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Last-modified: 2008-03-23 (日) 11:39:00

254 名前: 春の大掃除 [sage] 投稿日: 2008/03/17(月) 23:06:11 ID:/1IYdWNK
ミカヤ「いい天気ねぇ」
エリンシア「ええ。もう春なのですね」
ミカヤ「シグルドとアイクは出張で3日ほどいないし、
  エリウッドたちはみんな竜王家さんたちと2泊3日の温泉旅行に」
エリンシア「ええ、やってみせますわ」

ミカヤ・エリンシア「春 の 大 掃 除 祭 り ! !」

エリンシア「普段はなかなか掃除させてくれないみんなの部屋は」
セネリオ「酷い有様です」
エリンシア「だからこっそり私とミカヤ姉様で掃除しようと計画したわけなのよ」
ミカヤ「説明ありがとうエリンシア。…ところで今何かいなかった?!」

ミ「まずはシグルドの部屋ね…さあ開けるわよ」

カーテンの閉まったシグルドの部屋、無駄な装飾品などはない、質素な部屋である
忙しいサラリーマンらしく書類等が散乱、ごちゃごちゃとしていて汚い

エ「まあシグルド兄様は仕方がありませんわね。忙しいですから」
ミ「だから私たちで掃除してあげないと」

二人はまず机のあたりから手をつけ始める…と、

ミ「エリンシア、ちょっと、これ」
エ「『君の瞳の中の夜空』…我が愛しのディアドラに捧ぐ、ってこれは、」
ミ『君の瞳を見つめるたび僕の心に一筋のディヴァインが零れ落ちる嗚呼愛しい君にキスできない運命なんて』
  …ごめんねシグルド、勝手に見ちゃって…でもタイトルがとっても興味をそそったの…
エ「自作詩集…これ以上は見ないであげましょう…」
ミ「よくよく見てみたら写真たての中、ディアドラさんばっかりね…」

ミ「部屋の方はだいぶ片付いたわね!」
エ「最後は…押入れですわ」
ミ「?何かしらこのダンボール。いらないものか何かみたい」
エ「えーっと、、これは」

ダンボールの中にはディアドラえもんコレクションカード(全101種)がみっちりと詰まっていた
ちなみにこのコレクションカード、登場キャラ5人のノーマルカード5種とレアカード5種、
あとはイズカちゃん入浴シーンカードが90種、幻のディアドラえもんスペシャルカード1種という鬼畜商品である。
当然、ダンボールの中はカスカードであるイズカちゃん入浴シーンで埋まっており…

エ「シグルドは…シグルドはこんな趣味なの?!」
ミ「ごめんねシグルド本当にごめんね!私がすべて悪いんだわ!!私がもっとしっかりしてれば」
エ「いいえ私が悪いのです!私がちゃんとみんなの面倒を見ていれば」

255 名前: 春の大掃除 [sage] 投稿日: 2008/03/17(月) 23:06:57 ID:/1IYdWNK
ミ「さあ次はアイクの部屋ね…きっと掃除なんてしてないだろうなぁ…」
ユンヌ「アイクの部屋と聞いて飛んできました」
エ「ユンヌも手伝ってくれるかしら?きっと大変だから」
ユ「んーまぁ…私は汚いほうがすきなんだけど、混沌の女神だし」
ミ「そんなこと言わないで。じゃあ開けるわよ」

部屋などに頓着のないアイクの部屋はさぞ汚いだろうと
覚悟して開けた面々の意思に反し、アイクの部屋は普通に綺麗だった
シグルドの部屋と同じく無駄なものは見当たらない。本棚にも整然と本が並んでおり――

エ「本?!」
ミ「アイクの部屋に本?!」
ユ「何の本なの?!一体?!正しい筋トレの仕方とか?おいしい熊の料理の仕方とか?」
エ「…『経済学概論』『魔王伝』『オルソン分布―その数学的原理』『テリウス史』」
ユ「おしまいよ!私たち絶対見ちゃいけないものを見ちゃったんだわ!!」
ミ「落ち着いてユンヌ!よく見てみなさい」
ユ「……どの本もすごく綺麗…まるで一回も開いたことがないみたい…」
セネリオ「説明します」
ミ「!?あなた何処から」
セ「あなたたちはなぜアイクの部屋がこんなに綺麗だとお考えですか?」
エ「アイクが掃除してるとは…考えずらいわね」
セ「すべて僕がやっています。アイクから頼まれました。定期的に、週二回程度の頻度で」
ミ「いつの間に」
セ「そのついでに僕がアイクの部屋に本を置いています。アイクも少し、本を読んだほうがいいと思ったので」
ユ「それでこんなに難しい本が並んでるわけね」
セ「そういうことです…では僕も忙しいので」

