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Last-modified: 2012-10-28 (日) 14:48:31

325 :助けて!名無しさん!:2012/06/12(火) 22:06:00.23 ID:ESt3WXZB
シャンブレー「……よ、よし、行くぞ!」
ジェローム「シャンブレー……今日もリンのところへ行くのか」
シャンブレー「お、おう」
ジェローム「大丈夫なのか? 相当無茶な訓練をやらされていると聞いたが」
シャンブレー「ああ。サカ草原無休憩ダッシュ横断とか、ナバタ砂漠無装備10日サバイバルとかな」
ジェローム「よく生きてるな……」
シャンブレー「でもリンの訓練をクリアするたびに、俺の中で熱い何かが目覚めていくのが分かるんだ。
       今にも走り出したくなるような衝動がさ。これがリンの言う野性なんだと思う。
       俺、この感覚をもっと目覚めさせて、自分の物にしたいんだ。だから頑張るよ」
ジェローム「そうか。そこまで言うならもう止めん。……死ぬなよ」
シャンブレー「ああ! よーし、絶滅しないぞーっ!」

リン  「……はぁ。また不評だった。そんなに不味いのかなあ……」
シャンブレー「り、リン! 今日も野性を磨きに来たぞ!」
リン  「あ、シャンブレー。ちょうどいいところに」
シャンブレー「え?」
リン  「ちょっとこれ食べて、感想聞かせてくれない? お菓子なんだけど」
シャンブレー(……! な、なんだこのドス黒い物体……! ヤバイ予感がひしひしと!
       俺の中で目覚めつつある野性が大音量で警告を発している!
       これを食べたら確実に絶滅すると……! お菓子? むしろおかしいだよ、これは!)
リン  「……駄目かしら?」
シャンブレー(だ、だがリンの特訓は確かに効果がある……!
       きっとこれも俺の野性を目覚めさせるための特訓に違いない! 後に引くわけには……!)
シャンブレー「わ、分かった。食べてみる……!」
リン   「うん。感想もよろしくね」
シャンブレー「よ、よし、それじゃあ……」

 パクッ。

シャンブレー「……!!」
リン   「……どう?」
シャンブレー(な、なんだこりゃ……本当に食べ物なのか!?
       ど、ドブ水から抽出したゴミを丸めてゴムでデコレートしたかのようなこの味、この食感……!
       さ、さすがリンだ、これを超えてこそ真の野性が獲得できると……!)
リン   「……やっぱり不味い?」
シャンブレー「……ッ! さ、サイコーだぜ……!」
リン   「本当っ!? やっぱりそうよね、シャンブレーなら分かってくれると思ってたわー」
シャンブレー「は、ははは。野性に目覚めた俺なら当然……」
リン   「まだまだ一杯あるから、どんどん食べてね!」
シャンブレー「」
リン   「……? どうしたの、シャンブレー?」
シャンブレー「……ふ、ふふ。フフフフフフ……!」
リン   「……?」
シャンブレー「絶滅しないぞおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
リン   「わー……凄い勢い。そんなに張り切って食べてくれると作った甲斐があるわー。また今度作ってあげるわね」

 ……そんなわけでシャンブレーはリンの殺人スイーツを完食し、結果的に本人の意図通り凄まじい耐久性を獲得するに至ったとか。

マルス「……めでたしめでたし……チッ」
リーフ(うわー、無茶苦茶面白くなさそうな顔だこれ……)
リーフ(うわー、無茶苦茶面白くなさそうな顔だこれ……)