道』ですよ。私達の知ってるアレじゃありませんよ」
エルフ  「ところで、風船闘士の話に戻りますが、あの光ってる星みたいなのは何なんでしょうね?」
ノイン  「えー……実況に戻ります。メイド服のデーモンナーガ・ユリア選手が、
      更に7位の『お』にも果敢にアタック!!」
ユリア  「あなた達、邪魔です。どきなさいっ!(ガンガン!!)あと、ノインは減俸3ヶ月追加よっ!!」
ノイン  「しまったぁっ、半年も減俸されたぁっ! 実況中は何でも喋ってしまうこの口が憎いっ!
      私の明日はどっちだっ!? それはそうとユリア選手、自転車をガンガンぶつけております、
      無法の姫君、まさに暴れん坊プリンセスっ!! 暴れん坊プリンケプスっ!!」
エルフ  「意訳すると、暴れん坊将軍というところでしょうか……?」
ベオウルフ「ひぃぃ、怖い嬢ちゃんだ。ここは大人しく引き下がっとけ」
ジャムカ 「ああ、まだ1周目。無理をする場面ではないからな」
ノイン  「おおっと、メンズスピリッツ『お』もユリア選手に前を譲る!
      無法地帯の嵐、熱帯低気圧のユリア選手の前には漢達の熱き魂は通用しないのかっ!?」
エルフ  「と言うより不用意な戦闘を避けたのでしょうね。まだ先は長いですし」
ノイン  「何はともあれ7位に上がった黒王号っ! 神竜ナーガの面目躍如だっ!
      しかし、各車、ユリア選手とのドッグファイトを避ける為か、猛スピードで坂を降下しております。
      6位の海賊船・緑三号は遙か先を行っているっ!」
ブリギッド「はっ、あんなのに付き合ってられっかよ!」
アレク  「最悪、クラッシュでタイヤやチェーンがやられるかも知れんからな」
260 :ママチャリの系譜 第3章:2012/06/09(土) 08:51:26.36 ID:LAs3GBs2
206

┌──────────────────┘

│                             ←デュー
│      ┌──────────────┐
│      └─────────┐        │

ノイン  「さあ、先頭集団は動きがないまま、トップを行く白き魅惑の怪盗プリンツェーッサの眼前には、
      ナーガヒル山岳コースの出口が見え隠れ!!」
エルフ  「木立に囲まれた出口の向こう側は、ヘアピンが待ち構えています。
      タイヤが土をまとって、グリップ力をなくしていますので要注意ですよ」
セーラ  「毎回誰かが事故ってるのよね」
ドロシー 「でもスーパープレイも多いんですよね」
ノイン  「減速を充分に行わないと、玉突きクラッシュ大惨事が待ち受けるぞ!
      クラッシュ万事休す! トップのデュー&パティのプリンツェーッサが来たッ!!」
デュー  「(ズズズッ)うわぁっ!?」
パティ  「きゃああっ!!」
ノイン  「コーナーに差しかかる魅惑の怪とおおおおおおうっ!? 滑った滑った!!
      安全のために設置されたクッションで何とかクラッシュは免れるッ!!」
デュー  「いたたた…パティ、大丈夫?」
パティ  「うーーーにゅーーー」
デュー  「あっちゃー、目を回しちゃったか…」
ノイン  「白き怪盗が、体育館裏ヘアピンの魔物に膝を屈した!! クッションがなければ即死でした!
      マスターシーフ・デューの秘密は墓まで持って行く!!」
エルフ  「グランベル大学自転車部によるテストドライブでも、ここでのクラッシュ率は70%を越えましたし、
      これまでのレースでも、ここで停車を余儀なくされたチームが続出しましたから、
      後続も注意しなければなりませんよ」
ノイン  「辛うじて、再始動をかける怪盗プリンツェーッサの後方、飛び出して来たのは……
      フェニックスアローではないっ! 2位浮上は謎のユングヴィ城だアッ!!」