エ「セネリオさんって、何者?」

ミ「アイクの部屋は必要なさそうだから、次はエリウッドね」
ユ「待ってよ私まだアイクの下着とかピーとかピーとかをピーしてないわ!!」
エ「メダリオンは何処かしら」
ユ「…ごめんなさい」
ミ「とりあえず次に行くわよ」

エリウッドの部屋は、一言で言うなら病室だった。
病院のベッドに、脇に点滴。ベッドサイドには花瓶に花。
白いカーテンが風にたなびいている。

ユ「えーっと、私、いつ病院に来たのかしら」
エ「・・・帰りましょうか」
ミ「ごめんねごめんねエリウッド!私がしっかりしないばかりに」
ユ「ねえねえ!何か意味深なダンボールがあるんだけど」

確かに部屋の片隅にひっそりと意味ありげなダンボールが置いてある。

エ「何か、シグルドの時と同じ感じ…」
ユ「開けちゃえーっ☆」
ミ「・・・これは、エキスパンダー?」
ユ「それに鉄アレイ」
エ「バアトル様のDVDじゃない!KI・N・NI・KU!!」
ユ「エリンシア自重。それにしてもホント筋肉関連のものばっかりね…(やっぱコンプレックスなんだ、デブ剣)」
ミ「なんか変なマスクが混じってるわ、蝶がモチーフの。何に使うのかしら」

256 名前: 春の大掃除 [sage] 投稿日: 2008/03/17(月) 23:07:19 ID:/1IYdWNK
ミ「さあてエリウッドの部屋も掃除の必要はなさそうだし、思ったより順調ね」
エ「ええ。正直、アイク、ヘクトル、エフラム、この3人の部屋は非常に酷い有様なことを覚悟していましたからね」
ミ「じゃあお待ちかねのヘクトルの部屋ね…ここは、汚いでしょうね。予想通りなら」
エ「じゃあ開けます」

ヘクトルの部屋は、――予想通りだった
健全な男子校生らしく(?)雑然とした部屋は足の踏み場がなく、なんとなく汗臭い
大量のマンガに紛れてさまざまなトロフィーや賞状も散乱している

ミ「武器や武具も散乱してるわね…」
エ「エフラムちゃんが見たらきっと怒って、また喧嘩になるわね」
ユ「野球大会、剣道大会、陸上選手権…ねえ、なんでこんなにこの部屋にはいろんな種類の賞状とかがあるの?」
エ「ヘクトルちゃんはああ見えて友だち想いなの。それでいろんな大会に助っ人で参加して、それでいろんなところで勝っちゃうのよ」
ユ「ふーん(意外…)」
ミ「さあ、掃除にとりかかるわよ!」

数時間後…

ミ「また、あったわね」
エ「うちの兄弟の特徴なのかしら」
ユ「さあさあ開けるわよー!」
3人の前にある、不自然なダンボール。また押入れから出てきたものである。
ユ「一体何かなー?!エロ本とかかしら、健全なオトコノコって奴?」
ミ「…残念だったわねユンヌ。ぜんぜん違うわ」
エ「あら、これは…」
ユ「へったくそな絵じゃない…何コレ?」
微笑むミカヤにいぶかしげなユンヌ。エリンシアが懐かしげに取り出したのは、一枚の絵だった。
それはクレヨンで書かれている、何か人らしきもの。青い髪と大きめの体格からきっとヘクトルを書いたものであろう
裏には だいすきなおにいちゃん 1ねん3くみ せりす と書いてある。
エ「他にも、これはロイちゃんの書いた作文ね。こっちはエイリークちゃんが作ってあげたシャツかしら」
ミ「『いらねぇよこんなん!』とか言ってたくせに、ちゃんと取ってあるのね」
エ「ヘクトルちゃんらしいっていうか、なんていうか」

