チュートリアル1-5

Last-modified: 2023-03-11 (土) 21:14:16

5月に引き続いて商品売買の取引や、現金・当座預金に関する仕訳を順次見ていきます。

6月の取引①(一部のみ)

<2001年6月1日&2日>
まーくんは、商品@800円を5冊仕入れ、代金は掛けとした。なお、掛け代金の決済について「30日後に支払い。ただし10日以内に支払うときは代金の2%を割り引く」という条件がついている。割引適用期間内であったため、翌日に掛け代金4000円について2%の割引を受け、残額を当座預金口座から支払った。

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
仕入4,000買掛金4,000
買掛金4,000仕入割引80
当座預金3,920

<2001年6月3日&4日>
まーくんは、得意先に商品@1000円を5冊売り上げ、代金は掛けとした。なお、掛け代金の決済について「30日後に支払い。ただし10日以内に支払うときは代金の2%を割り引く」という条件をつけている。割引適用期間内であったため、翌日に掛け代金5000円について2%の割引を適用し、残額は当座預金口座に支払われた。

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
売掛金5,000売上5,000
売上割引100売掛金5,000
当座預金4,900

※割引については三分法・分記法・売上原価対立法ともに同じ。


①三分法の場合
<2001年6月6日>
仕入先から1,000円の割戻し(一定期間に大量に商品を仕入れてくれた取引先に対して、リベートとして代金の一部を還元すること)を受け、買掛金と相殺した。

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
買掛金1,000仕入1,000

<2001年6月7日>
得意先に対して1,000円の割戻しを適用し、売掛金と相殺した。

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
売上1,000売掛金1,000
②分記法の場合

【②分記法の場合】
<2001年6月6日>
仕入先から1,000円の割戻しを受け、買掛金と相殺した。

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
買掛金1,000商品1,000

<2001年6月7日>
得意先に対して1,000円の割戻しを適用し、売掛金と相殺した。

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
商品売買益1,000売掛金1,000

※商品は戻ってこないため、商品売買益のみ取り消す!

③売上原価対立法の場合

【③売上原価対立法の場合】
<2001年6月6日>
仕入先から1,000円の割戻しを受け、買掛金と相殺した。

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
買掛金1,000商品1,000

<2001年6月7日>
得意先に対して1,000円の割戻しを適用し、売掛金と相殺した。

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
売上1,000売掛金1,000

※商品は戻ってこないため、商品⇔売上原価の振替の仕訳はない!



<2001年6月10日>
①得意先の中央アカデミー社(株)に商品30,000を売り上げ、代金は中央アカデミー社(株)振出の小切手で受け取った。
②得意先の中央アカデミー社(株)の売掛金50,000の回収として、送金小切手(45,000円分)と郵便為替証書(5,000円分)を受け取った。
③商品1,200円を売り上げ、代金は商店街発行の商品券で受け取った。

番号借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
現金30,000売上30,000
現金50,000売掛金50,000
受取商品券1,200売上1,200

<2001年6月13日>
①まーくんは、中央アカデミー社(株)に対する売掛金10,000円について、中央アカデミー社(株)振出の小切手で受け取り、ただちに当座預金口座に預け入れた。
②まーくんは、中央アカデミー社(株)に対する売掛金25,000円について、以前にまーくんが振り出した小切手(自己振出小切手)で受け取った。

番号借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
当座預金10,000売掛金10,000
当座預金25,000売掛金25,000



<もしものパターン>
まーくんは仕入先に対する買掛金30,000円を支払うため、小切手を振り出した。なお、イルカ書店(株)の当座預金口座の残高は1,230円であったが、取引銀行と限度額100,000円の当座借越契約を結んでいる。

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
買掛金30,000当座預金30,000

※決算時に当座預金口座がマイナスの場合は、マイナス分を当座預金から当座借越(負債)に振り替える。


<2001年6月18日&19日>
①まーくんは仕入先に商品60,000円を注文し、内金(うちきん)として24,000円を現金で支払った。
②翌日に、①で注文した商品を受け取った。代金のうち内金は相殺し、残額は掛けとした。

番号借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
前払金24,000現金24,000
仕入60,000前払金24,000
買掛金36,000

<2001年6月20日&21日>
①まーくんは得意先から商品20,000円の注文を受けた。その際、内金(うちきん)として8,000円を現金で受け取った。
②翌日に、①で注文を受けた商品を引渡した。代金のうち内金は相殺し、残額は掛けとした。

番号借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
現金8,000前受金8,000
前受金8,000売上20,000
売掛金12,000



<2001年6月22日>
購入した商品のうち、10,000円分を見本品(サンプル本)とした。

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
見本品費10,000仕入10,000

見本品費は「販売費及び一般管理費」。損益計算書上、見本品の原価は見本品費振替高(または他勘定振替高)として、売上原価から控除して表示する。

原価率について

特に原価率算定の際に、原価は仕入割戻・仕入戻しは全て控除するが、売価は売上戻りのみ控除する(売上割戻は売価から控除しない)。なぜなら⋯

種類借方勘定科目金額貸方勘定科目金額原価への影響
仕入割戻買掛金○○仕入○○あり
仕入戻し買掛金○○仕入○○あり
売上戻り売上○○売掛金○○あり
(商品が戻ってくるので、原価に影響アリ)
売上割戻売上○○売掛金○○なし
(商品が戻ってこないので、原価に影響ナシ)

【用語確認】
原価率ー売価に対する原価の割合(原価/売価)
利益率ー売価に対する利益の割合(利益/売価)
付加率ー原価を100%とした場合の利益の割合