7-398

Last-modified: 2008-02-19 (火) 22:00:05

兄弟家家庭訪問週間

 

398 名前: 兄弟家家庭訪問週間① [sage] 投稿日: 2008/01/17(木) 01:32:20 ID:at/gDOv4
如何なる偶然か、兄弟家学生組の家庭訪問が同じ週のうちに行なわれる事になった。

ピンポ~ン

エリンシア「はーい、ただいま」
セシリア「どうも、こんにちは。ロイ君のクラスを担当しているセシリアです」
エリンシア「ええ、ロイちゃんがいつもお世話なっています」

エリンシア「それで、ロイちゃんの学校での様子は…」
セシリア「はい、とてもまじめに勉学に励んでいますし、他の生徒たちとも仲が良く
     非の打ち所が無いくらいですよ」
エリンシア「まあ、良かったわ」
ロイ「な、何だかテレちゃうな…」
セシリア「とにかく私個人としても、ロイ君のこれからに大いに期待しています」
エリンシア「それはどうも…。今日はありがとうございました、セシリア先生」
セシリア「いえ、こちらこそ。…ところで、この後しばらくロイ君をお借りしてもよろしいでしょうか?」
エリンシア「え、ええ、ロイちゃんの都合がいいのなら」
ロイ「僕は全然構わないけど…」
セシリア「なら決まりね。エリンシアさん、ロイ君をしばらくお借りしますね」
エリンシア「ええ、お気をつけて」

ロイ「…それで、僕に話しって何なんですかセシリア先生?」
セシリア「実はね…この間、映画のチケットを二枚貰ったのだけれど、一緒に行く相手がいなくて…
     一人で観に行くのも寂しいし、ロイを誘おうと思ったの」
ロイ「え、映画ですか?でも、いいんですか、僕なんかと一緒で…」
セシリア「普段がんばっている生徒への、ちょっとしたご褒美よ。遠慮なんてしないで」
ロイ「う~ん…それじゃあ、お言葉に甘えて…」
セシリア「決まりね♪じゃ、行きましょうか」

(数メートル先)
リリーナ(なんてこと…セシリア先生が教師の立場を利用して、こんな手段にでるなんて……!)
リリーナ「こうしてはいられないわ…オスティア密偵隊、出ませい!!」
アストール「はっ!」シュタ!
マシュー「いつでもお側に…」シュタタン!
レイラ「参上いたします」ヒュン!
リリーナ「いいみんな?ロイとセシリア先生のデート…なんとしても阻止するのよ!!」
アストール「了解!(こいつはお嬢様、相当お冠だな…)」
マシュー(やれやれ、なんだかセシリアって人が可哀相な気もするけど…)
レイラ(これも仕事なんだし、仕方がないわ)

その後映画館は原因不明の停電になり、映画の上映は中止になったとか
399 名前: 兄弟家家庭訪問週間① [sage] 投稿日: 2008/01/17(木) 01:33:22 ID:at/gDOv4
シグルド「そろそろ来る頃か…」

ピンポ~ン

セリス「あ、来たみたい!」
オイフェ「どうも、セリスさま…もといセリス君のクラス担当のオイフェです」
シグルド「おお、よく来てくれたオイフェ」
オイフェ「ははは…シグルド様もお変わりなく。……一応今日は家庭訪問に来たのですけれどね」
シグルド「おっと、そうだった。セリスは学校ではどうかな?」
オイフェ「ええ、それはもう学業も優秀で心優しくクラスメイトにも男女を問わず大変慕われています」
シグルド「ほう、やるじゃないかセリス」
セリス「そ、そんなに凄いことはしてないよ僕は」
オイフェ「それもセリス君の美徳ですかな」
セリス「もう…。あ、急須のお茶葉新しいのと取り替えてくるね!」
シグルド「ああ、頼むよ」