ミ「とりあえず、今日はここまでね。続きは明日にしましょうか」
エ・ユ「はーい」

267 名前: 春の大掃除 2日目 [sage] 投稿日: 2008/03/18(火) 20:37:32 ID:3ClVgIOd
ミ「さあ今日も続き行きましょうか」
エ「昨日は山場のひとつ、ヘクトルちゃんのお部屋が終わったから、今日はエフラムちゃんからね」
ミ「じゃあ行くわよ」

エフラムの部屋は、汚くはなかった
というかさながらジムのトレーニングルームだった
筋トレ機材が並び、部屋の一角には様々な槍が立ててある
そんな中に高価そうな槍や絵画などが飾ってある…正直この部屋でくつろげるかは疑問だ

エ「…槍はともかく、ヘクトルちゃんが見たらまた気取りやがって、って怒り出しそうな部屋ね」
ミ「まああの子は見た目に反して豪快なわりに、その豪快さに反して繊細なところがあるものね…」
エ「さすが、あの兄弟随一の気品を誇るエイリークちゃんの双子の兄といったところかしら」
ミ「この絵はフォルデの絵ね。相変わらず上手だわ」

そこそこに掃除を進めていると…

ミ「またダンボール発見」
エ「ってことはアイクの部屋にも…?(後で探してみようかしら)」
ユ「ここまで一言もょぅじょの文字がないからきっとょぅじょ関連じゃない? きっと危ないゲームとかマンガとか児童○○○法に引っかかりそうなものよ!」
エ「あらユンヌお早う」
ミ「…私は、エフラムに限ってそんなことはないって信じてるわ」
少し怒りながらミカヤはダンボールを開けた。すぐ閉めた。
エ「・・・どうしたのですか?」
ミ「・・・なんでもないの!さあ次の部屋に行きましょう!!」
ユ「え、今明らかに顔引きつってたじゃない!ちょっと見させてよ」
ミ「あ、こらユンヌだめ・・・!」
無理やりミカヤを引き離し、ダンボールを空けた瞬間に出てきたのは、

幼女戦闘竜「がおー」

エ「…エフラムちゃん…これは…おしおきが必要なようね…。帰ってきたら覚悟なさい!
   ぶ っ 飛 ば し て 差 し 上 げ ま す わ !!」

そのころのエフラム(…なんだ…急に寒気が…)

ユ(確か最近ネズミが出るとか言ってたけど知らない間に住みつかれてたみたいね。面白いから黙ってよーっと☆)

ミ「・・・エイリークの部屋も行きましょうか」
エ「エイリークちゃんの部屋って掃除の必要性を感じなさそう」
ユ「はーいそれじゃあオープンっ」

エイリークの部屋は、塵ひとつなかった
部屋は凝ったアンティーク類や可愛らしい置物、綺麗な鉢植えなどが趣味良く並べられている
愛用のバイオリンもディスプレイかの用に置かれている

エ「なんだか、これはどこかのお城の一室?」
ミ「…やっぱり掃除の必要性はなさそうね」
ユ「つまんないなぁ、こーゆー完璧人間!きっとまた押入れにダンボールがあるわよ、弱みを暴いてやる!」
ユンヌは宣言どおり、押入れからダンボールを取り出す。そして勢い良く開けた
ユ「弱みハケーン(・∀・)ニヤニヤ」
ユンヌが取り出したのは豊胸クリーム、豊胸についての本、豊胸用サプリ、寄せてあげるブラetc…
エ「エイリークちゃんそんなに必死なの…orz」
ミ「まあ、欠点がない人なんていない、ってことよ。私は欠点だとは思わないんだけどなぁ」
268 名前: 春の大掃除 2日目 [sage] 投稿日: 2008/03/18(火) 20:38:56 ID:3ClVgIOd
ミ「じゃあ次はリンの部屋ね」

がちゃりと開けると、何か御香のようなものを焚いているらしく、そこはなんだか独特のにおいが漂うリンの部屋
どこかの民族のものらしいタペストリーと赤い房のついた倭刀が壁にかかっている
カーテンの柄も何か独特の模様で、これなんて草原の民?な部屋である

エ「なんで、うちの家って部屋ごとにここまで違いが出るの?」
ユ「ていうかこれはゲルね、どうみてもゲルの中よ。この部屋のドアはどこでもドアに違いないわ」
ミ「とりあえず、掃除しましょうか…」

