335 :まるで呪歌のような:2012/06/13(水) 17:47:05.56 ID:2ehCraWM
リーフ 「なんかさ、アイク兄さんが最近不眠症らしいよ」
ロイ 「えぇっ!? あのアイク兄さんが!? ストレスで?」
リーフ 「いや、そうじゃなくて興奮しすぎみたい。ほら最近ヴァルハルトさんとかあの辺の人たちとよく遊んでるみたいだしさ」
クロム 「遊んでるというか、手合わせだな。ともかく激戦に次ぐ激戦の中に身を置きすぎて、神経が常時過覚醒の状態らしい」
リーフ 「魔法防御にもボーナスかかっちゃって、ミカヤ姉さんのスリープでも眠れないみたいだよ」
ロイ 「何のスキル発動してるのそれ……さすがアイク兄さんだなあ」
リーフ 「って言っても、少し心配だよね」
ロイ 「え、なんで?」
リーフ 「その状態って、言ってみれば脳内麻薬がドバドバ出てるだけじゃないか。
何かの拍子に緊張が切れたら、反動でバッタリ倒れたりするかもしれないよ」
ロイ 「うーん、アイク兄さんが倒れるなんて想像できないけど……」
リーフ 「まあ、疲れ知らずで戦い続けられる人間なんていないってことさ」
ロイ 「リーフ兄さんが言っても全然説得力ないよ、それ……」
クロム 「だが実際夜中も起きっぱなしで、姉さんたちも心配してるみたいだからな。何とかしたいところだが……」
エイリーク「……」
~夜、アイクの部屋~
アイク 「……ミカヤ姉さんたちにも警告されたが、やはり眠れん。どうしたものか……」
コンコン
アイク 「誰だ?」
エイリーク「わたしです。アイク兄上、少しよろしいでしょうか」
アイク 「ああ。入っていいぞ」
エイリーク「失礼します」
アイク 「どうした、こんな夜中に」
エイリーク「はい。今、次のコンクールに向けてヴァイオリンの練習中で。アイク兄上に練習の成果を聞いて頂きたいのです」
アイク 「俺にか? そういうのならエリンシアとかの方が……」
エイリーク「いえ、是非ともアイク兄上にお願いします」
アイク 「……まあ、いいが。大した感想は言えんと思うがな」
エイリーク「大丈夫です。それでは、始めますね」
♪~~~♪♪~~♪~~
アイク (……やはりよく分からんな。楽器を弾けるということ自体、俺から見れば凄いんだが。
努力しているエイリークに何も言ってやれんのは不甲斐ないが、やはり俺では……
……それにしても穏やかな旋律だな。気が静まるというか心が安まるというか……
……いつもの通り……ねむ……く……)
バタリ
エイリーク「……良かった、上手くいきました」
~翌朝~
アイク 「……おはよう」
ミカヤ 「あ、おはようアイク。昨日はよく眠れたみたいね。良かった
」
アイク 「いや、あまり良くもないんだが……」
ミカヤ 「?」
エイリーク「おはようございます」
ミカヤ 「おはよう、エイリーク」
アイク 「……エイリーク、昨日はすまん。どうも途中で寝てしまったらしくてな」
エイリーク「いいえ。お役に立てたみたいで、良かったです」
アイク 「……? どういうことだ……?」
エイリーク「今日の夜も聞いて頂けませんか?」
アイク 「それはいいが……また寝てしまうかもしれんぞ」
エイリーク「それでも大丈夫ですから。よろしくお願いしますね」
アイク 「ああ、分かった」