オイフェ「あの、シグルド様…」
シグルド「ん、なんだいオイフェ?」
オイフェ「セリス君の前ではちょっと話しづらかったのですが、ウチのクラスもちょっと問題がありまして…」
シグルド「なんだ?相談事なら私に話してみろ。出来る限り力になるぞ?」
オイフェ「…はい。まぁ、先ほどお話しした通りセリス君は良い生徒なのですが、彼を取り巻く環境がいささか特殊と言いますか…」
シグルド「と、言うと?」
オイフェ「はい、私の受け持ちのクラスにはセリスくんのほかにユリア君やユリウス君、それにラナオウ…いえ、ラナ君もいるのですが…」
シグルド「何だか話が見えてきたな…」
オイフェ「ええ、そりゃもう毎日我がクラスは大変ですとも!ラナ君とユリア君のセリス君をめぐってのオーラ(気)のぶつかり合いや
     ユリウス君とセリス君のフラグが立つたびに、ユリア君のナーガの魔法とラナ君の超パワーが炸裂するもんですから
     教室どころか、校舎自体がしょっちゅう崩壊の危機に晒されて、担任である私に対しての学校側からの風当たりも強くて
     なんだか最近苦労で十数年分くらい老け込んでしまった気がします………(大泣)!」
シグルド「そ、そうか。お前も苦労するな(今じゃ、どう見ても私よりフケ顔だしな)」

セリス「お待たせ~、お茶入れ替えて来たよ。…って、どうしたの二人とも?」
シグルド「い、いや何でもないぞ?セリス」
セリス「フーン?」
シグルド(周囲でそれだけバイオレンスな出来事が起こっているにも関わらず、これだけ平然としていられるとは…。将来大物になるやもしれんな)
オイフェ(この天然具合は逆に不安でもありますけどね…)
400 名前: 兄弟家家庭訪問週間① [sage] 投稿日: 2008/01/17(木) 01:35:17 ID:at/gDOv4
トラバント「リーフ君のクラス担任のトラバントだ」
シグルド「知っている」
リーフ(うう、また微妙な空気に…!)
シグルド「で、リーフの学校での様子はどうなんだ?」
トラバント「学業は可もなく不可もなくといったところだ。普段は基本的に真面目な態度だが…例の病気がな……」
シグルド「病気だと?」
トラバント「セルフィナ先生やアマルダ先生、それにエスリン先生…。年上の女性と見るや見境なく特攻する様を、病気と言わず何と言うのだね?」
リーフ「びょ、病気って、そりゃないですよトラバント先生!」
シグルド「お前、学校でも相変わらずか」
リーフ「違うって!ほんのスキンシップ!軽いジャブ!」
トラバント「ナンナ君やミランダ君やサラ君は少なくとも、そうは思っておらんようだが」
リーフ「い、いや彼女たちとはただの友達で…」
シグルド「あの子たちがこの場にいたら、お前はご臨終だったぞリーフ」
トラバント「あと、もういい加減アルテナに付きまとうのはよせ。こっちもいい迷惑だ」
リーフ「そんな!ひどいじゃないですかトラバント先生!!」
シグルド「お前が今までやらかした事のほうが、ひどいと思うが」
トラバント「ただでさえ、アルテナがアリオーンにゾッコンなのが悩ましいというのに…」
シグルド「(ピュキリーン!)   な  ん  だ  と  」
リーフ「シ、シグルド兄さん…?」
トラバント「な、なんだ…?」
シグルド「そうか…お前の弟と妹も兄妹同士の禁断の愛を育んでいるのか……」
トラバント「い、いや育んでいると言うか兆候があると言うか…」
シグルド「…めつだ……」
リーフ「え?」
シグルド「今に見ていろKINSHINカップル全滅だ!!この世にKINSHINカップルがいる限り、私の戦いは終わらん!!
     さあ、同志トラバントよ!KINSHINカップル根絶のため共にがんばろうでないか!!」
トラバント「ど、同志って…。私はアルテナとアリオーンを何とかしたいだけで、他は別にどうでも……」
シグルド「さあ!まずはお前の家に行って、アルテナ君とアリオーン君を更生させるぞ!」
トラバント「話を聞け!それに私はこれから他の生徒の訪問もあるのだ!」

ここに強力タッグが誕生した!!