しばらくして掃除は終了、例のごとく押入れから見つかるダンボール。

ユ「きっと草原写真集とか草原DVDとか草原ブックとかよ、なにかえげつなーい草原モノ」
ミ「あなたはリンに一体どういう印象を持ってるの?」
エ「はい、オープン」
ミ「あら、これ緑風怪盗ジャンヌじゃない、懐かしいわ」
エ「NANNAとかもありますわ。…こっちはセブンテ○ーン」
ユ「…なんだか、どうしても言いたい言葉がある中身たち・・・!!」

他にも化粧品やら愛されワンピやら、とうみてもスイーツ(笑)です、ありが(ry

ユ「意外!!!これは一番意外!!!」
ミ「そういえば、前リンは逆高校デビューをした、って聞いたような」
エ「リンちゃんも変わったのよね…」
269 名前: 春の大掃除 2日目 [sage] 投稿日: 2008/03/18(火) 20:39:15 ID:3ClVgIOd
ユ「さあさあみなさんお待ちかねのマルスの部屋!!」
エ「待ってたのはあなたでしょう」
ユ「フフフ、普段いっつも酷い扱いされてるからね!今日こそ弱みを握ってやるあのコンチクショー!!」
ミ「こらこら。とりあえず開けるわよ」

マルスの部屋はこざっぱりしていて綺麗である。
ただし、何処となく、見てはいけない空気が漂っている
机の上にはメモなどが散乱しており、コルクボードには数名の写真がピンで留められている
そしてその写真には一枚一枚メモらしきものが書き込まれている

エ「なんだか、すごくみちゃいけない気がするのだけど…」
ユ「うわー♪なんだか弱みにあふれてそうな部屋じゃないっ何何この意味ありげなメモは??」
うきうきとはねていったユンヌはしげしげとコルクボードを眺めて硬直した
ミ「どうしたのユンヌ?」
エ「…この方、確かこの間家が強盗に入られて、それがきっかけで汚職がばれて捕まった」
ミ「こっちは最近逮捕されたわよね、確か密輸か何かで」
ユ「このメモにさ…3/14在宅、狙いめ、とか書いてあるんだけど」
ミ「Nを消すせばSコクコーポレーションから提供を受けられそう…ってなんのこと…?」
エ(マルスちゃんあなたは一体何をやっているの…?!)
ミ「マリクが一晩でやってくれました、って何のことかしら…」
ユ「私、この部屋は見ちゃいけなかった気がする、ばれたら消される気がする…」

なんだか重い空気のなか控えめに掃除は進み、やがて元気を取り戻したユンヌが押入れからダンボールを取り出した

ユ「弱みを握らないわけにはいかないんだからぁっ!」
ミ「ユンヌ、マルスのはやめといたほうが…」
エ「これ以上何が出てくるかわからないですよ」 
ユ「それでも…それでも、私は、やらなきゃいけないのよっ!!」
目を閉じ意を決したように開けたユンヌが恐る恐る目を開けると、飛び込んできたのはファンシーな表紙
ユ「へ?」
エ「あら、アルバムだわ」
ミカヤが取り出しぱらぱらと捲ると
エ「あらかわいい、これリンちゃんが小学生の時、学芸会でピーターパンをやったときの写真」
ミ「こっちは家でケーキを作ってる時の写真ね…リンがマルスに作り方教えてあげてる」
エ「見てみてミカヤ姉様!これリンちゃんとマルスちゃんの七五三の時の写真よ。二人とも可愛いー!」
ミ「あ、これってリンがマルスに買ってあげたおもちゃ」
エ「あの子ったらまだ姉離れできてないのねーv」

ユ「なんだか…弱みでゆすってやろうと思ったのに…気が削がれるなぁ…」

270 名前: 春の大掃除 2日目 [sage] 投稿日: 2008/03/18(火) 20:40:00 ID:3ClVgIOd
ユ「じゃあ本日最後はリーフの部屋ね!」
エ「正直次はどんな部屋か、想像がつきませんね」

