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Last-modified: 2009-12-11 (金) 18:17:10

15 名前: 運良く皆が休日だった日 [sage] 投稿日: 2008/03/06(木) 21:40:30 ID:pZ2KkonG

ミカヤ「珍しく今日はみんな休みね」
シグルド「うむ、そうだな。って、アルムとセリカ、お前ら朝っぱらから近親恋愛禁止だ!!ティルフィング!!」
アルム「だから、そこでティルフィングを出すなって、シグルド兄さん」
セリカ「もう、シグルド兄さんは変に目の敵にするんだから」

シグルドのティルフィングに対して、アルムは王家の剣で受け止める。
朝っぱらから、騒がしいことこの上ない。

リン「もう、またシグルド兄さんとアルム兄さんにセリカ姉さんで対決してるの?」
エリウッド「ああ、また家が~~」
ヘクトル「まあ、毎度だな。それにしても、シグルドの兄貴が休みとは珍しいな?今日、平日だろ?」
リン「毎度と言えば毎度よね。でも、アルム兄さんもなんだかんだでセリカ姉さん守ってるし」
マルス「どちらにしても、シグルド兄さんとアルムじゃ結局勝負が付かないからね」
リーフ「どっちでもいいよ。結局決着付かないままじゃん」
セリス「うーん、朝方から騒々しいけどまたシグルド兄さんがやってるの?」
エイリーク「毎度と言えば毎度ですが、どうしてこうも・・・」
エフラム「シグルド兄上だからだろう。ディアドラさんのことでもめているようだからな。エイリーク少し察してやれ」
エリンシア「もう、三人とも良いかげんにしないと朝ご飯抜きでぶっ飛ばしますわよ!!」

流石に、そう言われるとシグルドもアルムもセリカも黙らざるを得ない。
エリンシアの怒髪天の怒りを買うというのは、一日食事抜きという落ちにもなりかねないためだ。
そんな状況に、深夜まで働いていたアイクが起き出してきた。
アイク「うん?あー、なんだ毎度のことか?エリンシア姉さん、飯を頼む」
エリンシア「はあ、どうしてこうもシグルド兄様とアルムちゃんにセリカちゃんは仲が悪いのかしら?」
マルス「今に始まった事じゃないからね。シグルド兄さんのトラウマに引っかかってるだけだし」
エリウッド「ああ、また胃が痛む・・・」
エリンシア「あらあら、エリウッドちゃんは毎度ながらおかゆね」

テーブルには、スクランブルエッグにベーコンを切って混ぜたもの。
アイク専用牛ブロック肉(焼きはレア)やエリウッド専用おかゆ、その他アルムの育てた葉野菜のサラダに、スペアリブと大根の煮付けなどなかなかの朝食が並んでいた。

品が並べば、もう後は食事タイムに突入するだけだ。
セリカは毎度の通り女神ミラに祈りを捧げ、それをアルムが静かに見守る。
アイクは、腹が減っているためブロック肉にかじりつく。
エリウッドはゆっくりゆっくり、胃を痛めないためにおかゆを良く噛んで飲み込む。
エフラムとヘクトルはおかずの奪い合いをやろうとして、ミカヤとエリンシアの二人からぶっ飛ばされていた。
そんな光景を見つつ、マルスとリン、ロイ、セリス、シグルドの5人は毎度の光景とばかりに静かに食事を堪能していた。

朝食を終えるとチャイムが鳴った。
「ピンポーン」
ミカヤ「こんな時間に、誰かしらね?」
ドアを開けると、そこにはグレイル工務店の娘ミストが立っていた。

ミスト「あのー、アイクお兄ちゃんは居ますか?」
ミカヤ「ミストちゃんね。ちょっと待っていてくれる?」

そうこうしていると、アイクが玄関に顔を出した。

アイク「うん?ミストか、今日はどうした?」
ミスト「あのね、今日はお兄ちゃんを誘いに来たの。お父さんからなんだけど、バレンシア地区のソフィア地域へ一緒に行かないかって」
アイク「グレイル殿がそう言うなら、俺も行こう」
ミスト「アイクお兄ちゃんありがとう」

