はいふりの世界設定についての考察を行うページです。
陽炎型艦番考察
設定では「晴風」は「陽炎型」の航洋艦となっているが、モデルとなった「陽炎型」駆逐艦には、予算が計上されながら建造されなかった艦があった。史実では大和型2隻の予算を小さくして、実際のスペックより低く思わせるための架空計上だったのだが、予算を確保するため、一応仮称が与えられ「マル3計画仮称32号艦、33号艦、34号艦」と呼ばれた。「はいふり」の世界では、この3艦も建造されている。*1
ここで、その3艦も含めて「陽炎型」を竣工順に並べてみよう。
順番 | 艦名*2 | 信号符字 | 国際信号旗 | 竣工年月日 | 竣工順 | 仮称 | 「はいふり」艦番*3 |
1番艦 | 陽炎(フロゲカ) | JJGD | 1939-11-06 | 1 | マル3計画-17号艦 | (Y451) | |
2 | 不知火(ヒヌラシ) | JJHD | 1939-12-20 | 2 | 3-18 | (Y452) | |
8 | 雪風(ゼカキユ) | JJMD | 1940-01-20 | 3 | 3-24 | (Y453) | |
3 | 黒潮(ホシロク) | JJID | 1940-01-27 | 4 | 3-19 | (Y454) | |
7 | 初風(ゼカツハ) | JJLD | 1940-02-15 | 5 | 3-23 | (Y455) | |
4 | 親潮(ホシヤオ) | JLDD | 1940-08-20 | 6 | 3-20 | (Y456) | |
5 | 早潮(ホシヤハ) | JJFD | 1940-08-31 | 7 | 3-21 | (Y457 or Y458) | |
6 | 夏潮(ホシツナ) | JJKD | 1940-08-31 | 7 | 3-22 | (Y458 or Y457) | |
9 | 天津風(ゼカツマア) | JJOD | 1940-10-26 | 9 | 3-25 | Y459 | |
12 | 磯風(ゼカソイ) | JJND | 1940-11-30 | 10 | 3-28 | Y460 | |
10 | 時津風(ゼカツキト) | JJPD | 1940-12-15 | 11 | 3-26 | Y461 | |
11 | 浦風(ゼカラウ) | JJQD | 1940-12-15 | 11 | 3-27 | (Y462) | |
16 | 嵐(シラア) | JJRD | 1941-01-27 | 13 | 4-112 | (Y463) | |
17 | 萩風(ゼカギハ) | JJSD | 1941-03-31 | 14 | 4-113 | (Y464) | |
14 | 谷風(ゼカニタ) | JJTD | 1941-04-25 | 15 | 3-30 | (Y465) | |
15 | 野分(キワノ) | JJUD | 1941-04-28 | 16 | 3-31 | (Y466) | |
晴風 | 3-32 | Y467 | |||||
秋風*4 | 3-33 | Y468 | |||||
沖風*5 | 3-34 | Y469 | |||||
13 | 浜風(ゼカマハ) | JJVD | 1941-06-30 | 17 | 3-29 | Y470 | |
18 | 舞風(ゼカヒマ) | JJWD | 1941-07-15 | 18 | 4-114 | Y471 | |
19 | 秋雲(モグキア) | JJXD | 1941-09-27 | 19 | 4-115 | (Y472) |
と一部確定できない艦が存在するものの、艦番がぴったり当てはまり(なぜ「磯風」がY460なのかが、お判り頂けるかと思う。)、晴風の竣工は1941-04-28~1941-06-30の間だと推定できる。モデリングの際などに参考にして頂けると幸いである。
おまけ
陽炎以前の艦も推定してみたので掲載してみる事にする。
上表と同じく竣工順に並べてある。(見慣れない配列になって、ちょっと新鮮!)