リーフ「してないっつーの」
401 名前: 兄弟家家庭訪問週間① [sage] 投稿日: 2008/01/17(木) 01:38:51 ID:at/gDOv4
クレーベ「ど、どうもアルム君のクラスを受け持っているクレーベです」
ミカヤ「わざわざご足労いただいて、ありがとうございます、先生」
クレーベ(お、おいアルム。今日は君のお姉さんが話しを聞くはずじゃなかったのか)
アルム(ミカヤ"姉さん"なんだよ本当に。妹に見えるかもしれないけど、僕の姉さんなんだよ先生)
ミカヤ「どうかしましたか?」
クレーベ「い、いえ、アルム君のお姉さんがこんなに若いとは思わなくて…」
ミカヤ「もう、お上手ですねクレーベ先生」
クレーベ「(というか見たまんまを言ったんだが…)そ、それで学校でのアルム君のことなんですが」
ミカヤ「はい」
クレーベ「よくやってくれてますよ。クラスの委員長もつとめていますし、農芸部の部長としても日々、はりきっています」
ミカヤ「まあ、すごいわアルム」
アルム「いやあ、それほどでも…」
クレーベ「正直、私も教師になってから日が浅いものですから、彼にはだいぶ助けてもらっています。…マチルダはあんなに上手くやっているのに」
ミカヤ「え、マチルダ?」
アルム「うちの学校の先生だよ。クレーベ先生とは恋人同士でさ」
ミカヤ「そうなんだ」
クレーベ「そうだ、俺なんかじゃマチルダとは釣り合いが取れていないんだ…。美人で気立てもいいマチルダと冴えない俺とじゃ…」
ミカヤ「ク、クレーベ先生…?」
アルム「あ~あ、また始まったよ…」
クレーベ「俺がこんなんじゃ、いつまで経ってもマチルダとの結婚に踏み切れない…。俺は…俺はぁぁぁぁ!!」
アルム「しばらく経てば治まるから、放っておいて平気だよミカヤ姉さん」
ミカヤ「わ、分かったわ…」
クレーベ「マチルダーーーー!!!」
ミカヤ「………」
クレーベ「クレアー!馬鹿な兄さんを許せーー!!」
アルム「ちなみにクレアはクレーベ先生の妹で、僕の同級生だよ」
ミカヤ「……そう」

バルボ「どうも。セリカ君のクラス担任のバルボです」
ミカヤ「あ、はじめまして」
ミカヤ(何だかエリンシアが見たら喜びそうなガタイの先生ね…)
セリカ(ミカヤ姉さんもそう思う?)
バルボ「で、セリカ君なんですが」
ミカヤ「あ、はい」
バルボ「まぁ~、よくやってくれてますわ。成績もいいし、特に神学の授業には真面目に取り組んでいますよ」
ミカヤ「そういえばバレンシア中学ってミラ系の学校だったっけ」
セリカ「そうよ、姉さん。バレンシア地区ではミラ教が一般的だから」
ユンヌ「私だってミラちゃんには負けてないわよ~」
セリカ「お黙り、鳥」つエクスカリバー
ユンヌ「やん、いけず!」
バルボ「何ですかい、今のは…?」
ミカヤ「あ、気にしないで下さい。ちょっとペットの鳥を躾けていただけですから」
バルボ「はあ。ああ後セリカ、この場を借りて言っておくが…」
セリカ「はい?」
バルボ「HRの時のお祈りの時間は5分が限度だ。それ以上は許可しねえからな」
セリカ「は、はい……(ガッカリ)」
ミカヤ(信仰心が強いのも考えものね)

アラン「えー、学校でのマルス君はですね……」
マルス「………」
ミカヤ「………」
アラン「…あ、あの、どうかなされましたか?」
ミカヤ「い、いえ、別に何も……!」
ミカヤ(ちょ、ちょっとマルス!この先生何だか、もの凄く顔色悪いわよ!?今にも倒れそうというか…)
マルス(いや~、アラン先生は生まれつき身体が弱くてね。授業中に吐血して倒れたのは、二度や三度じゃないよ)
ミカヤ(よく、教師続けられてるわね…)
アラン「そ、それで、学校でのマルス君なんですが…ゴホッ、ゴホッ……」
ミカヤ「は、はい!」
アラン「なんというか、ごく自然にリーダーシップを発揮できるというか…ゴホッ…人を動かすのが上手い子ですね…ゲホッ、ゲホッ」
ミカヤ「そ、そうですか…(ひいぃ~咳き込んでる……!)
アラン「生徒会役員としても、精力的に活動してますし……次期生徒会長の有力候補とも……グボワアァァ!!」
ミカヤ(は、吐いたー!血を吐いたー!!)
アラン「ハハハハハ…お気になさらず……この程度、いつものことです…」
マルス「やっぱり、エリス先生に、家庭訪問代行してもらったほう、良かったんじゃないですかアラン先生?」
アラン「なんのなんの、ジェイガン殿に君たちのクラスをよろしく頼まれたのだ……
    家庭訪問もちゃんと出来んようでは、教師失格だ………(ガタガタブルブルブルブル)」
ミカヤ「い、いえアラン先生は立派に教師の務めを果たしてますよ!(いやあぁぁぁ、痙攣してる!!)」
マルス(どうも早めに家庭訪問を切り上げた方が良さそうだね…)
ミカヤ「(そ、そうね…)ア、アラン先生、マルスの学校での事は良く分かりました。き、今日はありがとうございました…」
アラン「…い、いえ、こちらこそ……。では他の生徒の訪問もありますので、私はこれで……」
マルス「シーダの家で血を吐かないで下さいよ、アラン先生」
ミカヤ「全生徒の家庭訪問が終わるまで、倒れなければいいけど……」

