サンドリアクエスト/ドラギーユ城/ドラギーユ城の休日

Last-modified: 2011-11-09 (水) 01:36:00

・ドラギーユ城の休日

依頼者:
 ハルヴァー(Halver)
  / ドラギーユ城・広間
依頼内容:
 トリオン様の花嫁候補を探してほしい。
 条件は口頭で説明する。


未:指定された女性を連れてきた後。

(ドラギーユ城I-9にいるHalverに話しかける)
Halver : おお、冒険者よ!
 おまえたちの確かな目と身軽な足を
 ぜひ貸してほしいのだ!
Halver : 実は先日、こんなことがあってな……。
Halver : 陛下、お呼びでしょうか?
Destin : ハルヴァーよ、大儀である。
 実はお前に相談したいことがあるのだ。
 いや、頼み事といってもいいかもしれぬ。
Halver : とおっしゃいますと?
Destin : うむ。それがその、な。
 ……お前も覚えておるだろう、ローテが
 この城に来た日のことを。
Halver : もちろんです。
 可憐な姫様がタブナジアから嫁がれる、と
 城下はその噂で持ちきりでしたな。
Halver : 当時、私は一書生でしたが、
 一目ご尊顔を拝しようと、講義を抜けだ……、
 いえ自主休講にしてパレードを見に行ったものです。
Halver : 人混みの中から垣間見えた
 ローテ様の横顔のうるわしさ。
 怖れながら、今でも目に焼き付いております。
Halver : その後、自分がローテ様のお近くで働く
 ことになるとは、その時は夢にも思いませんでした。
 ローテ様はいつも私の顔を見ると声をかけ、
 にっこりと微笑んでくださったものです……。
Destin : ハルヴァー、お前の思い出話など
 聞いておらん。
Halver : これは失礼を。
 して、奥方様に関しまして何か?
Destin : いや、ローテのことではない。
 后のことだ。
Halver : !!
 このハルヴァー、
 陛下のご心中も察せず、失礼いたしました。
Destin : ウム、そろそろいいのではないかと
 思ってな。
Halver : クウッ……、左様でございますな、
 陛下がお独りになられてから、ずいぶん経ちました。
 きっと、奥方様もお分かりくださいましょう。
Destin : 確かにローテも草葉の陰で心配して
 おるだろう。……してハルヴァー、お前にその
 未来の后となるかもしれぬ女性を探してほしいのだ。
Halver : ……私に、でございますか?
 それは、その……なんと申しますか、複雑な気分で
 ございます。が、陛下のご命令とあらば、
 このハルヴァー、全力を尽す所存でございます。
Halver : で、陛下、どのような御方を
 望まれるのでしょうか?
Destin : む、そうだな。
 もちろん、ローテのように臣民すべてを
 思いやれる大きな優しさをもっておらんとな。
Halver : 陛下、やはり今でも奥方様を……。
 それを思うと、胸が痛みまする。
Halver : ……して、陛下、
 申し上げにくいのですが、容姿の方は?
 やはり奥方様の面影のあるお方が?
Destin : どうだろうな、
 男はいつまでも母親の影を求めるというが……。
 こればかりは本人に聞いてみんとな。
 それも含めてお前に頼みたいのだ。
Halver : ふむ、まずは本人に聞いてみる、と……。
Halver : ……本人? 母親?
 陛下、いったい何の話でございますか?
Destin : お前こそ何の話をしておるのだ、
 トリオンの花嫁候補の話だぞ?
Destin : 無論、トリオンを世継ぎとするかどうかは
 まだ決めかねておる。だが、その可能性はある。
 ピエージェにも必要だが、まずはトリオンから
 王子妃にふさわしい者を探そうと思ってな。
Halver : ト、トリオン様……。
 そういうことでありましたか。
 私も何か話がおかしいと……。
Destin : おかしいのはお前の方だ。
 それはともかく、何とかトリオンにふさわしい者を
 見出して、まずはあれに引き合わせてみてはくれぬか。
Destin : なに、そう難しく考えることはない。
 トリオンも自分がそういう年齢であることを
 自覚してくれればそれでいいのだ。
Halver : はぁ……。しかし、それは
 難題でございますな。なにせ、トリオン様が
 どのような女性をお好みかなど、聞いたことも
 ございませぬ。
Halver : ……ハッ、そうでございます!
 差し出がましいのですが、私の妹なぞどうでしょう?
 我が妹ながら器量よし、気だてよし!
Halver : どこへ嫁へ出そうかと
 迷っているうちに、いささか歳を取って
 しまったのが難点といえば難点……。
Destin : ハッハッハ、お前も面白い冗談を
 言うようになったな、ハルヴァー?
Halver : じ、冗談……!?
 私は冗談など……!
Destin : お前にもそういうエスプリがあったとはな。
 また酒宴の席ででも聞かせてくれ。
Destin : ……それにしても、トリオンの好みか。
 確かに難しい。
Halver : ……。
Pieuje : それなら私が知っています。
Halver : ピエージェ様……。
Pieuje : 兄上の女性のタイプですね。
 それは兄上を見ていれば、すぐに分かります。
Destin : ほう、さすがに兄弟だ。
 さぁ、もったいぶらずに教えてくれ。
Pieuje : 兄上は……
Pieuje : 茶色の髪を短めのポニーテールに結い、
 前髪を眉が隠れるぐらいの長さにした
 ヒューム女性がお好みのようです。
Pieuje : そして何よりこの広い世界を自由に
 見聞している冒険者が自分のよきパートナーに
 なりうる、と考えているようです。
Halver : 冒険者! これは意外ですな。
 てっきり、貴人の御息女か、
 あるいは遠国の姫君とばかり……。
Destin : うむ、わしの頃とは時代も考え方も違うのだ。
 それもまた正しいのかもしれぬ。
 さぁハルヴァー、ピエージェがいうような女性を
 連れてきてくれ。
Destin : ピエージェ、くれぐれも
 トリオンには内緒にせよ。あの気性だ。
 かような話が己の知らぬところであったと知れば、
 あやつは間違いなく意固地になろう。
Pieuje : もちろんです、父上。
 十分分かっています、そのことは。
Halver : ……というわけなのだ。
Halver : ピエージェ様のお話では……、
Halver : 茶色の髪を短めのポニーテールに結い、
 前髪を眉が隠れるぐらいの長さにした
 ヒューム女性がお好みのようだ。*1
Halver : おまえは他の様々な冒険者と
 面識があろうから、我々以上に迅速に
 探せることであろう。
 どうだ、受けてくれるな?
Halver : もちろん、見つけてきたあかつきには
 相応の報酬を与えようぞ。
Halver : よろしい。
 くれぐれも外見だけでなく、内面も王室に
 ふさわしい人物であることを確認するのだぞ。
Halver : トリオン様に御紹介するゆえ、
 見つけたら、まず私の元へ連れてくるとよい。
 顔合わせの際には、おまえにも従者として
 参加してもらう。そのつもりでな。


*1 指定される女性は毎回異なる