リーフの部屋は普通に汚かった。
普通の漫画が散乱し、普通の服が脱ぎ散らかっており、
どこまでも普通だった、つっこみどころがないほどに。

エ「ここまで普通だとは…」
ミ「これが、普通のはずなのに、私は一体何を期待していたんだろう」
ユ「あー見てみて、ちょっといけない本発見♪」
エ「まあ。リーフちゃんもそんなお年頃なのね」
ミ「あんまりじろじろ見ちゃダメよエリンシア。男の子ってそういうものなんだから」
ユ(…趣味が…とてもお姉さんです…)

エ「これは日記みたいね」
ミ「さすがに日記を読むのはまずいわ…とりあえずそこの本棚にしまっておいてあげましょう」
ユンヌの瞳が輝いた、とともに、二人が目を離している隙に彼女は、なんなく負のオーラ漂う日記を手中に収めた。
ユ(掃除中に日記を見つけたら読むのが常識でしょう!さあて、何が書いてあるのかしら(・∀・0゚))

○月×日 今日はアイク兄さんの天空とヘクトル兄さんの必殺だけだったから肋骨4本と右足1本ですんだ。
     綺麗なおねいさんも見た。うっはー!超ラッキー♪

○月×日 今日は厄日だ。いつものごとく4人から逃げていたらラスさんとデート中のリン姉さんに突っ込んでしまった。
     短弓の追撃はいいとして、そのまま飛行中エリンシア姉さんと衝突しかけて、アミーテ必殺で吹っ飛ばされた。
     ここはスマブラじゃない、そんなこと考えてたら墜落先にエイリーク姉さん。かろうじて姉さんは避けたけど
     一緒にいたエフラム兄さんがキレて華麗に僕をお星様にしてくれた。
     もうだめかもしれないと思ったとき、見ちゃったんだ。
     アイク兄さんが吹っ飛んでる僕を見て、つい格闘大会の条件反射でメテオをかけようとしていることに…。
     どうやら僕はそのまま地面にめり込んで半日過ごしていたらしい。アルム兄さんが引っこ抜いてくれた。
     僕が何をしたっていうんだ。さすがに1日に4回も死ぬのはキツイよ。

○月×日 僕がラッキーな次の日って、絶対不幸なんだけど。なんで。

○月×日 何か、見られてる気がする。

○月×日 今日も机の上のものが移動していた。絶対におかしい。

○月×日 隠れてないででてこいよ!僕にはわかってるんだ!!

○月×日 かゆ うま

ユ(あの子…不死身…?ていうか見られてるって何…え…ユーレイ…?)

エ「このダンボールはなんなのでしょう?」
ミ「うーん…今までと違って中身無し、何か変な模様があるだけ…。ワープの魔方陣みたいだけどリーフは使えないわよねぇ?」
エ「もしかしたら誰かがいっつもここでリーフちゃんをのぞいてたりして」
ミ「まさかー」

ユ(あの4人か!あの4人があのダンボールからリーフを監視してるんだ!!*1)

ミ「じゃあ今日もここまで。明日にはみんなが帰ってくるから、全部仕上げちゃいましょうね」

359 名前: 春の掃除 最終日 [sage] 投稿日: 2008/03/22(土) 21:14:39 ID:6nGrzava
ミ「最初はセリスの部屋にしましょう」

セリスの部屋は、とってもファンシーだった。
水玉ピンクカーテン、熊さん柄のベッドカバー、ハート型ちゃぶ台
耳の大きな黒いネズミに黄色い熊に青い宇宙生物…などなど、膨大な量のぬいぐるみ
本棚には当然のようになかよしとりぼんが隣り合っている。
夢と魔法の国も真っ青なファンタジー空間だった。

ミ「あら、マミー君。無事だったみたいね」
エ「今年に入ってからもう私が6回ほど直したんですよ。でもなんだかそれ、無性に攻撃したくなって
  …すみませんがちょっと隠してもらえますか?」
ミ「うん、私も…なんだか無性に投げたくなったわ、これ。なんでかしら」
ユ「あなたたちは、この部屋、男の子の部屋だということになんら疑問をもたないわけ?」
ミ「あら、セリスは男の子じゃないわ。"セリス"なのよ」
エ「まあこの辺のものはすべて私のお下がりなんだけれどね」
ユ(この人のせいでこうなったのか…そういえば前女装させてたっけ)
エ「じゃあとりあえず片付けましょうか」

