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Last-modified: 2008-02-27 (水) 19:46:47

379 名前: 頭上の人たち [sage] 投稿日: 2008/02/21(木) 22:43:33 ID:4vFUBouP
ロイ   「……あれ?」
セリス  「どうしたの、ロイ」
ロイ   「いや……なんか、居間のテーブルに果物の入ったバスケットが置いてあるんだ。さっきまではなかったのに」
セリス  「ああ、そういうこと、たまにあるよね」
ロイ   「誰が置いたんだろ?」
セリス  「分かんない。ウチも人が多いし、誰かが気を利かせて買ってきたんじゃないかな」
ロイ   「そっかー……まあ、そうだよね。それ以外は考えられないし」

 ~同時刻、天井裏~

マシュー 「……よもやリリーナ様の命令を受けた俺たちが、ときどき屋根裏部屋に潜んでいるとは夢にも思うまい」
レイラ  「潜入技術は完璧……さすがねマシュー」
マシュー 「よせやい……レイラには及ばねえよ」
レイラ  「ふふ……ところで、ずいぶん気が利いてるのね?」
マシュー 「なにが?」
レイラ  「あの果物よ。マシューが置いたんじゃないの? いつも生活を覗かせてもらってるせめてものお詫びにって」
マシュー 「へ? 俺はてっきりお前が置いたもんだと……」
レイラ  「え?」
ジャファル「……あれは俺が置いた」
マシュー 「うわっ!?」
レイラ  「あ、あなた誰!? いつの間にここに……!」
ジャファル「……うるさい奴らだ」
マシュー 「なんだとテメエ」
レイラ  「ダメよマシュー、潜入任務中に揉め事は……」
マシュー 「でもよレイラ、なんかこいつ見てると物凄く腹が立ってくるんだ。特にお前といるのを見ると」
レイラ  「……心配しなくたって、浮気なんかしないわよ」
マシュー 「バッ、おま、俺は別にそういう」
ジャファル「……あまり騒ぐとばれるぞ」
マシュー 「……チッ、いけ好かない奴」
レイラ  「……ところで、あなたは一体何の目的でここに?」
ジャファル「……素直に話すと思うか?」
レイラ  「目的が相反しないのなら、お互い協力するなりあるいは無視するなり……
      どちらにしろ、せめて敵対の意志がないことを確認しておくのは無駄じゃないと思うけど?」
ジャファル「……いいだろう。俺は、ある男の監視が目的でここにいる」
マシュー 「……俺らと同じか」
ジャファル「知らん。……そいつは性的嗜好が異常な人間だ。最近俺の知り合いに近づくことが多い。
       おかしな動きを見せたら瞬殺で一撃にしようと考えている」
マシュー 「物騒だなオイ」
ジャファル「……念のために言っておくが、瞬殺であって瞬殺(笑)ではないぞ」
レイラ  「何の話?」
パティ  「まあまあ皆さん、もうちょっと和やかにいきましょうよ」
デイジー 「そーそー、せっかくの屋根裏仲間なんだからさー」
ツヴェルフ「まあ気楽にやりましょうや」
マシュー 「って、誰だお前ら!?」
パティ  「あ、わたしたちはユングヴィ家の盗賊コンビ。わたしがパティで」
デイジー 「わたしがデイジー! 今後ともよろしくー」
ツヴェルフ「俺は竜王家のツヴェルフってもんだ。まあ適当にな。俺らはセリス君目当てなんで、そっちの邪魔はしない」
パティ  「給料いいのよねー、このバイト」
デイジー 「失敗したらユングヴィ神拳であべしだけどね」
マシュー 「……いつの間にこんなに人が増えたんだ……?」
レイラ  「わたしたちが気付かない内に……やるわね」
ジャファル「……俺の仕事の邪魔にならんと言うなら、どうでもいい」

ロイ   「なんか最近天井裏から音しない?」
セリス  「ネズミでもいるんじゃないのかなあ」