アラン「死兆星…死兆星が見える……」

マルス「FEの死に際の決まり文句は、『ぐふっ』ですよね」

アラン「ま、まだ死んでいないぞ………ぐふっ」
496 名前: 兄弟家家庭訪問週間② [sage] 投稿日: 2008/01/24(木) 22:06:06 ID:DagkFQH1
ワレス「ワハハハハ、お久しぶりですなエリンシア殿!」
エリンシア「まあ、教職に復帰されたのは本当だったんですね、ワレス先生」
リン「生涯現役だって、ワレス先生の口癖だものね」
ワレス「また、お前の担任になれてうれしく思うぞ、リンよ!」
リン「はい!私もワレス先生が教職に復帰してくれるなんて、思っても見ませんでした!」
エリンシア「あらあら、教師と生徒の熱い絆をひしひしと感じますわ」
リン「……っと、先生、面談を早くやりましょうか」
ワレス「ハハハハ、そうであった、そうであった!」
エリンシア「それで、リンちゃんの学校での様子は…」
ワレス「リンは学校でも、その内なる闘志を燃やし続けていますぞ!」
リン「私もサカの掟に従って、自然と調和しつつも更なる境地に……!」
エリンシア(やっぱり、ワレス先生と一緒にいるとキャラ変わっちゃうのねリンちゃん…)
ワレス「フハハハ、その意気だぞ、リン。命を真っ赤に燃やし、更なる高みを目指すのだ!」
リン「はい!(メラメラ)」
エリンシア「燃えている…、リンちゃんが燃えているわ……!」

ワレス「時にエリンシア殿、リーフのやつめは元気にしておりますかな?」
エリンシア「ええ、まあ基本的には……元気だと思います」
ワレス「肉体の鍛錬も欠かしておりませんかな?」
エリンシア「それが、あまり自分から進んで鍛えようとはしなくて……このままでは、リーフちゃんのマッスルボディなんて
      夢のまた夢ですわ……」
ワレス「それはいけませんな!ようし、今度の休日にでも、またアイツを修行に連れ出すとしますか!!」
エリンシア「まあ、よろしいんですか!?」
ワレス「なぁに、あの小童も中々あれで鍛えがいがありますからな!どこに出しても恥ずかしくない屈強な男に
    仕上げてみせましょうぞ!!」
リン「私も手伝うわ。弟のためだもの」
エリンシア「まあ、ありがとうございます!ワレス先生(リーフちゃんガチムチ化フラグキター!)」

リーフ「なんか、寒気がする……」

本人の知らないところで、リーフ・マッスル化計画は着々と進行中である……
497 名前: 兄弟家家庭訪問週間② [sage] 投稿日: 2008/01/24(木) 22:07:26 ID:DagkFQH1
イサドラ「はじめまして、エリウッド君のクラスを担当しているイサドラです」
エリンシア「ええ、エリウッドちゃんがお世話になっています」
エリウッド「何だか学校でのことを知られるのも、恥ずかしい気がするな…」
イサドラ「何を言っているの。いつも真面目に勉学に励んでいて皆の信頼も厚いあなたが」
エリウッド「そ、そんな買いかぶりすぎですよイサドラ先生…」
イサドラ「私はあなたの様な生徒を受け持つことが出来て、誇りにすら思っていますよ?」
エリンシア「あらあら、ベタ褒めねエリウッドちゃん」
エリウッド「恐縮です…」
イサドラ「ただ唯一の心配事は、その身体があまり丈夫ではないようで…」
エリウッド「あ、保健室に行くことが多いのは分かっています…。おもに胃の関係で」
イサドラ「でも学業の遅れが全くないのは立派ですよ」
エリウッド「ええ、僕だけ取り残される訳にはいきませんから。生徒会の仕事もありますし」
イサドラ「責任感が強いのはいいけれど、あまり一人で抱え込んではダメですよ?」
エリンシア「そうよエリウッドちゃん。ただでさえ家で胃にダメージを負う出来事が続いているのだから…」
エリウッド「分かっているさ姉さん。僕にはみんながついているんだ、みんな……が…」
エリンシア「エリウッドちゃん…?」

