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Last-modified: 2007-11-09 (金) 23:29:22

彼の名は

 

エフラム 「今回もオワタ」
ヘクトル 「俺始まりすぎワロタ」
シグルド 「またテスト駄目だったみたいだな。情けない…」
エリンシア 「さぁお馬鹿なお二人さん、懲罰の時間ですわ」
ヘクトル 「ブートキャンプ…? おいおいブームは去ったんだぜ、今更…」
シグルド 「エフラムはノリノリだが」
エフラム 「サーコー! サーコー!」
ヘクトル 「なっ…! くそっ、エフラムに負けるか!」
エリンシア 「二人とも必死に腕をサークルして……輝いてるわぁ」
ヘクトル 「あーバアトルの汗まみれの笑顔がすげぇうざい」
エフラム 「俺は好きになったな」
ヘクトル 「マジ? やっべ俺も好きに……なるわけねーよ!」
シグルド 「エリンシア、肉体的な罰を与えるのも良いが、もう少し建設的な方法をとろう」
エリンシア 「お兄様? というと?」
シグルド 「私の知り合いの友人に凄腕の家庭教師がいるらしい」
エリンシア 「うちにそんな余裕は…」
シグルド 「そこは仲立ちの知己のおかげでね。格安らしい」
エリンシア 「どういう方なのですか?」
シグルド 「……すまない聞いてくるの忘れてた^^」
馬鹿二人 「サーコー! サーコー!」

 

 数日後

 

エリンシア 「今日は家庭教師様がいらっしゃるので、良い子でいてね」
エフラム 「ふー」
ヘクトル 「やってらんね」
エリンシア 「お兄様によると、『世界ひろし』という名前の方らしいわ」
エフラム 「せ、世界ひろし…!? か、かっこいい……」
ヘクトル 「すげぇ名前だなw」
エリンシア 「あらっベルが鳴ったわ。きっと先生ね」
ヘクトル 「ひろし来たぞひろし」
エフラム 「世界ひろし……どんな人だろう…!」
家庭教師 「こんにちは」
ヘクトル 「キター!!!!」
エフラム 「こんにちはひろしこんにちは」
家庭教師 「はぁ? なぁ、ひろしって何だ? さっき君らのお姉さんにもひろし先生と言われたんだが」
ヘクトル 「先生の名前の事だろ?」
ヴォルツ 「馬鹿言うな。俺の名前はヴォルツだ」
エフラム 「ひろしは家庭教師の割にガタイいいな。なかなか強そうだ」
ヴォルツ 「ひろし言うひゃあっ! おまどこ触って…」
ヘクトル 「ホントだ、姉貴よだれもんだぜ」
エフラム 「ちょっと姉上呼んでくる」
ヴォルツ 「ええいっ! ベタベタ触るんじゃねぇっ! そこのお前も呼びに行くな!」
エフラム 「……どうしよう。呼ぶ前に、既に姉上がドアの隙間からこちらを覗いていたんだが」

 

   || ――ヽ|
   ||<◎>| ←姉上の瞳
   ||     |

 

