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Last-modified: 2008-01-16 (水) 20:41:19

兄弟的初日の出

マルス  「ただいまーっ」
リーフ  「あ、お帰りマルス兄さん」
アルム  「確か、シーダさんと一緒に初日の出を見に行ってきたんだよね?」
マルス  「うん、そうだよ」
シグルド 「ふふふ……曇っていて何も見えなかっただろう? いや言わなくても分かるぞマルス、さあ、お互い慰め合おうではないか!」
リーフ  (ディアドラさんとの初日の出デートに失敗したんだな、シグルド兄さん……)
アルム  (初っ端からこれだもんなあ……)
マルス  「ふふん……僕がそんなヘマをするとお思いですか、シグルド兄さん?」
シグルド 「な、なに……?」
マルス  「バッチリ見れましたよ、初日の出。いやあ、綺麗だったなあ。シーダも大喜びで、僕らの行く末も明るいですよ」
シグルド 「ば、バカな、わたしの方は何も……!」
マルス  「ふふふ……まだ正気を保っているのなら、己の生まれついての体質を呪うがいい、シグルド兄さん!」
シグルド 「ど、どういう意味だ、マルス……!」
マルス  「君はなかなか誠実な男だが……そのトラブル&不幸遭遇体質がいけないのだよ!」
シグルド 「は、謀ったな、謀ったなマルスーッ!」
アルム  「はいはい、変な遊びはそこまでにしてよ」
リーフ  「で、実際どういうことなのマルス兄さん?」
マルス  「それはね……」

 ~数時間前、ミレトスの岬にて~

シーダ  「ああ……曇っていますね、マルスさま」
マルス  「そうだねえ……」
シーダ  「これでは何も……」
マルス  「いやいや……ほら、見てごらんシーダ!」
シーダ  「え? ああ……!?」

 マルスの指差す先、厚い雲に覆われた水平線の上に、何故か赤々と燃える太陽が!

シーダ  「ど、どうして……?」
マルス  「きっと、日頃清く正しく生きているシーダに、神様がプレゼントしてくださったんだよ」
シーダ  「まあ、マルスさまったら……ああ、でも本当に綺麗……まるで炎のような美しい輝きです……!」
マルス  「……今年も一年よろしくね、シーダ」
シーダ  「はい、マルスさま……」

マルス  「……よし、と。みなさん、お疲れ様でしたーっ!」
サイアス 「……」
サナキ  「……」
リリーナ 「……」
セリカ  「……」
マルス  「いやあ、実に見事な初日の出でしたよ!
      ファラフレイム、シムベリン、フォルブレイズ、ライナロックによる素晴らしい演出で」
サイアス 「いえ、それは構いませんが……」
サナキ  「約束は守るのじゃろうな?」
リリーナ 「ロイとの初詣に行けなかった分、ちゃんと埋め合わせをしてもらわないと……」
セリカ  「そうよ兄さん、ただ働きじゃ納得できないわよ?」
マルス  「ははは、大丈夫大丈夫、必ず皆さんのお望みをかなえて差し上げますって!」

マルス  「……という訳でね」
アルム  「なるほど……セリカ、どこに行ったんだと思ったらそんなところに……」
リーフ  「新年早々しょうもないことに全力賭けるね、マルス兄さん……」
マルス  「ふふ……そうでもないよ。こういった思い出一つ一つが、二人の絆をより強くするのさ!
      そこんとこへ行くとシグルド兄さんは行き当たりばったりだから」
シグルド 「ぐぅ……わ、わたしは失敗したのか! 何故だ!?」
マルス  「チェリーだからさ……」
シグルド 「ぐあぁぁっ!」
アルム  「なんてこった、シグルド兄さんが精神的に殺されちゃった!」
リーフ  「この人でなしーっ!」
マルス  「ははは、どうやら今年も明るい年になりそうだねえ」