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Last-modified: 2007-11-09 (金) 01:32:19

リーフ  「えーと、着替え持った寝袋持った……これでよし、と」
ロイ   「あれ、どっか出かけるの、リーフ兄さん。しかも泊まりっぽい……」
リーフ  「うん。ちょっとルーテさんのところにね」
ロイ   「……」
リーフ  「……? どうしたの、ロイ」
ロイ   「いや……リーフ兄さんの趣味もずいぶん変わったものだなあ、と」
リーフ  「いやいや、そうじゃないよ。同人誌製作のヘルプに行くんだよ」
ロイ   「あ、そっちか」
リーフ  「なんか、修羅場らしくてねえ」
ロイ   「そうなんだ……でも、リーフ兄さん漫画なんか書けるの?」
リーフ  「さあ。書いたことはないけど、なんとかなるんじゃない?」
ロイ   「……まあ、リーフ兄さんは器用になんでもこなすから、大丈夫かな」
リーフ  「そういうこと。じゃ、行ってきます」
ロイ   「行ってらっしゃい。
     ……でも、大丈夫かな。漫画の修羅場って言うと、何日も徹夜のイメージがあるけど……
     リーフ兄さん、途中でへばって『この人でなしーっ!』とか叫んでぶっ倒れちゃうんじゃ……」

 

 ~数日後~

 

リーフ  「ただいまー」
ロイ   「あ、お帰りリーフ兄さん……なんだかほくほく顔だね」
リーフ  「そりゃそうさ。特に危ないこともなく、こんな数日でこんな大金! いやー、いいアルバイトだったなー」
ロイ   「あ、そうなんだ。案外時間に余裕あったんだね」
リーフ  「いや、なかったよ?」
ロイ   「……はい?」
リーフ  「だって、ヘルプに呼ばれてたの、僕だけじゃなかったもの。
      器用仲間のラケシスさんとか、同人仲間のティニーとか……かなりたくさんいたね。
      しかも、そんなたくさん使ってるのに原稿上がったのギリギリだったし。
      ぶっちゃけ、滑り込みセーフってな感じだったよ」
ロイ   「そ、それで、大丈夫だったの?」
リーフ  「何が?」
ロイ   「いや、そんな調子じゃ、ほとんど寝れなかったんじゃ……」
リーフ  「うん。確か、五日前ぐらいから起きっぱなしだったかなあ。他の皆はぶっ倒れてたよ」
ロイ   「い、五日も徹夜!? それで体大丈夫なの、兄さん?」
リーフ  「? 何をそんなに騒いでるんだい? 別に、今回に限っては衝撃波で吹き飛ばされることも
      唐突にメティオが振ってくることもウォームが襲ってくることもなかったし……実に平和だったよ」
ロイ   「……」
リーフ  「さーて、それじゃ、また出かけるから」
ロイ   「えぇ!? ね、寝なくて大丈夫なの!?」
リーフ  「大丈夫だって、まだまだ全然余裕だよ。それじゃねー」
ロイ   「……本当に行っちゃったよ……大丈夫かな、途中で死んでたりしないかな……」
アイク  「いや、あいつに限ってそれはないな」
ロイ   「うわ、びっくりした」
アイク  「……リーフの持久力は底なしだ。多分そこだけなら神クラスだろう。
      正直言って、俺やヘクトルでも、持久力ではリーフの足元にも及ばんだろうな」
ロイ   「えぇ!? アイク兄さんたちでも!?」
アイク  「ああ。普段のしぶとさを見ても分かるだろう?
      確かに、腕力や運動能力なら俺たちのほうに圧倒的に分があるがな」
ロイ   「信じられないなあ」
アイク  「多分、あいつがそれ相応の実力を身につければ、一年以上起きっぱなしで敵の大群と戦えるだろうな」
ロイ   「……そこまでいくと化け物だね、もう」
アイク  「そう言っても過言ではないな。おそらく、リーフには……」
ロイ   「兄さんには?」
アイク  「……疲労という概念自体が、存在しない」
ロイ   「……なんでウチの兄弟は、揃いも揃って化け物揃いなんだろう……」

 

 ~数日後、デューのバーにて~

 

リーフ  「あれ? なんか今日は集まり悪いですね」
デュー  「……そりゃそうでしょ。盗賊団『緑葉』が出撃するの、今夜で五日連続だよ? いい加減疲労の限界だって」
リーフ  「えー、なんだ皆、だらしないなー。僕はまだまだ行けるのに。仕方ない、自腹切ってSドリンク配りますよ」
パーン  「……マジかよ……」
サザ   「……この団は、地獄だ……」
リフィス 「……いい加減普通に休ませろよ……」