順番 | 艦名 | 信号符字 | 国際信号旗 | 竣工年月日 | 「はいふり」推定艦番*6 |
特型9番艦 | 磯波(ミナソイ) | JZPA | 1928-06-30 | #401 | |
6 | 東雲(メノノシ) | JZMA | 1928-07-25 | #402 | |
7 | 薄雲(モグスウ) | JZNA | 1928-07-26 | #403 | |
8 | 白雲(モクラシ) | JZOA | 1928-07-28 | #404 | |
1 | 吹雪(キブフ) | JZIA | 1928-08-10 | #405 | |
2 | 白雪(キユラシ) | JZJA | 1928-12-18 | #406 | |
3 | 初雪(キユツハ) | JZKA | 1929-03-30 | #407 | |
5 | 叢雲(モクラム) | JZLA | 1929-05-10 | #408 | |
4 | 深雪(キユミ) | 1929-06-30 | #409 or #410 | ||
10 | 浦波(ミナラウ) | JZQA | 1929-06-30 | #410 or #409 | |
12 | 敷波(ミナキシ) | JZSA | 1929-12-24 | #411 | |
11 | 綾波(ミナヤア) | JZRA | 1930-04-30 | #412 | |
13 | 朝霧(リギサア) | JZTA | 1930-06-30 | #413 | |
15 | 天霧(リギマア) | JZVA | 1930-11-10 | #414 | |
14 | 夕霧(リギフユ) | JZUA | 1930-12-03 | #415 | |
16 | 狭霧(リギサ) | JZWA | 1931-01-31 | #416 | |
18 | 曙(ノボケア) | JZYA | 1931-07-31 | #417 | |
17 | 朧(ロボオ) | JZXA | 1931-10-31 | #418 | |
20 | 潮(ホシウ) | JGAD | 1931-11-14 | #419 | |
19 | 漣(ミナザサ) | JZZA | 1932-05-19 | #420 | |
23 | 雷(チヅカイ) | JGDD | 1932-08-15 | #421 | |
24 | 電(マヅナイ) | JGED | 1932-11-15 | #422 | |
21 | 暁(キツカア) | JGBD | 1932-11-30 | #423 | |
22 | 響(キビヒ) | JGCD | 1933-03-31 | #424 | |
初春型1番艦 | 初春(ルハツハ) | JGFD | 1933-09-30 | #425 or #426 | |
2 | 子日(ヒノネ) | JGGD | 1933-09-30 | #426 or #425 | |
4 | 初霜(モシツハ) | JGID | 1934-09-27 | #427 | |
3 | 若葉(バカワ) | JGHD | 1934-10-31 | #428 | |
5 | 有明(ケアリア) | JGJD | 1935-03-25 | #429 | |
6 | 夕暮(レグフユ) | JGKD | 1935-03-30 | #430 | |
白露型1番艦 | 白露(ユツラシ) | JGLD | 1936-08-20 | #431 | |
2 | 時雨(レグシ) | JGMD | 1936-09-07 | #432 | |
3 | 村雨(メサラム) | JGND | 1937-01-07 | #433 or #434 | |
4 | 夕立(チダフユ) | JGOD | 1937-01-07 | #434 or #433 | |
6 | 五月雨(レダミサ) | JGQD | 1937-01-29 | #435 | |
