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Last-modified: 2007-10-10 (水) 21:05:40

おかんってこんな感じだよな

 

 兄弟家居間にて、今日もスマッシュブラザーズに没頭する兄弟たち。

 

リーフ  「あーっ! ひどいよマルス兄さん、さっき僕は狙わないって言ったじゃないか!」
マルス  「ははは、これも立派な盤外戦術ってやつさ」
ロイ   「とか何とか勝ち誇ってる内に……えい」

 

 SMAAAAAAAASH!

 

マルス  「ぎゃーっ! ちょ、ロイ、おいしいとことりすぎ!」
ロイ   「いや、今のは明らかに兄さんが油断しすぎでしょ」
ヘクトル 「おい、次は俺に回せよ」
エフラム 「いや、次は俺だ。順番は守れよ」
アイク  「……この分だと俺の番は相当後になりそうだな……」

 

 で、廊下を通りかかり、居間の騒ぎを見て眉をひそめる人物が一人。

 

エイリーク「……」
ロイ   「あれ、どうしたのエイリーク姉さん」
エイリーク「いえ……」
マルス  「あ、せっかくだからたまにはエイリーク姉さんもどうですか。そろそろリーフ死ぬし」
リーフ  「ちょ、決め付けないでよ兄さん!」
エイリーク「……わたしは遠慮させていただきます」

 

 立ち去ったエイリークが台所に向かうと、テーブルの前で憂鬱そうな顔をしているエリンシアが。

 

エイリーク「姉上、どうかなさいましたか」
エリンシア「ああエイリークちゃん。いえね、男の子たちがまたファミコンをやってるでしょう」
エイリーク「そうですね。わたしには理解できません、あのピコピコは何がそんなに面白いのでしょう。
      読書するなりスポーツに打ち込むなりした方が、よほど健康的で有意義だと思うのですが」
エリンシア「そうねえ。昔はミカヤお姉さまが本体ごと隠したりしたものだけど、
      そのたびに躊躇せずに探し回るものだから、家の中がめちゃくちゃになって、
      結局今は黙認状態になってしまっているし」
エイリーク「心配ですね。兄上たちの成績が悪いのも、あのピコピコの影響が否めませんし」
リン   「そうね。今度こそ徹底的に止めさせるべきかもしれないわ」
エイリーク「リン?」
エリンシア「リンちゃん……でも、徹底的に、っていうのは少し厳しすぎるんじゃないかしら」
エイリーク「そうですね。心の底から楽しんでいるようですし、少しぐらいはやらせてあげても」
リン   「甘いわね姉さんたち。ゲーム脳っていう言葉を知らないの?」
エリンシア「ゲーム脳?」
エイリーク「あ……少し、ニュースで見たことがあるような気がしますが」
リン   「そう。ゲームって脳に凄い悪影響があるんだって。思考力、判断力の低下とか、
     我慢強さがなくなって怒りっぽくなるとか、悪影響ばっかりなのよ!
     大学の偉い教授が言ってたことだもの、間違いないわ」
エイリーク「そ、そんな!」
エリンシア「ファミコンがそんな恐ろしいものだったなんて……!」
リン   「早速策を練って、男どもがゲームのことなんか忘れるようにしましょう」

 

 一方その頃、居間では。

 

エフラム 「あーっ! ヘクトル、何をするんだ!?」
ヘクトル 「うるせーっ、これも盤外戦術ってもんだろうが」
マルス  「いや、本体の電源を切るのは明らかにルール違反でしょ」
エフラム 「貴様、覚悟は出来ているんだろうな……!」
ヘクトル 「上等だ! 大体な、こんなピコピコチマチマやってるのは性に合わねえんだよ! かかってこいやぁ!」
エフラム 「そんなこと言っておいて一番熱中するのが貴様だろうが! ふざけるんじゃない!」

 

 で、いつも通り始まる現実的大乱闘。

 

ロイ   「はぁ……どんなゲームやっても絶対こうなるんだもんな……」
リーフ  「だからヘクトル兄さんとゲームやるの嫌なんだよ……」
マルス  「まあまあいいじゃないか、ゲームやるよりこっち見てた方がよっぽど楽しいんだしさ」
エリウッド「マルスは図太いな……僕もそのぐらいになりたいよ……ああ、胃が……!」

 

 ってな訳で、やたらと深刻そうな女性陣に対して、男性陣はあくまでものん気なのでありましたとさ。