┌──ギュイーーン!!─────
│  ┌────ミデ
│  ↓ レス
│     ┌───────
デュー   ..└───────

ミデェール「レスター様、お先に失礼しますよ!」
レスター 「むっ!?」
ノイン  「謎の必殺武器を恐れて道を譲ったか、タイヤ1つ分空けて、その背後に帝王のリカンベント
      フェニックスアロー! さあ、メイド執事のミデェール選手、体育館裏ヘアピンクリアなるか!?」
ミデェール「よっ、とっとっ……とあああっ!?」(キキーッ!!)
エーディン「きゃああああっ!!」
ノイン  「スピーーーーーンッ!! 謎のユングヴィ城、痛恨のスピンだーーーっ!!
      スピニングバード!! ヨガ! ヨガ! ヨガ! しょーりゅー!」
セーラ  「いや待て、なんかおかしいでしょ?」
ドロシー 「つか、出していいんですか? 昇○拳」
ノイン  「ラーメンはトラキアの隠れた名店、将龍軒!!
      ラーメン・半チャーハン・ギョーザのランチセット70G! ディナーセットも据え置き価格!」
パピヨン 「七三軍団次男、パピヨンだ。蝶サイコーなラーメンで蝶サイコーな気分にしてやろう!
      さあ、皆さんもご一緒に……蝶サイコーーーーーーーーッ!!」
エリウッド「蝶サイコーーーーーーーーッ!!」
エルフ  「協賛ありがとうございますわ。でもそれって、ランチとディナーを分ける意味なくないですか?」
ノイン  「おいちゃん、それを言っちゃあおしまいよ!」
エルフ  「誰がおいちゃんですか」
261 :ママチャリの系譜 第3章:2012/06/09(土) 08:52:16.77 ID:LAs3GBs2
207

ノイン  「スピンした謎のユングヴィ城の横を通り過ぎるフェニックスアロー、
      ユングヴィの義星・レスター選手! 完全セーフティスピードでヘアピンをクリアしております!」
レスター 「デューさんもミデェールさんもスピードの出し過ぎですよ」
デルムッド「棚ぼたでトップは頂きだな」
ノイン  「しかし、レスター&デルムッドペアは、落ち着いたレース展開ですね。
      とても珍走集団・罵射気裏通多亞(バイゲリッター)に与している2人が乗っているとは思えません」
レスター 「どういう意味だっ!?」
デルムッド「俺はバイゲリッターには所属していないぞっ!!」
エルフ  「リカンベントの戦略的にはあれがベストです。であればこそ、
      瞬発力やMAXスピードで劣っても、持久力でトップグループと互角の戦いが出来るのです」
ノイン  「地味だが、ジワジワと効く鳳凰と水鳥の拳!!
      赤と青の炎で彩られたフェニックスアロー、流石の首位キーピング! ムラなく簡単に糊付けだ!!」
セーラ  「あらあら、トップが目まぐるしく入れ替わるわね」
ドロシー 「安全運転が一番ってとこでしょうか」
ノイン  「パリッとした迷彩服の紋章町防衛軍の特攻隊長、ロドルバン選手のSDL551バゼラートが近付いて来る。
      リカバリーした怪盗プリンツェーッサはフェニックスアローの直後に入る」
デュー  「ふう、2位で復帰できて良かったよ」
パティ  「うぅ~、やっぱ無理はしちゃダメね…」
エーディン「目が回るわ……」
ミデェール「申し訳ありません、エーディン様」

┌──────────────
│      ←──ファ
│     ←──ロド
│    ┌──────────
│    └─────────┐
ミデ─→                   │
│       デュー   レス     │
└─────────┐    │

ノイン  「プリンツェーッサに遅れて、謎のユングヴィ城もリスタート。
      さあ、SDL551バゼラートはどうか……いやっ、すぐ後ろに影の伝説もいる!
      しかし、どちらもオーバースピードも甚だしい!! 危険が危ないぞッ!!」
ジャンヌ 「ファバルさん、ぶつかります!」
ファバル 「大丈夫だ、何とか止まってみせる!」
ロドルバン「これじゃ、前の連中の二の舞だ!」
アサエロ 「ちっ、ユリア達から逃げる為に少々飛ばしすぎたか…ロドルバンッ、脚出せッ!!」
ロドルバン「えっ、あっ、ああっ!!」
ズザザザザザザザッ!!
262 :ママチャリの系譜 第3章:2012/06/09(土) 08:53:26.90 ID:LAs3GBs2
208