9 | 江風(ゼカハカ) | JGTD | 1937-04-30 | #436 | |
7 | 海風(ゼカミウ) | JGRD | 1937-05-31 | #437 | |
8 | 山風(ゼカマヤ) | JGSD | 1937-06-30 | #438 | |
5 | 春雨(メサルハ) | JGPD | 1937-08-26 | #439 | |
10 | 涼風(ゼカズス) | JGUD | 1937-08-31 | #440 | |
朝潮型1番艦 | 朝潮(ホシサア) | JGVD | 1937-08-31 | #441 | |
2 | 大潮(ホシホオ) | JGWD | 1937-10-31 | #442 or #443 | |
3 | 満潮(ホシチミ) | JGXD | 1937-10-31 | #443 or #442 | |
4 | 荒潮(ホシラア) | JGYD | 1937-12-20 | #444 | |
6 | 山雲(モグマヤ) | JJAD | 1938-01-15 | #445 | |
7 | 夏雲(モグツナ) | JJBD | 1938-02-10 | #446 | |
5 | 朝雲(モグサア) | JGZD | 1938-03-31 | #447 | |
8 | 峯雲(モグネミ) | JJCD | 1938-04-30 | #448 | |
10 | 霰(レラア) | JJED | 1939-04-15 | #449 | |
9 | 霞(ミスカ) | JJDD | 1939-06-28 | #450 | |
陽炎型1番艦 | 陽炎(フロゲカ) | JJGD | 1939-11-06 | #451(再掲) |
と特型以降がキレイに#401~#450までに収まる。
(涼風と朝潮は同日竣工だが、シリーズの続き具合から、この順で良かろう。)
※本稿、信号符字・国際信号旗の記述に当たり、以下のサイトを参考にさせて頂きました。
厚く御礼申し上げます。
艦隊これくしょん・元ネタ概要Wiki様
The Naval Data Base. hush様
戦時編制調査室 出沼ひさし様
大型直接教育艦艦番考察
ここでは、「はいふり」世界での大型直接教育艦(戦艦)について考察してみようと思う。
作中登場した艦は、Y102比叡、K117大和?*7、Y118武蔵であった。
史実では「比叡」は金剛型戦艦の2番艦なので
#101 | Y102 | #103 | #104 |
金剛 | 比叡 | 榛名 | 霧島 |
という推測ができる。(#は所属不明のために執筆者が付けた仮符号。)
同様にして、日本が保有していた戦艦群を並べてみると
扶桑型 伊勢型 長門型 大和型
#105 | #106 | #107 | #108 | #109 | #110 | K117 | Y118 | |||
扶桑 | 山城 | 伊勢 | 日向 | 長門 | 陸奥 | 大和? | 武蔵 |
となる。
???
あれぇ~?
艦番#111~#116はどうしたのさ?
と、思うでしょ?
実は、起工されながら日の目を見なかった(巡洋)戦艦群6隻があった。
最終的には、航空母艦として完成した「加賀」、「赤城」の姉妹達である。
「加賀」は加賀型戦艦1番艦、「赤城」は天城型巡洋戦艦2番艦として建造が開始されたのだが、軍縮条約によりこのコ達は(巡洋)戦艦としての完成が不可能になってしまった。しかし空母としてなら、この内の2艦を保有できる枠が残されていたのである。その後、紆余曲折があり「加賀」・「赤城」が歴史を刻む事になるのだが、設定上「はいふり」では航空機が存在しないので空母なる艦種も成立しない。という訳で(巡洋)戦艦としてリストにしてみると…、
#111 | (S?)112 |
加賀 | 土佐 |
となり、空白部を完全に埋める事ができる。