しばらくたって…また例のダンボールが発見される

ミ「セリスのダンボールの中身かぁ…なんだろう」
エ「開けてみますよ…えいっ」

中にはアルバムや賞状や学校行事の写真などが束になって入っていた。

ミ「うわー懐かしい。行事ごとに写真が張り出されて、欲しい写真の番号を書いて買うのよね」
エ「セリスちゃんは昔から本当に可愛いわね…これは運動会、こっちは学園祭…」
ユ「…さっきから気になってるんだけど、全部、これユリウスが必ず隣にいるのはなんで?
   そして後ろに何者かの影が見えるのも、なんで?」
ミ「昔から仲良かったのねーこの二人」

その頃の二人
セリス「ユリウスー!朝風呂行こうよー!今日で最後なんだよー!」
ユリウス「お、お前と風呂?!…いや、落ち着け僕、セリスは男だ、セリスは男…」
ユリア(…セリス様と二人きりでお風呂だなんて…あとで*自主規制*して*自主規制*して差し上げましょう)

360 名前: 春の掃除 最終日 [sage] 投稿日: 2008/03/22(土) 21:15:17 ID:6nGrzava
ミ「じゃあ今日はアルムの部屋からね」
ユ「資料がなさすぎて作者が一番イメージに苦労した部屋ね」
エ「自重なさい…それじゃあ行くわよ」

アルムの部屋はただの物置だった。
一面うっすらと埃に覆われた部屋は明らかに生活感がない。
箪笥などは一応使われているようだが、ほとんどの家具に白い埃避けの布がかけてある。
一しょっちゅう使っているらしいクローゼット付近のみ比較的綺麗で、
愛用と思しき農具が立てかけてある。

ユ「思いつかなかったからって逃げたな、作者」
ミ「メタ的発言は自重しないとメダリオンよ」
エ「それにしても一体なんで…。とりあえず、お掃除しましょうか」

しばらくして換気もされ埃のなくなった部屋。クローゼットから見つかるダンボール。だが…

ミ「おかしい…動かないわ」
エ「ちょっと貸してみてください…あら、ほんと」
ユ「ん?これ横から開きそうよ」

バタン

三人「……隠し通路…」
そう、なんとダンボールは隣の部屋への隠し通路となっていたのだ!もちろん隣は…

エ「セリカの部屋…」
ミ「シグルドにばれたら、ティルフィングの嵐ね…」

ユ「そんなわけでやってきました、憎き狂信者セリカのお部屋☆」

セリカの部屋はごちゃごちゃとしていた。なぜなら明らかに二人分の荷物があるからである。
どうみても同棲です、ほんとうに(ry
部屋の壁中央に大きな祭壇。そしてその影にダンボールはつながっていた。

エ「愛の巣ってことかしら」
ミ「まあ、とりあえず掃除しましょうか」

エ「あ、交換日記」
ミ「同じ兄弟で交換日記って…」
ユ「ラブレターもあるわよ、しかも結構大量」
ミ「…シグルドに似て、案外付き合い方は古めかしいのかしら…」
エ「あ、ありましたわ、ダンボール」
ユ「キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!いっつもいっつも邪神扱いしてくれちゃって!!
  ふふふ弱みを握ったらどんなことをしてやろうかなっ」
ミ「宗教関係の本みたいね…これはミラ神についてみたい。こっちは…あらユンヌ、これを見てみて」

ミカヤが何冊かの本をユンヌに手渡した。

ユ「何々?…これは?『異教のすすめ』『アスタテューヌ教の教え』…ってこれは」
エ「セリカちゃんなりにあなたのことを理解しようとしているのよ、きっと」
ユ「……べ、別にうれしくともなんともないんだからねっ!!」

