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Last-modified: 2007-11-25 (日) 15:05:17

長男次男

深夜0時、帰宅途中のシグルド
シグルド「お、アイクじゃないか」
アイク「む、兄貴もちょうど帰りか?珍しいな」
シグルド「ああ、今日は仕事が多くてな……それにしてもいきなり寒くなった」
アイク「そうだな」
シグルド「お前寒くないのか?そんな恰好で」
アイク「働いていれば体も温まる。基本的に肉体労働だからな」
シグルド「それにしたって寒そうだが…」
アイク「まあな、何か温かいものが食いたい気分だ」
シグルド「私もだ。ただ家に帰っても夕飯も冷めてしまってるだろう」
アイク「だろうな……ん?兄貴あれを見てみろ」

アイクがさした方向に屋台が

シグルド「おお、ちょうどいい所におでんの屋台が。せっかくだ、一杯やっていこう」
アイク「そうだな。おやじ、おでんを……ってあんたは…」
ゼルギウス「いらっしゃ……む、誰かと思えば貴殿達か」
アイク「それはこっちの台詞だ。あんたこんなこともやってたのか。というか鎧はどうした」
ゼルギウス「クリーニング中だ」
シグルド「鎧?」
ゼルギウス「こちらの話だ。ところで、注文は?」
シグルド「そうだな…とりあえず酒を。体が温まるものがいい」

ゼルギウス「しかし、貴殿達も大変だな。こんな遅くまでご苦労なことだ」
アイク「うちは男は多いが、みんな学生で働き手は俺と兄貴しかいないからな」
シグルド「それでもアイクが働くようになってずいぶんと楽になったよ。
     末っ子のロイも中学に上がってみんな手間がかからなくなったし、
     安心して家のことを任せられる」
ゼルギウス「貴殿達の兄弟もみなしっかりしているからな。信頼に足る人物に成長しつつある」
シグルド「数年前にはこうしてアイクと仕事帰りに酒を酌みかわすことも想像できなかった。
人の成長とは早いものだ……」
アイク「……」
シグルド「ただ、少し寂しい気もするな。昔はみんな困ったことがあれば私を頼りに
     してくれたものだが、今ではすべて自分の力で解決している」
ゼルギウス「……」
シグルド「もし私が突然いなくなったとしてもみんなしっかりやれるだろう。少し悲しいことだがな……」
アイク「何言っているんだ。俺達をそんな風に育てたのは兄貴だろう」
シグルド「アイク?」
アイク「俺達は兄貴から『立派な人間はこうあるべき』みたいなことをさんざん聞かされて育った」
シグルド「……」
アイク「『友人を裏切るようなことはしてはいけない』だの『友人を頼っても甘えては
    いけない』だの『自分の問題は自分で解決しろ』だの耳にタコができるくらい
    教え込まれた」
シグルド「……」
アイク「兄貴がいたから俺達は立派に成長できた。それは動かしようもない事実だ。
    あんたがいなくなろうがそれは変わりはせん。あんたの意志は受け継がれている。
    ロイやリーフ、セリスに必要とされんでも嘆くことはない。立派な弟を育てた
    ことに誇りをもってどっしり構えてりゃいい」
シグルド「……ふふふ、そうだな。アイクの言う通りだ。まさかお前に教えられるとはな」
アイク「俺にとって兄はあんただけだからな。一番影響を受けてるのは俺かもしれん」
ゼルギウス「ガウェイン殿といい、貴殿は師に恵まれたようだな」
シグルド「よし!今日は大いに飲むとしよう」
アイク「いや、やはり酒よりおでんだ。肉とか入ってないのか漆k…ゼルギウス」
ゼルギウス「肉団子ならあるが…」