因みに史実では「土佐」は標的艦となり水中に落下した砲弾の破壊力がこれまでの想定以上に大きな事が判明する(晴風vsシュペーの回の会話の根拠。)のだが、あれぇ~?「土佐」って「はいふり」世界では、どうなったぁ~???*11
おまけのおまけ。
ここで終わってしまうと、可哀想なコがいるので…。(笑)
大和型を再掲してみると…、
K117 | Y118 | #119 | (S?)120 |
大和? | 武蔵 | 信濃 | 紀伊(第111号艦)*12 |
ホラ、大和型も本当は4姉妹でしょ?一般には殆ど意識される事はないけれど(特に末妹。)… 。
余談になるが、定期航路の商船の場合、航路にも因るが運用の関係上、3姉妹となる事が多い。
(有名どころではタイタニック姉妹とか、シャルンホルスト級、浅間丸級新田丸級など。新田丸姉妹には、こんなポスターが残っている。)
以上、歴史の片隅に埋もれてしまっているコ達にちょっとだけスポットを当ててみました。
いずれOVAかなんかで、彼女達の雄姿を一瞬でも見てみたいですね。
信号符号考察
ここでは、「大和」・「武蔵」(実艦)の信号符字について考察してみようと思う。
戦時編制調査室 出沼ひさし氏のデータによると、
艦名 | 信号符字 | 国際信号旗 | 竣工年月日 |
金剛 | JGAA | 1913-08-16 | |
比叡 | JGDA | 1914-08-04 | |
榛名 | JGCA | 1915-04-19 | |
霧島 | JGBA | 1915-04-19 | |
扶桑 | JGEA | 1915-11-08 | |
山城 | JGFA | 1917-03-31 | |
伊勢 | JGGA | 1917-12-15 | |
日向 | JGHA | 1918-04-30 | |
長門 | JGIA | 1920-11-25 | |
陸奥 | JGJA | 1921-10-24 |
となっている。
金剛型でアルファベットが前後しているのが少々気になるが、次の戦艦は"JGKA"なのではないかという事は容易に想像できる。
だが、ここで確認しておくべき事がある。
戦艦・巡洋戦艦として建造が開始された「加賀」・「赤城」に使用されているのではないか?という疑問である。
そこで、データをあたってみると、
となっていて、こちらに"JGKA"は割り振られていない。
という訳で
と推定して良さそうである。
ただし、あくまでも想像の域を出ないため、この情報の取り扱いには注意されたい。
(陸奥から大和まで20年の歳月があるため、他の艦に使用されたという可能性も充分にあるので。)
欧州動乱後の時系列についての考察
独自の考察は太字で記載しています。
西暦 | 出来事 | 解説・考察 |
1914年 | 欧州動乱発生 | 史実における第一次世界大戦。作品世界では日米が参戦せず、尚且つ第二次世界大戦が起こっていないため、このように呼称される。 |
1915年 | ドイツ帝国が無制限潜水艦作戦を実行する。 | |
詳細年不明 | 女子海援隊が日本海軍の補助部隊となる。 | 欧州動乱の勃発とドイツによる無制限潜水艦作戦によって日本の輸送船にも被害が出始めたため、当初は「ハワイ王国海軍」の名称で坂本商会の輸送船を護衛していた女子海援隊だったが、他の海運団体からの依頼を受けて海上護衛全般を引き受けるようになる。また掃海任務も積極的に行うことで評判は徐々に高まり、日本政府が女子海援隊の存在を無視できなくなったという経緯がある。なお、護衛部隊は日本の旧型艦艇と「航洋艦」と呼ばれるイギリス製の新造駆逐艦によって構成されていた。 |
1917年? | 欧州動乱終結 | 特典ブックレットやファンブックでの記述から、2月革命による帝政ロシアの崩壊後、英仏とドイツの休戦がすぐに行われていると推測され、これによって史実よりも1年程度早く終結していると考えられる。 |
詳細年不明 | パリ講和会議 | この会議にて、海洋交通の維持を目的とした国際組織設立の動きが日米英を中心に加速する。 |
