・ドラギーユ城の休日
依頼者:
ハルヴァー(Halver)
/ ドラギーユ城・広間
依頼内容:
トリオン様の花嫁候補を探してほしい。
条件は口頭で説明する。
未:指定された女性を連れてきた後。
(ドラギーユ城I-9にいるHalverに話しかける)
Halver : おお、冒険者よ!
おまえたちの確かな目と身軽な足を
ぜひ貸してほしいのだ!
Halver : 実は先日、こんなことがあってな……。
Halver : 陛下、お呼びでしょうか?
Destin : ハルヴァーよ、大儀である。
実はお前に相談したいことがあるのだ。
いや、頼み事といってもいいかもしれぬ。
Halver : とおっしゃいますと?
Destin : うむ。それがその、な。
……お前も覚えておるだろう、ローテが
この城に来た日のことを。
Halver : もちろんです。
可憐な姫様がタブナジアから嫁がれる、と
城下はその噂で持ちきりでしたな。
Halver : 当時、私は一書生でしたが、
一目ご尊顔を拝しようと、講義を抜けだ……、
いえ自主休講にしてパレードを見に行ったものです。
Halver : 人混みの中から垣間見えた
ローテ様の横顔のうるわしさ。
怖れながら、今でも目に焼き付いております。
Halver : その後、自分がローテ様のお近くで働く
ことになるとは、その時は夢にも思いませんでした。
ローテ様はいつも私の顔を見ると声をかけ、
にっこりと微笑んでくださったものです……。
Destin : ハルヴァー、お前の思い出話など
聞いておらん。
Halver : これは失礼を。
して、奥方様に関しまして何か?
Destin : いや、ローテのことではない。
后のことだ。
Halver : !!
このハルヴァー、
陛下のご心中も察せず、失礼いたしました。
Destin : ウム、そろそろいいのではないかと
思ってな。
Halver : クウッ……、左様でございますな、
陛下がお独りになられてから、ずいぶん経ちました。
きっと、奥方様もお分かりくださいましょう。
Destin : 確かにローテも草葉の陰で心配して
おるだろう。……してハルヴァー、お前にその
未来の后となるかもしれぬ女性を探してほしいのだ。
Halver : ……私に、でございますか?
それは、その……なんと申しますか、複雑な気分で
ございます。が、陛下のご命令とあらば、
このハルヴァー、全力を尽す所存でございます。
Halver : で、陛下、どのような御方を
望まれるのでしょうか?
Destin : む、そうだな。
もちろん、ローテのように臣民すべてを
思いやれる大きな優しさをもっておらんとな。
Halver : 陛下、やはり今でも奥方様を……。
それを思うと、胸が痛みまする。
Halver : ……して、陛下、
申し上げにくいのですが、容姿の方は?
やはり奥方様の面影のあるお方が?
Destin : どうだろうな、
男はいつまでも母親の影を求めるというが……。
こればかりは本人に聞いてみんとな。
それも含めてお前に頼みたいのだ。
Halver : ふむ、まずは本人に聞いてみる、と……。
Halver : ……本人? 母親?
陛下、いったい何の話でございますか?
Destin : お前こそ何の話をしておるのだ、
トリオンの花嫁候補の話だぞ?
Destin : 無論、トリオンを世継ぎとするかどうかは
まだ決めかねておる。だが、その可能性はある。
ピエージェにも必要だが、まずはトリオンから
王子妃にふさわしい者を探そうと思ってな。
Halver : ト、トリオン様……。
そういうことでありましたか。
私も何か話がおかしいと……。
Destin : おかしいのはお前の方だ。
それはともかく、何とかトリオンにふさわしい者を
見出して、まずはあれに引き合わせてみてはくれぬか。
Destin : なに、そう難しく考えることはない。
トリオンも自分がそういう年齢であることを
自覚してくれればそれでいいのだ。
Halver : はぁ……。しかし、それは
難題でございますな。なにせ、トリオン様が
どのような女性をお好みかなど、聞いたことも
ございませぬ。
Halver : ……ハッ、そうでございます!
差し出がましいのですが、私の妹なぞどうでしょう?
我が妹ながら器量よし、気だてよし!
Halver : どこへ嫁へ出そうかと
迷っているうちに、いささか歳を取って
しまったのが難点といえば難点……。
Destin : ハッハッハ、お前も面白い冗談を
言うようになったな、ハルヴァー?
Halver : じ、冗談……!?
私は冗談など……!
Destin : お前にもそういうエスプリがあったとはな。
また酒宴の席ででも聞かせてくれ。
Destin : ……それにしても、トリオンの好みか。
確かに難しい。
Halver : ……。
Pieuje : それなら私が知っています。
Halver : ピエージェ様……。
Pieuje : 兄上の女性のタイプですね。
それは兄上を見ていれば、すぐに分かります。
Destin : ほう、さすがに兄弟だ。
さぁ、もったいぶらずに教えてくれ。
Pieuje : 兄上は……
Pieuje : 茶色の髪を短めのポニーテールに結い、
前髪を眉が隠れるぐらいの長さにした
ヒューム女性がお好みのようです。
Pieuje : そして何よりこの広い世界を自由に
見聞している冒険者が自分のよきパートナーに
なりうる、と考えているようです。
Halver : 冒険者! これは意外ですな。
てっきり、貴人の御息女か、
あるいは遠国の姫君とばかり……。
Destin : うむ、わしの頃とは時代も考え方も違うのだ。
それもまた正しいのかもしれぬ。
さぁハルヴァー、ピエージェがいうような女性を
連れてきてくれ。
Destin : ピエージェ、くれぐれも
トリオンには内緒にせよ。あの気性だ。
かような話が己の知らぬところであったと知れば、
あやつは間違いなく意固地になろう。
Pieuje : もちろんです、父上。
十分分かっています、そのことは。
Halver : ……というわけなのだ。
Halver : ピエージェ様のお話では……、
Halver : 茶色の髪を短めのポニーテールに結い、
前髪を眉が隠れるぐらいの長さにした
ヒューム女性がお好みのようだ。*1
Halver : おまえは他の様々な冒険者と
面識があろうから、我々以上に迅速に
探せることであろう。
どうだ、受けてくれるな?
Halver : もちろん、見つけてきたあかつきには
相応の報酬を与えようぞ。
Halver : よろしい。
くれぐれも外見だけでなく、内面も王室に
ふさわしい人物であることを確認するのだぞ。
Halver : トリオン様に御紹介するゆえ、
見つけたら、まず私の元へ連れてくるとよい。
顔合わせの際には、おまえにも従者として
参加してもらう。そのつもりでな。