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Last-modified: 2007-11-10 (土) 23:11:24

あまりにもエリンシア姉さん好みだと思ったので、つい

 

「筋肉をバカにするなっ!!」

 

「……そういうのは、筋肉に失礼だと思います」

 

「す、すみません! 筋肉が、つい……」

 

 岩山が弾け飛んだ。

 その場にいたものはそんな錯覚に囚われ、そして迸る気圧の奔流に打ち据えられた。

岩石が両の腕を腹の前で叩きつけ、全身の筋繊維を、いや、筋細胞を覚醒させる。前頭

筋、側頭筋、頬筋、眼輪筋、口輪筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋、三角筋、大胸筋、腹直筋、

前鋸筋、広背筋、上腕二等筋、上腕三等筋、腕橈骨筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、

内転筋、縫工筋、腸腰筋、大臀筋、大腿四頭筋、大腿ニ頭筋、半腱様筋、半膜様筋、腓

腹筋、前頚骨筋、長指伸筋そして下腿三頭筋まで、あらゆる筋肉が爆縮反応を見せつけ

た。真実のモストマスキュラー。後輩たちへの贐として、スキンヘッドは最高の輝きを

放ってみせたのだ。

「……ああ、美しい」

「芸術だ。芸術がこの世に姿を現した」

「…………部長」

 皆が呆ける中、角刈りが滂沱の涙を流していた。スキンヘッドが大きく頷く。

「後は頼んだぞ。なに、今生の別れではない。お前たちが筋肉の道を歩む限り、いずれ

再び会えるだろう。そのときを、楽しみにしている!」

 バッ。腕を振り上げ、スキンヘッドは高らかに宣言した。

「筋肉に、栄光あれ!」

「栄光あれーっ!」

 ウオオオオオオオオオオオオー!

 

マルス  「……以上、ファミ通文庫より発刊されている『学校の階段』というライトノベルより引用いたしました」
エリンシア「OK、ちょっと本屋行って百冊ほど購入してきますわ」
エリウッド「ちょ、自重してくださいよ姉さん! 我が家にそんな余裕は――!」
エリンシア「ええい、離しなさいエリウッドちゃん! 側頭筋が、上腕二等筋が、半腱様筋がっ!
       このわたくしを、呼んでいるのよーっ!」
エリウッド「訳の分からんことを言わんでくださいよ!」

 

アイク  「……俺の高校には何故筋肉研究会がなかったんだろう……」
ロイ   「いや、普通ないから、そんなの」
セリス  「いいなあ。僕も入りたいなあ、筋肉研究会……」
ユリア  「いけませんわセリス様!」
ラナ   「セリス様はそのままの方が! いえ、むしろそのままだからこそ!」
リーフ  「相変わらず反応早いねお二人さん!」