1921年 | ニイハウ条約締結 | 史実におけるワシントン・ロンドン海軍軍縮条約に相当し、艦艇の区分も両条約と似たものになっている*13が、詳細は不明。 |
詳細年不明 | 国際的な海洋安全保障組織の設立*14 | ファンブックにおける記述から、設立はニイハウ条約締結よりも後の時期となる。 |
1930年代以降? | 女子海援隊からブルーマーメイドに名称変更。 | 劇場版ブックレットにおいて、大和型戦艦の建造経緯に「女子海援隊に売却」の一文が存在する為、少なくとも建造計画時にはブルマーではなく女子海援隊の名称で活動していたと推測される。 |
1936年? | 日米関係の悪化から日本がニイハウ条約を脱退 | 史実におけるロンドン海軍軍縮条約脱退年 |
1937年? | 大和型建造開始 | ファンブックでは「1930年代後半」とのみ記述されている。 |
1941年~42年 | 日米関係改善*15。日米英間で海軍の取扱に関する条約締結? (後述) | |
1953年~54年頃? | 海軍の発展的消滅? | 大和型4番艦「紀伊」が、10年間試験艦として運用された後にブルーマーメイドへ移管された経緯があることから*16、少なくとも1940年代後半から1950年代前半までは日本海軍とブルマーの両方が存在していたと考えられる。 |
各国海軍の存在についての考察 ※独自研究
1941年~42年の日米関係の改善を背景として、日米英や北欧諸国、オランダやベルギーといった組織設立時の初期加盟国の間で海軍の処遇に関する交渉が行われ、10年後を目処に全海軍艦艇を国際海洋安全保障組織に移管した上で海軍を解体する旨の条約が締結されたか? そして、これらに新規加盟する国は海軍艦艇の移管と海軍の解体を求められる?*17
ブルーマーメイドの組織・階級・教育についての考察
・組織
ブルマーに加盟した各国は海上治安維持組織の保有を義務付けられると考えられ、日本においては「保安監督隊」を正式名称とする行政機関として存在している。管区制の採用や階級名から海上保安庁をモチーフにしていると思われるが、その一方で「参謀」といった役職が存在しており、多分に海軍色も感じられる。
関連する組織として、海上安全整備局と国土保全委員会の名前が作中に出てくるが3者の関係性は不明。劇場版において真雪が国土保全委員会からの命令を受けている点から、国土保全委員会が何処かの省*18の外局として設置され、委員会の内局として海上安全整備局が存在しているのだろうか?いずれにせよ、行政機関の構成については全く疎いため、諸兄のさらなる考察を待ちたい。
・階級
階級 | 作中人物*19 |
上級保安監督監? | |
上級保安監督監補 | 第21期生遠洋航海実習部隊(21sf)*20 司令官 (主席教官) |
一等保安監督監? | |
二等保安監督監 | 横女教頭・21sf主席参謀 |
三等保安監督監? | |
一等保安監督官 | 東舞校教頭・真霜 (安全監督室情報調査室)*21 |
二等保安監督官 | 古庄教官・真冬 (べんてん艦長) |
三等保安監督官 | 東舞校主任 |
一等保安監督正 | 21sf機関参謀・岸間菫 |
二等保安監督正 | 寒川高乃・志度琴海 |
三等保安監督正? |
上述の通り海保の階級呼称を参考にしていると思われる。「○○正」や「○○監」の呼称は実際に存在しているが、「○○官」や「上級○○監」といった階級は存在しない。また、予備隊員として「保安監督士補」という階級も存在している*22。また、安全監督室情報調査隊に属する平賀倫子の階級は「二等監察官」という別の階級になっている。