361 名前: 春の掃除 最終日 [sage] 投稿日: 2008/03/22(土) 21:15:56 ID:6nGrzava
エ「最後はロイちゃんのお部屋ね」

ロイの部屋は、普通だった。
健全な中学生らしく、机には教科書や筆記具。
ただし、まるで引越し前かのようにダンボールが壁際に積まれている。

ミ「ロイは何をして、…はっ!まさかこの家を出て行っちゃうんじゃ…!!いやぁぁぁロイやめてぇぇぇ」
エ「ミカヤ姉様落ち着いて!とりあえず中身を見てみましょう」
うずたかく積まれたダンボールの中身はざざざーっという音とともに流れ出した。
ユ「おびただしい量のラブレター…さすがフラグメイカーロイ、恐ろしい子!!」
エ「こっちは手作りマフラーの箱ね、あの子人がいいから断れないし捨てられないんだわ」
ミ「ひとつだけ妙にへたってて空の箱があるけど…」
ぽつんと置かれたその箱は、他の箱と柄が違う。丸と線のシンプルかるどこかで見たようなマーク。
エリンシアが持ち上げるとパサリと乾いた音を立てて手帳がおちた。
ユ「何か走り書きがしてある…
  『目指せ地区対抗格闘技大会出場!』
  『ダンボールを被った傭兵が出るらしい、ふざけてるよね(笑)』
  『例の傭兵って任天都在住じゃないゲストキャラなんだって…』
  『ゲストだすなら僕を出してよ!』
  『そうか、前回僕がゲストだったのか…』
  『始めてみようかな、ダンボールに隠れる練習』」
エ・ミ「 (´;ω;`)ぶわっ」

――こうして三日に及ぶ大掃除は終了した
 帰宅してきた兄弟たちは驚きつつも二人の姉妹に感謝を告げた

 ただし、シグルドはなぜかエリンシアから冷ややかな目で見つめられ
 エリウッドには何故か体に優しそうな食事
 エフラムはコノヒトデナシー!
 だったそうな。
アイクのダンボールの中身は肉だったらしく、
後日鼻血をたらしながら部屋に入ったユンヌがげっそりしながらミカヤに報告していたらしい。
362 名前: 春の掃除 最終日 [sage] 投稿日: 2008/03/22(土) 21:16:50 ID:6nGrzava
後日談
ヘクトル「うげっ、しまった!!」
エフラム「あーあー。あれ、エリンシア姉上の部屋だぞ。だから力任せに振るのはよせと言ったんだ」
ヘクトル「野球でもしようっつったのはお前だろ!!…くそ、取ってくるしかないか」

ヘクトル「…考えてみりゃ入ったことないな、エリンシア姉貴の部屋。まあいいや、邪魔するぜーっと」

エリンシアの部屋は・・・とっても主婦です。
床に散乱するプロレス雑誌と通販カタログ。
カレンダーに赤ペンで記されているスーパーの特売日…一週間のうち6日は真っ赤だ。
一体何箇所のスーパーを網羅しているのだろうか。

ヘクトル「…姉貴の部屋、おばん臭ぇな…。えーっとボールは…」
 窓際にむなしく転がる野球ボール。周辺には割れた窓ガラスが散乱している。
ヘクトル「ばれないうちにマシューに窓なんとかしてもらわないとな…。とりあえず掃除でもするか…」
エフラム「手伝うことあるかー?」
ヘクトル「あーじゃあちょうどいい。掃除機取ってきてくれ。こっそりな」
エフラム「わかった」

エフラム「とは言ったものの…どこだ?掃除機。押入れかな」
 エフラムはとりあえず廊下の押入れを開けてみた。
 するとそこに引いてあるのは一枚の布団。とミカヤ。
エフラム「!!!!!!!」
ミカヤ「…あれ、エフラム、どうかしたの?」
エフラム「…な、何してるんだミカヤ姉上」
ミカヤ「何って…部屋でくつろいでるのよ」
エフラム「部屋?!…よくよく考えてみれば、ミカヤ姉上の部屋が何処だか、知らなかったな…
     でも、ホントにここが部屋なのか?どうしてちゃんとした部屋にしてなんだ?」
ミカヤ「だって、私が部屋を作る分のお金でみんな、ほんのちょっぴりでもおいしいものが食べられるでしょう?
    それに私の部屋のスペースを取らなければ、家の構造上みんなの部屋が綺麗に納まったのよ。
    私は寝られれば部屋なんていらないし。ほら、私はみんなの顔を見ていたいから」
エフラム「………姉上、何か食べたくありませんか。お茶の頃合です。買ってきます」
ミカヤ「あらエフラム優しいわね。じゃあ、しっこくプリンを頼もうかしら」

ヘクトル「おっせーなエフラムの野郎…ん、なんだこれ、床下収納?」
 ガタン
ヘクトル「これ、バアトルのサイン?生写真??うちわ???しかもこの量…。写真集とかさ…ははは、姉貴…俺情けねーよ…」


*1 ((;゜Д゜