ノイン  「うおっと、アサエロ&ロドルバンペア、足ブレーキ! 足ブレーキだぁっ!!
      土煙を上げて猛急制動!! 2人4本のクワトロフットブレーキッ!!」
セーラ  「曲がり切れなかったとはいえ、実に強引なブレーキね」
ノイン  「しかし、一歩間違うと捻挫の危機が待っている諸刃の剣! 諸刃マコトを返してっ!!
      いるんでしょ、マコト!? 興信所に頼んだのよ、高いお金を出して!」
エルフ  「誰ですか、まこと?」
ノイン  「ネタは光っているのよ!! そして、ファバル選手の汗も爽やかに光っている!!
      光って回……る? 何とっ、ファバル選手、このピンチに更にペダルを回している!?」
ジャンヌ 「ファバルさん、こんな時にペダル漕いでどうするんですかっ!?」
ファバル 「だから大丈夫だって、ちゃんと止まるから」
ノイン  「いやっ!? しかし、制動は確かにかかっている!? 解説のエルフさん、これは一体!?
      とんちんかんちん一体さん!?」
エルフ  「影の伝説には、ハンドルブレーキと共にコースターブレーキと呼ばれるものが搭載されているのです」
ドロシー 「それはどう言った物なのですか?」
エルフ  「コースターブレーキとは、ペダルを逆回転させる事でブレーキをかけられるタイプの物で、
      オカンの国(M○THERシリーズ)ではむしろメジャーなブレーキです」
ノイン  「誰が呼んだか知らないが、言われてみれば確かに逆回転!! 驚きのギミックであります!!
      自転車界のルーテ、ファバル選手っ!!」
ルーテ  「いえ、あれを発明したのは私でもファバルさんでもありません」
エルフ  「ちなみに、本来はこちらをフットブレーキとも呼びますね」
ノイン  「クワトロフットブレーキVS逆回転フットブレーキ!! 果たして止まれるのか!?」
ジャンヌ 「んっきゃあああああっ!?」
ロドルバン「うわうわうわうわっ!!」
アサエロ 「どちくしょーっ!」
キキーーーーーーーッ!! ピタッ!!
ノイン  「怒号と悲鳴が入り混じり社長!! 脳天直撃のクラッシュかと思われたが、際どい所で
      各車ストップしたっ!! 烈火の剣での悪天候並の見事な大ブレーキ! 移動力がガタ落ちだっ!!」
ファバル 「ふう…」
ジャンヌ 「助かった~」
ロドルバン「危なかった…」
エルフ  「クラッシュは免れましたが、足ブレーキのせいで凄い砂煙ですね」
ノイン  「砂煙の白さでカメラが画像を捉えきれません! 白が7分で黒が3分!
      もう一度言います、白が7分で黒が3分であります!!」

       (⌒ ⌒ヽ ゴォォォォォ…
    (´⌒  ⌒  ⌒ヾ────────
    ('⌒ ; ⌒   ::⌒ )  ブリ
   (     )     ::: .)      ユリ
   (    ゝ  ヾ 丶 ソ───────
    ヽ  ヾ  ノノ  ノ────────
     `'‐|ファ丶 -‐''´
        .|ロド
        .└──────────┐

ブリギッド「砂煙かい? こいつぁ用心した方がいいね」
アレク  「ああ、特に後ろは注意するべきだが…」
ノイン  「その砂煙の中、ヘアピンに入って行ったのは緑三号と黒王号! まずはブリギッド選手、
      フルブレーキングで魔物が棲むヘアピンに挑みかかるっ!! 一番無礼だ、無礼キングっ!!」
ユリア  「くっ、砂煙で前が見えない……」
ラナ   「ッ!? ユリア、止まってっ!!」
アレク  「やべっ、マジで来やがったっ!!」
ブリギッド「何だってっ!?」
ガシャンッ!!
263 :ママチャリの系譜 第3章:2012/06/09(土) 08:55:15.50 ID:LAs3GBs2
209