真冬がべんてん艦長であることから、二等保安監督官が海軍における「中佐」または「大佐」に対応すると考えられ、若干21歳*23で艦長を務めていることになる*24。しかし、はいふり世界では人々が置かれている環境が現実とは大きく異なるため、十分にあり得る話なのだろう。また、ブルーマーメイドでは隊司令が自分の考えをよく理解する同期に自分の部隊の指揮を任せることもある*25ので、そもそも階級などに余り囚われないのかもしれない。
完全に余談だが、海上自衛隊における女性初の護衛艦長が誕生したのは本編放送の2か月前である2016年2月。はいふり公式ページにインタビューが掲載されているので読んでみるのも良いかもしれない。
・教育*26
ブルマーを目指す学生は、6年制の初等学校と3年生の中等学校を修了した後、3~4年制の上級学校に相当する海洋学校、4年生の大学校に相当する海洋大学に進学する。また、初等学校修了後に進学できる中等海洋学校も整備されており、カリキュラムも海事系に特化している。このほかにも、安全整備補助学校と予備養成校も存在する。ちなみに、ドイツにおける中等海洋学校の1つである「ヴィルヘルムスハーフェン海洋準備校」では、「士官*27」「下士官*28」「技術者*29」「研究、調査*30」「経理*31」といった専科があり、入学直後の適性試験により、向いてる専科を推薦されるという*32。日本の中等海洋学校でも似たようなシステムがあるかもしれない。
中等海洋学校卒業時には最低限の海員としての教育が終了しているらしく、そこから更に上級学校たる海洋学校に進学できる事を考えれば、(上級)海洋学校の立ち位置は旧海軍における士官養成機関である海軍兵学校に近いのではないだろうか。防衛大学校が自衛隊における幹部養成機関であるため、現代の感覚から行くと海洋大学がブルマーにおける幹部養成機関であると錯覚するが、これはどちらかと言えば史実における海軍大学校のような高級幹部養成機関に近いと考える方が自然だろう。ここに特待生として研究室まで持つ美波さんはやっぱりすごい。
大和型に関する考察
- 建造理由
・対米関係の悪化*33
・各国が戦艦を建造する機運が高まった*34
・経済活性化の大規模公共事業の一環*35
・金剛型や扶桑型などの代艦*36 - 建造スケジュール
BD特典ブックレットやファンブックで紹介されている各種エピソードから、大和型の建造スケジュールは史実と同じであると考えられる。また、信濃・紀伊の進水及び竣工時期は、史実における大和型戦艦の建造期間や艤装期間、劇場版パンフレットから推測した。*37艦名 起工 進水 竣工 大和 1937年11月4日 1940年8月8日 1941年12月16日 武蔵 1938年3月29日 1940年11月1日 1942年8月5日 信濃 1940年5月4日 1943年1月頃? 1944年10月~11月頃? 紀伊 1940年11月7日 1943年7月頃? 1944年4月~5月頃? - 大和型の運用史
紀伊は試験艦として10年間運用された後にモスボールされて予備艦となったが、同型艦3隻と共にブルーマーメイドに移管され、その後教育艦に改修された*38。「ブルーマーメイドに移管」という一文から、就役後は海軍で運用された点が読み取れる。その後、中小型艦が主流となる中で大和型を持て余し、一旦モスボールされたのではないかと推測される。また、本編1話冒頭やPeaceful Diary3巻より、1番艦大和が教育艦に改修されたのは2007年以降であると考えられる。
超甲巡に関する考察
劇場版で登場した超甲巡「あづま」だが、アプリゲーム「艦隊バトルでピンチ!」では超甲巡「鞍馬」が建造中と言及される一コマがあった。
詳しいスペックはBPC-65:超甲巡 あづまのページを参照して欲しい。
- 建造理由
史実では水雷戦隊の指揮統制と金剛型代艦として計画されたが、本作世界における金剛型代艦は大和型となっているため*39、後者は考えられない。また、建造予算は大和型を6隻建造する為に確保されていた予算の内の2隻分をシフトすることで確保されている。 - なぜ超甲巡が再就役するのか?