ヘクトル 「姉貴KOEEEEEE」
ヴォルツ 「お姉さん困ります。子供は勉強中、親に注視されるのを厭うのです。ご遠慮願います」
エリンシア 「あらすみません。お茶をお運びしたのですが、ノックしても返ってこなくて」
ヴォルツ 「そうでしたか。いやはやこれはどうもありがとうございます」
ヘクトル 「ひろし落ち着け」
ヴォルツ 「これが普通だ。さて早速取り掛かろうか。何が苦手なんだ?」
エリンシア 「あの…ひろし先生……」
ヴォルツ 「まだ何か?」
エリンシア 「……先生の大胸筋…つんつんさせてください!」
ヴォルツ 「本当に困ります。つーかあんた正気か?」
エリンシア 「そうですとも! 服の上から…ハァハァ…妥協しますので…ハァハァ……是非!」
ヴォルツ 「地肌狙いだったのか!? やべぇーこいつはドの付く変態だぜ!」
ヘクトル 「姉貴KIMEEEEEE」
ヴォルツ 「あのねお姉さん、よく知らん人からいきなり生おっぱい触らして、と言われたらキツいだろ? 今俺そうなんだよ」
エフラム 「いいじゃないか。別にひろしのナマ乳が減るわけじゃないし」
ヘクトル 「姉貴はしつこいぜ~」
ヴォルツ 「(帰りてぇ~……でも俺にだってプロとしての意地がある)……わかった。少しだけだぞ」
エリンシア 「イヤッホウwwww弾力wwたまらんwwwwww」
エフラム 「ひろしドン引きだな」
ヘクトル 「そりゃそうだろ」
エリンシア 「ではおいとましますわ」
ヴォルツ 「………………」
ヘクトル 「でもやっぱいい体してんな」
ヴォルツ 「…ふぅ……まぁ俺の本職はこれじゃないからな。それっぽく見えないだろ」
へクトル 「何やってんの?」
ヴォルツ 「フッ、俺は派遣さ」
エフラム 「なんだ、あまり凄くは無いな」
ヴォルツ 「オイ、ただの派遣じゃないぜ。世界ひろしといえども俺より凄い派遣なんていねえよ」
ヘクトル 「ひろしキター!!!!」
エフラム 「こんにちはひろしこんにちは」
ヴォルツ 「まだ馬鹿にしてるな。ベオウルフと違って引く手数多の超良心的スーパー派遣とは俺の事だぞ」
エフラム 「スーパー(笑)派遣(苦笑)」
ヴォルツ 「うるせぇ! 見よ、この履歴書に書ききれない資格免許の数々を!」
エフラム 「おお!」
ヘクトル 「ひろしヴォースゲー。なんでこんなに資格取れるんだ?」
ヴォルツ 「フッ…それは俺自身の資質と……あとはこいつのおかげかな」
エフラム 「その腕輪は…?」

 

リーフ 「ただいまー。あれっお客さん?」
ヘクトル 「家庭教師のせか」
ヴォルツ 「ヴォルツだ。誰が何と言おうとヴォルツだ」
リーフ 「………それはまさか!」
エフラム 「どうしたんだ?」
リーフ 「兄さん達ちょっと集合」
ヘクトル 「…何だよ」
リーフ 「ヒソヒソ……あの家庭教師の腕輪を見た?」
エフラム 「ああ、やたら見せつけてきたな。何かは知らんが」
リーフ 「あれは…エリートリングだ……!」
ヘクトル 「……?」
リーフ 「身に着けると自身がエリートになるという優れ物。高値で売買される超逸品。凡人垂涎の的だ!」

 

     ヘクトル
  エフラム↓↓ ↓リーフ
 ……。>ΩΩ Ω<な、なんだってー!!

 

リーフ 「ちょっ、兄さん達ノリ悪杉! 僕一人で叫んで馬鹿みたいじゃないか!」
エフラム 「あまり興味がない」
ヘクトル 「別にエリートにならなくていいよな」
リーフ 「いやでもね、お約束じゃないか、3人で驚こうよ!」
エフラム 「リーフ必死だな」
リーフ 「これだから俺様主人公は困る。我が強くて汎用性に乏しい」
ヘクトル 「何の話だ」
リーフ 「はいはいどうせ僕は凡人だよ。エリートリングが無いとマスターナイトになるのも困難ですよ」
ヘクトル 「おい葉っぱ、何勝手にブチ切れてんだよ」
エフラム 「リーフ…光の剣装備してどこに行くんだ?」
リーフ 「僕一人で殺してでも奪い取る」
エフラム 「やめろ! ひろしに手を出すな!」
リーフ 「兄さんどいて! そいつ殺せない!」
 「ギャーギャー!」
ヴォルツ 「…何の騒ぎだ?」
エフラム 「危ない!」
ヴォルツ 「うへぇっ! なっ何をする貴様らー!」
リーフ 「エリートリングくれよぉっ!」
ヴォルツ 「狭い家の中で武器を振り回すな!」
エリンシア 「狭いは余計ですわ。これでも30年ローンなんですよ」
ヴォルツ 「あんた一体どこから湧いて来たんだ」
エリンシア 「ずーっと窺っていました」
ヴォルツ 「覗きはやめろって言っただろーが!」
ヘクトル 「あー…こりゃあ大変だ。というわけでひろしよ、愚弟が暴れてるんで今日の授業は無しな。いやぁ残念残念」
エフラム 「早く逃げろ! じゃあな、ひろし」
ヴォルツ 「えっ……? あ…あぁ……」

 
 

ヴォルツ 「…………なんなのこの家」