ノイン  「ああっと、砂煙で前走車両を見失ったか!? コーナリングのマシンが最も不安定な最中に、
      黒王号、ユリア選手が緑三号の横っ腹にぶつかってしまったぁっ!! これは不運っ!」
ブリギッド「んきゃっ!?」
アレク  「ぐ……どぅあっ!!」
ノイン  「うおおおっ、伝統の緑・アレク選手、根性で踏ん張るぅっ! 根性で頑張りましょ!!
      浮気とかされると恥ずかしいし! Aさん、Hさん派は特殊部隊!!」
エルフ  「誰の事でしょうか?」
ブリギッド「くっ、駄目だよ、アレクっ!!」
ノイン  「あああっ、踏ん張りきれない! 根性で頑張れない!
      黒く渦巻く緑三号の頭上に暗雲の入道雲が湧き上がるぅッ!」
アレク  「っ! ブリギッド!」
ブリギッド「えっ?」
ノイン  「アレク選手、姐御には傷を付けられないとばかりに、ブリギッド選手を庇った!!
      そのままクッションゾーンへ直行だあっ、大クラァァァァァッシュっ!!」
ドンガラガッシャーンッ!!
ユリア  「…言っとくけど、今回はわざとじゃないわよ!」
ラナ   「分かってるわよ…それに、ブリギッドお姐様なら必ず這い上がってくるわ」
ノイン  「一方、ラナ&ユリアペアの黒王号は幸運にも被害無しでヘアピンをクリア!
      ヘアピンの魔物相手に作戦失敗し、エンジンストップ中の551のバゼラートと影の伝説も追い抜き、
      結果的に4位に跳ね上がったぞッ!!」
セーラ  「姐御達を潰して、さらにヘアピンもクリア…か」
ドロシー 「本当に幸運ですね」
ノイン  「その砂煙も収まろうかというところで、赤と黄色のコントラスト!
      熱く燃える『お』と僕らの世界ひろし号がゆるりとヘアピンクリア!」
エルフ  「下りのスピードを上げてこなかったのがむしろ幸いしましたね」
ロドルバン「くそっ、置いて行かれるかよっ!」
ファバル 「思わぬタイムロスだったな…」

ブリ→   └─────────┐
│ファ─→                     |
│ ロド─→        ヴォ       |
└─────────┐ジャム  │
──────────┘      |

ノイン  「さあ、1周目終盤、順位が大きく入れ替わり、止まっていたマシン達も再起動します!
      体育館裏ヘアピンの魔物が音速の聖戦士達を踊り食い!!」
ブリギッド「大丈夫かい、アレク」
アレク  「ああ、お前みたいな美人にケガはさせられんだろ……」
ブリギッド「ア、アレク、あんたそんな……ちょいとやめとくれよ/////」
ノイン  「勘違いしないでよね! 別にアレクの事なんて、何とも思ってないんだからね! 
      サーキットのツンデレシスターが、体育館裏ストレートを大爆走だ!」
エルフ  「あなた、雰囲気ブレイカーですわね」
ノイン  「良い雰囲気はぶち壊す! イチャイチャしてたらぶち壊す!
      色恋沙汰ブレイカー、ソードマスター・ノイン、現在恋人募集中であります!!」
セーラ  「また言いおった……」
ドロシー 「実に必死さが伝わってきますね」
エルフ  「おそらく、念願かなって恋人ができた時には、
      みんなに寄ってたかって雰囲気ぶち壊される事うけあいですわね」
ノイン  「ひどいな、キミら! そんなひどい連中を乗せ、各マシン、
      体育館裏ストレートを駆け抜けて行きます! 虹を渡って小道を抜けて!!」

続く