超甲巡の再就役にあたり、2つの考察が提示された*40。
はいふり世界で大艦巨砲主義の終焉がもたらされたのは、噴進魚雷の開発により、中小型艦が大型艦に対してアドバンテージを得たからである。つまり、中小型艦に多数の(誘導)噴進魚雷を搭載し、敵艦載砲の射程外からアウトレンジ攻撃することで優位に立つというものであった。
しかし、アニメ本編において、大和クラスの大型戦艦には噴進魚雷は有効打とならず*42、尚且つRATtウイルスによってレーダーなどの電子機器類が使用不能になったため、そもそも噴進魚雷による攻撃が不可能となった。RATtウイルスによる一連の騒動自体は稀有な事例であったが、噴進魚雷が大型艦に対して有効となりえず、また電子妨害によってレーダーなどが使用不能になった場合に、噴進魚雷攻撃が不可能となるという事実はブルマーやホワイトドルフィンに大きな課題を残したと推測できる。これらの問題に対処するためには大型戦艦の建造を再開する事が最も確実であろうが、それには莫大な建造費用と時間が掛かり、就役後の運用コストも大きいだろう。また、教育艦の作戦艦艇への再転用も隊員養成への影響を考慮して断念された可能性もある。
そこで、モスボールとして保管されていた超甲巡に白羽の矢が立ったのではないだろうか。これならば、噴進魚雷やレーダー等の電子機器に依存しない兵装を持ち、従来の中小型艦よりも圧倒的な火力と防御力を有している。モスボール保管されていたため戦艦を建造するよりも遥かに早く就役させることが出来、尚且つ運用コストも抑えられる。今後多数を建造することになっても戦艦に比べれば建造費用は安いだろう。
海洋学校に配備されている艦船は就役から少なくとも70年以上、金剛型に至っては1914年に1番艦が就役なので100年以上経っている。さすがに技術が発達しているはいふり世界といえども、艦船を100年以上も現役として稼働させるのは無理があると思われる。そこで、金剛型*44の代替として超甲巡が検討されているのではないだろうか。
上記の通り、超甲巡は「あづま」「鞍馬」が確認されているが、既出の情報から平仮名艦名がブルマー(+ホワイトドルフィン)作戦艦艇、漢字艦名が海洋学校所属艦艇であると推測できるため、「鞍馬」は海洋学校に配備予定であると考えられる。
また、大和型がはいふり世界における海洋安定や抑止力の象徴となっていた歴史的経緯から、巨大な船体に3連装砲塔を背負式で搭載している超甲巡を新たな象徴とする動きがあってもおかしくない。
いずれにせよ、超甲巡を作戦艦艇や教育艦としてそれぞれ1隻ずつ就役させることから、今後のはいふり世界では同艦が重要なカギを握る事になるだろう。
晴風及び晴風Ⅱの主砲に関する考察
晴風は作中で2度の改装が行われ、その度に新しい主砲が搭載されている。またOVAから登場した晴風Ⅱでは、航洋艦(駆逐艦)としては異例の15cm砲が搭載された。
本項では晴風の第二次改装時に搭載されたMk.39 5インチ砲と、晴風Ⅱに搭載された55口径 15cm SK C/28について考察する。
- Mk.39 5インチ単装速射砲
本編11話から登場。第10話でのシュペーとの戦闘時に受けた損傷を修理する際にMk.37砲射撃指揮装置共々搭載された。第10話まで搭載されていた長10cm砲と同等の発射速度と仰角、そして12.7cm砲弾の威力の両方を兼ね備えた優秀な砲である。
史実では両用砲として設計された事もあり、Mk.37との組み合わせでは速力400kt、垂直速力250ktまで対応可能となっている*45。特典ブックレット曰く「対応できない相手がいない」らしい。航空機が存在しない本作世界であるが、きっと噴進魚雷の迎撃などを主眼に開発されたのだろう。当然ながら、現代のブルマーのように他国で設計された艦艇が配備されている可能性もあるが、Mk.39は搭載した駆逐艦が上記の2つしか存在しないため、少なくともこれらがブルマーに配備されていた可能性は高いと言える。装備 艦艇 Mk.39 5インチ単装速射砲 むらさめ型護衛艦(初代)・あきづき型護衛艦(初代) Mk.37砲射撃指揮装置 むらさめ型護衛艦(初代)*47・あさかぜ型護衛艦*48・ありあけ型護衛艦*49
1950年代以降の日本艦について、設定自体は存在すると原案の鈴木氏のマシュマロで明かされていたが、今回の考察から朧げながらも大まかな設定が見えたのではないだろうか? - 55口径 15cm SK C/28 単装砲
OVAから登場した晴風Ⅱに搭載された艦載砲。元々シュペーの予備副砲だったものが流用されているが、シュペー自身が予備を積載していたとは考えにくい。シュペーがハワイへの遠洋航海の途中であった*50点や晴風沈没から晴風Ⅱ就役まで約1か月しか経ってない点を考えると、予備副砲はシュペーに随伴していた工作艦などに積載されていた可能性がある。
限られた情報源の中での考察であるので、おかしい点が多々見受けられるかもしれないが、温かい目で見守っていただければ幸いである。
噴進魚雷に関する考察
- 開発の目的
ファンブック等の記載より重装甲大型艦へのアウトレンジ攻撃を企図したもの。*53
- なぜ魚雷なのか?