そんなやりとりを見ている兄弟達
リーフ「あれ、アイク兄さんとしては珍しい。あっさりと言えばあっさり過ぎる」
マルス「グレイル工務店の店主さんの名前を出す当たり、ミストちゃんもなかなか策士だね」
ロイ「マルス兄さん、どうしたの?そんなこと言って」
マルス「考えてごらんよ。アイク兄さんの場合グレイルさんの名前は結構否定しづらいものなんだ。それに相手がミストちゃんなら尚更だしね」
シグルド「どちらにしても、アイクも働きだしてるからな。お前達ががやがやいうことでもあるまい」
アルム「確かに、アイク兄さんもミストちゃんあたりには弱いような・・・」
そんな考察をする男性陣に対して・・・。
ミカヤ「アイクちゃんもミストちゃん相手だと強気に出れないのかな?」
エリンシア「そうみたいですわねえ。でも、いいことではありませんか?」
エイリーク「そうですね。アイク兄上は、そう言う部分少し配慮が欠けるところがありますから」
リン「でも、フラグクラッシャーのわりにはミストちゃんだと厚遇されてるような・・・」
セリカ「良いと思うけどな。やっぱり恩人の娘さんだから」
そんなこんなで、話をしていく。

アイク「ミスト、少し待っていろ。軽く上着を持って行く」
ミスト「うん、分かったよ。早くしてね」
アイク「ああ、そうかからないはずだ」

それを見ていた兄弟達はさらに驚きの表情を見せる。
マルス「アイク兄さんが上着!?な、なんの前触れなんだ!!」
リーフ「嘘だ。こんなの嘘に決まってる!!」
エフラム「まさかアイク兄上が上着を着るとは・・・」
ヘクトル「おいおい、マジかよ。ありえねえ事が起こったぜ」
セリス「ミストさんのことよりもグレイルさんのことを意識してるんだと思うけど」
ロイ「僕もそう思う。ミストさんじゃない気が・・・」
アルム「確かに、セリスとロイの意見に僕も賛成だ」

ミカヤ「アイクちゃんもこれで少しおしゃれでもしてくれれば・・・」
エリンシア「でも、珍しいですわね?」
エイリーク「確かに珍しいと思います。が、アイク兄上のことですからグレイルさんの事を考えてかと」
リン「エイリークの言う通りかもね」
セリカ「私もその線だと思うな」

数分後 軽くジャケットを着込んだアイクが現れた。
アイク「ミスト、待たせたな」
ミスト「ううん、構わないよ。えっと、エリンシア地区まで天馬タクシーでも呼ぼうか?」
アイク「それなら、少し妹に頼んでみよう」

セリカ「バレンシア地区まで移動したいの?」
アイク「ああ、済まないがお願い出来るか?」
ミスト「お願いしても良いですか?」
セリカ「どうせ、私とアルムも後でバレンシア地区に行くから一緒に行きましょう。実はマイセンおじいさまに呼ばれているの」
アイク「世話をかけるな」
ミスト「済みません」
セリカ「気にしないで、もののついでのようなものだから」

アルム「アイク兄さん、僕たちこっちなので」
セリカ「それでは、アイク兄さんまたです」
アイク「わざわざワープを頼んで済まなかったな」
ミスト「ワープありがとうございました」

アルムたちと別れたアイクたちはソフィア市街を歩いていく。

アイク「バレンシア地区か、修行の時には良く来たがそれ以外で来るのは初めてだな」
ミスト「アイクお兄ちゃんのことだからそうだと思った。お父さんもそうだろうなって言ってたよ?」
アイク「グレイル殿に言われるのは仕方がないだろうな。俺はあいにくそう言う趣味は持ち合わせてない」
ミスト「少しは戦いのことばかりじゃなくても良いと思うんだけどな~」
アイク「うん?ミスト何か言ったか?」
ミスト「なんでもないよ、ほらお父さんが待ってるよ」

グレイル「久しぶりだなマイセン殿」
マイセン「グレイル殿か、久しいことだ」
アルム「あれ、じいちゃん。グレイルさんを知っているの?」
セリカ「アルム、考えてみたらマイセン様は昔バレンシア地区の英雄なのよ。
グレイルさんも有名だったから、顔くらいは知ってると思うのだけど」
アイク「アルムとセリカもここか、グレイル殿がここにいるとは思わなかった」
ミスト「もう、お父さん動かないでよ。わからなくなっちゃったじゃない」
グレイル「ミスト、悪かった。久しぶりにマイセン殿の姿を拝見したのでついな」
マイセン「グレイル殿の娘さんか、呼び止めてしまったようで済まなかった」
ミスト「あの、謝られるとちょっと・・・」
アイク「ミスト、グレイル殿の知己なのだから余り気にするな」
グレイル「アイク、マイセン殿と一回手合わせしてみると良い。奥深さではこの俺を越えるぞ」
アイク「グレイル殿を越えると?」
マイセン「わしはこの通りだが、アルムの兄よ。少しばかり手合わせするか?」
アイク「望むところ!」
アルム「じいちゃん、アイク兄さんが相手で大丈夫かな?」
セリカ「いざとなったら私がリカバー使えば良いと思うし、大丈夫よ」
ミスト「もう、お父さん。今日は戦い抜きって言ったのに!!」
グレイル「ミスト、そう怒るな。たまにはアイクも学ぶことがあるはずだ」