エリウッド「みんな…アイク兄さんはすぐ何かを壊すし、ヘクトルは真面目に授業を受けていないし、リーフは女性を追い回してばかり
      シグルド兄さんはアルムとセリカのイチャつきを見てしょっちゅう暴れるし、エフラムはロリコンだし………
      フフフ・・・・僕の家族って、超・蝶・兆サイコーーーーーー!!!」

エリンシア「また、エリウッドちゃんが壊れてしまったわ」
イサドラ「ああ、一人で抱え込まないでって言ったばかりなのに………」

エリウッド「さあー僕をエリーって呼んでくれー!もっと愛を込めてーーー!!」

イサドラ「ああ、ハーケン…何も見えないわ……」

イサドラ先生、精一杯の現実逃避である
498 名前: 兄弟家家庭訪問週間② [sage] 投稿日: 2008/01/24(木) 22:09:26 ID:DagkFQH1
ヘクトル「………」
オズイン「………」
シグルド「………」

ヘクトル「何で、さっきからみんなダンマリなんだよ……」
オズイン「いや、君がいかに言い逃れするのかと思ってな」
ヘクトル「う………」
オズイン「授業をエスケープして闘技場通い、テストはいつも赤点の常連、ケンカ騒ぎをしょっちゅう起こす…
     罪状を挙げればキリがないな?」
ヘクトル「そ、それは……!」
オズイン「いや、ヘクトル君は剛胆なことだ。君のような生徒は中々いないと思うぞ?」
ヘクトル(め、目つきがやべぇ……)
シグルド「まったく、たまには真面目に授業に出ようという気は無いのか?ヘクトルよ」
ヘクトル「だ、だってよ兄貴…!」
オズイン「体を鍛えるのに熱心なのは良いが、少しは勉学にも身を入れてほしいのですがね」
シグルド「いや、オズイン先生。うちのヘクトルが予想以上にご迷惑を掛けているようで申し訳ないです」
オズイン「ああ、頭を上げてくださいシグルドさん。責任は担任の私にもあるのですから……」
ヘクトル「………」
オズイン「それに、確かに彼は粗野な振る舞いが目立ちますが、彼もこれで中々友達思いな所がありましてね…
     ヘクトル君のことを頼りにする生徒が多いのも、また、事実なのですよ。彼は友を決して見捨てませんからね」
シグルド「ほう、それは…」
ヘクトル「別に俺は……」
オズイン「照れなくても良いでしょう。人間誰しも、一つは美徳というものを備えているのだから…」
シグルド「オズイン先生の言う通りだぞヘクトル。それがお前のいいところだ」
ヘクトル「ちぇ…オッサンはクサイ台詞を平然と言うモンだな」
オズイン「…………オッサン?」
ヘクトル(あ、やべ……)
オズイン「フ・・・学生の君から見れば三十代の私は確かにオッサンかもしれないな・・・・・・」
シグルド(ヘクトルの奴、触れてはならないことに触れたようだな……)
オズイン「明日は君に特別授業を受けてもらうとするか…」
ヘクトル「と、特別授業!?」
オズイン「斧の実技試験なんてどうかな?ただし、私はハンマー装備で君は練習用の斧だが」
ヘクトル「き、汚ねぇぞ!!」
シグルド「口は災いの元だな…」
499 名前: 兄弟家家庭訪問週間② [sage] 投稿日: 2008/01/24(木) 22:10:42 ID:DagkFQH1
ゼト「ルネス女学院のゼトです。本日はよろしくお願いします」
アイク「ああ、こちらこそ」
エイリーク「アイク兄上が面談に参加してくれるなんて、ちょっと意外でした」
アイク「俺だって家族のことは気になる。たまには兄らしいこともしてやらんとな」

