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Last-modified: 2008-03-18 (火) 22:49:16

65 名前: ドーナツマン [sage] 投稿日: 2008/03/08(土) 03:56:06 ID:RQDqnEw5
地区対抗格闘技大会会場近くのとある町
男性1「お、見ろよあれ。マルスとアイクだぜ」
男性2「え?あの地区対抗格闘技大会の?」
女性1「きゃー!本物よ!」
女性2「素敵…!」
マルス「ははは、どうも……」
アイク「……」

マルスとアイクの二人は大会の合間を縫って、町の観光をしていた。

マルス「アイク兄さん、どうしたんですか?苦虫を噛み潰したような顔して」
アイク「どうもまだ慣れなくてな……道行く人全てに指をさされるのはあまり好い気はせん」
マルス「地区対抗格闘技大会の人気はそれはもう凄いからね。参加しようものなら知名度は一気に全国区ですよ」
アイク「それは分かっているが……」
マルス「まあ、すぐに慣れますよ。僕も最初はそうだったし」
女性3「あの…!」
マルス「はい、なんですか?」
女性4「サイン貰えますか……?」
マルス「ああ、はい。どうぞ」つサイン
女性3「ああ!ありがとうございます」
女性4「あのー、もし良かったアイクさんのも…」
アイク「……悪いがどうもそういうのは苦手でな…すまんが……」
マルス「アイク兄さん!」
女性3「ああ、いいんです…!無理を言ってすいませんでした…」
女性4「大会頑張って下さい!失礼します!」

マルス「アイク兄さん……駄目ですよ。折角応援してくれてるんだから」
アイク「そう言われてもな……」

キャー!タスケテ!
その時、近くで女性の悲鳴が聞こえた。

マルス「なんだ!?」
アイク「あっちだ。行くぞ」
66 名前: ドーナツマン [sage] 投稿日: 2008/03/08(土) 03:57:32 ID:RQDqnEw5
女性5   「誰かー!誰か助けてー!」
ゲブ    「げへへ、誰も助けになんか来ねえよ」
男性3   「なんだあいつら!?」
男性4   「その女性に何するつもりだ!?」
ゲブ    「雑魚は黙ってろぉ!」斧を振り回す
男性3   「うわあ!」
男性4   「ひいい!」
ブラムセル 「ふふふ、テロ集団ベルクローゼンもとうとう紋章区の外に進出だ」
レイドリック「任天都の女は全てわしらの物だ!」

アイク「あいつら…」
マルス「ああ、紋章区の恥晒しめ…!」
アイク「せめて一撃で逝かせてやる」
マルス「アイク兄さん待って!」
アイク「どうしたマルス?」
マルス「僕達は地区対抗格闘技大会の選手、人助けとはいえ傷害沙汰はまずいよ。だからできるだけ手加減して…」
アイク「できん」
マルス「ですよねー。困ったな……ん?あれは」

マルスの目に入った物、それは洋菓子屋だった。
店の前にドーナツ型の頭をしたマスコットキャラクターの人形が置いてある

マルス「って、あんなものじゃどうにもならないか」
アイク「……あれだ」
マルス「へ?」

女性5   「誰か!助けて!」
レイドリック「馬鹿め!何度助けを呼ぼうと同じ事!」
ゲブ    「へへへ、大人しく俺達と来るんだぁ」
???   「待て」
ブラムセル 「んー?また雑魚がやられに……!?」
レイドリック「な、なんだ貴様!?」
67 名前: ドーナツマン [sage] 投稿日: 2008/03/08(土) 03:58:54 ID:RQDqnEw5
ttp://www.smashbros.com/jp/gamemode/etc/etc01.html
ベルクローゼンの前に立ちはだかった者。それはドーナツ型の頭をした男だった

ブラムセル 「何者だ!?名を名乗れ!」
ドーナツマン「俺はドーナツマン……悪いが、あんた達はここまでだ」
マルス   「アイク兄さんwww何やってんのwww」

ドーナツマンの正体は無論アイクである。
お菓子屋の前にあったマスコットキャラクターの人形の頭を拝借し、頭に被っているのだ。

レイドリック「ふざけた奴だ!やってしまえ!」
ゲブ    「うおおおお!!」
ドーナツマン「手加減してやるほど俺は甘くはない!」

一閃。ラグネルの衝撃波でレイドリック達は空の彼方へ吹き飛んだ。
恐らく紋章町のベルン警察署まで直行だろう。

レイドリック「こ、こんなふざけた奴にー!?」
ゲブ    「ちくしょー!!」
ブラムセル 「やな感じー!!」

ドーナツマン「怪我は無いか?」
女性5   「は、はい」
ドーナツマン「そうか。じゃあ俺はこれで……」
男性3   「な、なんだったんだ…?」
男性4   「さ、さあ?」

ドーナツマンは去って行った。ありがとうドーナツマン。
君の活躍は忘れられることは無いだろう。いろんな意味で。

アイク「ふう……何とか上手く行ったな」
マルス「それはひょっとしてギャグで言ってるんですか!?」
アイク「?」
68 名前: ドーナツマン [sage] 投稿日: 2008/03/08(土) 04:00:22 ID:RQDqnEw5
観光を再開したマルスとアイク、そこへ……

男の子「そこの兄ちゃん!」
アイク「ん?俺か?」
男の子「サインちょーだい!」
アイク「……サイン……マルスのじゃ駄目か?」
男の子「ダメ!兄ちゃんの方が強そうだもん!」
アイク「そうか?」
マルス「ははは……」
男の子「ダメ……?」
アイク「いや、かまわん。色紙は持ってるか?」
男の子「持ってない」
アイク「困ったな……じゃあ」

アイクは腰に差していた銀の剣を抜く。そしてその剣で鞘に『IKE』と大雑把に文字を彫り、
剣を鞘に戻すと、それを男の子に与えた。

アイク「この剣をやろう。サインと言っていいか分からんがな」
男の子「ありがとう!兄ちゃん」
アイク「俺の方がマルスより強そうだから欲しいと言ったな」
男の子「うん、ぼくも兄ちゃんみたいに強くなりたいな」
アイク「ならその剣は尚更必要だな。もしもその剣を自在に使いこなせる位強くなったら」
男の子「……」
アイク「俺と手合わせしてくれ」
男の子「うん!」

男の子は嬉しそうに剣を抱えて走って行った。

マルス「子供にあんな物持たせて大丈夫かな?危ないんじゃ……」
アイク「あいつ真っ直ぐな目をしていた。使い道を誤りはせん」
マルス「本当ですか?」
アイク「ああ、俺が保証する」
マルス「どうしてそう根拠も無く……」

と言いつつも何となく納得してしまうマルスなのであった。