マイセンとアイクが外に出て、対峙する。
アイク「くっ、隙が見えない。流石グレイル殿の知り合い」
マイセン「流石にグレイル殿が見いだしたことはある。来るが良い」
アイク「行くぞ!!天空!!」
アイクの手にラグネルが現れると、必殺とばかりに天空が唸った。
それを、マイセンが名槍流星で迎え撃つ。
衝撃波を流星の突きで分断し、周囲に消えていった。
アイク「槍の動きでここまでとは・・・」
マイセン「良い腕だ。後1年、2年もあれば某地区大会でも肩を並べられよう」
アルム「嘘、アイク兄さんの天空をじいちゃん防いじゃったよ」
セリカ「マイセン様の槍捌き、久しぶりに見たけど凄い」

マイセン「流石に、老体には厳しいな」
アイク「グレイル殿の知り合いだけに凄い。アルム達も良い師匠を持っているな」
グレイル「マイセン殿、アイクが本気で行くとは思わず。失礼した」
マイセン「謝罪には及ばぬ。久しぶりに実戦を思い出す事が出来た。こちらこそ、感謝をしたい。そうだ、セリカ、アルム水門へ案内してあげなさい」
アルム「分かったじいちゃん。確かにあそこは良い風景だしね」
セリカ「マイセン様、私たちが責任を持って案内します」

43 名前: 運良く皆が休日だった日アイクVer [sage] 投稿日: 2008/03/07(金) 18:27:03 ID:2IZMznvv
ソフィアの水門
ミスト「うわー、こんなに大きい川なんだね」
グレイル「なるほど、ここがソフィアとリゲルの境界線か」
アイク「確かに、雄大な自然だな。風がいい」
アルム「ソフィアでも、海岸とこの大河はいい観光スポットだからね。リゲルだとアイク兄さんが好きそうな場所しかないけど」
セリカ「どう?ミストちゃん、気に入ってくれた?」
ミスト「セリカさん、こんなところに連れてきてくれてありがとう」
セリカ「ううん、いいの。ここを気に入ってくれればいいから」
アルム「それじゃ、僕とセリカはここで失礼するよ」
セリカ「アルムと一緒に散歩をしてきます」
アイク「わざわざ済まなかったな」

グレイル「そろそろお昼にするか」
ミスト「そうだね、今日はわたしがお昼を作ってみたんだよ」
アイク「ミスト、大丈夫なのか?」
ミスト「アイクお兄ちゃん、それひどいよ。大丈夫ちゃんとティアマトさんに手伝って貰ったから、ティアマトさんも来たがってたけど」
グレイル「ティアマトは、俺の野暮用を変わりに引き受けてもらったんだ。たまにはミストに親らしい事をしなければな」
アイク「肉は多めにな。それに、ティアマトが関わっているなら安心だ」
ミスト「あー、それひどい。わたしだけじゃ心配なのは分かるけど、やるときはやるんだから!」

お弁当箱を開き、アイク用豚ブロック肉(ヴェルダン焼き)とサンドイッチ等の色とりどりのお弁当がみえた
アイク「ティアマトが関わったとしても、ミストこの量は頑張ったな」
ミスト「うん、頑張ったよ」
グレイル「ミストも少しは成長しているな。良いことだ」
少しほろっと来ているグレイルは、サンドイッチから手を付けた。
グレイル「パンの保湿が少し甘いが、前に比べればおいしいぞ」
ミスト「あー、そこはダメだったんだ。うーん、もう少し頑張らないと・・・」
アイク「肉も良い感じだ。サンドイッチにもベーコンか、ティアマトが知恵を授けただけあって今回は良い」
ミスト「ありがとうアイクお兄ちゃん」
グレイル「たまには、こういう場所でのんびりするのも勤めだ。気を張りすぎれば、切れてしまうものだからな。戦いもだアイク」アイク「グレイル殿がそういうのなら・・・」
ミスト「もう、お父さん戦いの話を混ぜるのはなし!」

そうやって夕暮れまでソフィアの水門そばでゆっくりとした時間を過ごしたアイク。
似合わないと言う部分はあるが、グレイルの勧めの時点でと言うことにしてください。

セネリオ「くそぉ、出番がないなんてひどい有様です」