ゼト「エイリーク君は女学院の中でも抜きんでた才女ですね学問はもちろん、運動に芸術・音楽にも明るくて…」
アイク「ほう」
ゼト「他の生徒からも慕われていて…」
アイク「ほう」
ゼト「何より、皆に優しく接する…」
アイク「ほう」
ゼト「………あの、アイクさん失礼ですが話しをちゃんと聞いていますか?」
アイク「ああ」
エイリーク「す、すみませんゼト先生…!兄上に悪気があるわけではないのです。ただ、少し無愛想なだけで……」
アイク「……すまん」
エイリーク(少し言い過ぎたでしょうか…)

アイク「そういえばルネス女学院は、ずいぶん悪漢どもに襲撃されることが多いようだが…」
エイリーク(た、立ち直りが早い)
ゼト「ええ、セキュリティの強化も随時行なっているのですが、奴らはあの手この手で学院内に侵入してきますからね……」
アイク「苦労をしているようだな」
ゼト「ただ、最近学院内に仮面の騎士を名乗る人物が現れ、賊どもを退治しているらしいのです」
エイリーク(ドキッ)
アイク「仮面の騎士?」
ゼト「はい、仮面で素顔を隠した謎の騎士……その正体を知る者は誰もいない、正真正銘の謎のヒーローですね」
エイリーク「………」
アイク「仮面の騎士か……面白そうだ、一度手合わせ願いたいものだな」
エイリーク「え!?」
アイク「どうした、エイリーク?」
エイリーク「い、いえ何でも」
アイク「仮面の騎士は、ルネス女学院にしか現れないのか?」
ゼト「そうですね。今のところは女学院内でしか目撃はされていません」
アイク「そうか……仮面の騎士………楽しみだ」
エイリーク「で、でも仮面の騎士さんにも都合というものが……」
アイク「なんでお前がそんなことを?」
エイリーク「い、いえ、ただなんとなくそう思っただけで……」
アイク「変な奴だな。聞くところによれば仮面の騎士は中々高潔な男のようだ。勝負を挑まれて
    背を向ける奴ではなさそうだ。俺は全力で戦うぞ」
エイリーク(ああ、どうすれば……)
500 名前: 兄弟家家庭訪問週間② [sage] 投稿日: 2008/01/24(木) 22:12:38 ID:DagkFQH1
モルダ「担任のモルダです」
アイク「エフラムの兄のアイクだ」
エフラム「まさか兄上が家庭訪問に参加してくれるとはな…」
アイク「…エイリークと同じ事を言うな。ちゃんと工務店に休暇届けは出したぞ」

モルダ「エフラム君は真面目は真面目なのですが、体育以外の成績がどうも……」
エフラム「ぬ……」
モルダ「授業中に寝てしまっていることも多いですしな」
アイク「それは感心しないな」
エフラム(兄上だって似たようなことしていたハズだ!)
モルダ「日々の反省の意味も込めて、毎日お祈りをするよう言い渡しているのですが……」
アイク「そうなのか?」
エフラム「あ、ああ……」
モルダ「では、エフラム君。今日の学校での出来事を振り返ってもらえますか?」
エフラム「ええと、一時限目の数学は問題が分からなくて寝てしまって、二時限目は化学の実験でスケルトンの模型を
     うっかり破壊して、三時限目は音楽で曲を聴いている途中でまた眠くなって、四時限目の体育では
     百メートル走でヒーニアスに勝負を挑まれ、それから……」
モルダ「もう、よい……。それで、今日の出来事であなたの得た教訓は?」
エフラム「あの徒競走は絶対、俺が勝っていた」
モルダ「そういうことでは無く、君がこれから気をつけようと思っていることは何ですか!?」
エフラム「……腹が減っても早弁は我慢するか」
モルダ「………さあ、エフラム君。これから倫理道徳の授業でもしますか。無論、正座で」
エフラム「う……!」

エフラム「あ、足が…!」
モルダ「まだ半分も終わっていませんよ?」
アイク「何故、俺まで…」

モルダ先生の授業は三時間は続いたそうな

こうして兄弟たちの家庭訪問週間は終わりを告げた