①噴進魚雷開発時に数的主力であった重装甲の大型艦に対処するには、水面下への攻撃が可能な魚雷が最適と判断された?
②ミサイル誘導技術が確立されておらず、必然的に魚雷の射程延伸が選択された?
→劇場版パンフレットに「誘導噴進魚雷」とわざわざ記載されているので、史実と同じく1940年代後半~50年代にかけて魚雷の誘導方式が確立されたと考えられ、これも噴進魚雷開発の背景と考えられる。*54
- 何故ジェットエンジンでは無くロケット推進なのか?*55
航空機や人工衛星が発明されておらず、水平線以遠を観測するアセットが乏しい為に彼我の交戦距離が短く、長射程というジェットエンジンの優位性が理解されなかった?
- 噴進魚雷のサイズについて
90式SSMの発射筒には大型魚雷投射ロケットが搭載されているので、VLSに搭載されてる噴進魚雷はそれよりも小型。
→90式SSMとVLAのサイズ感は同じなので、発射筒にはVLAかそれに準じたサイズのロケットが搭載されている。よってVLSに搭載されている噴進魚雷はVLAよりも小型。
→Mk.41VLSで運用されている装備の中でVLAよりも小型なものはESSM。
→よって噴進魚雷はESSMサイズ?
シュペー以外のドイツ艦に関する考察
ここでは、シュペーの艦番号を基に、他のドイツ艦について考察したいと思う。まずは以下の表をご覧いただきたい。
艦番号 | 艦級 | 艦名 |
#205? | ドイッチュランド級1番艦 | ドイッチュランド |
#206? | ドイッチュランド級2番艦 | アドミラル・シェーア |
W207 | ドイッチュランド級3番艦 | アドミラル・グラーフ・シュペー |
この表から「201」~「204」が4隻の艦艇に付与されていると推測できるが、小型直教艦(装甲艦)という艦種自体がドイッチュランド級しか存在しないため、戦艦か重巡と通しの艦番号が付けられていると考えられる。就役順に艦番号が付与されるという作品の慣例に従い、ドイッチュランド級以前に就役した艦艇という点を考えれば、戦艦の方が可能性が高いだろう*56。また、他国の例をみると本作品で艦番号が付与される戦艦・巡洋戦艦は超弩級であるため、「201」~「204」は計4隻が建造・計画された超弩級戦艦に付与されていると考えられる。
これらの条件を満たすドイツ海軍艦艇はバイエルン級戦艦とマッケンゼン級巡洋戦艦の2つだが、ドイッチュランド級の「戦艦を上回る速力」という性質を考慮すれば後者と一纏めにされた方が都合が良いかもしれない。
…とは言いつつも、劇場版からドイッチュランド級の艦種が大型巡洋直接教育艦(重巡洋艦)に変更されているため、今現在の時点で考察がどこまで正しいかは何とも言えない。
その他考察
独自の考察は太字で記載しています。
- 天龍型・夕張型・阿賀野型軽巡、利根型以降の重巡、秋月型以降の駆逐艦は女子海洋学校本校の所属艦艇一覧に記載がない。
→秋月型は紙面の都合上記載できなかったらしい*57。他の重巡・軽巡も同じ理由か?
しかし、照月や涼月が大湊などに所在する二次学校の所属であることを示唆する発言もなされている*58。
その一方で、女子海洋学校本校の所属艦艇一覧から、少なくとも史実における1939年④計画まで存在していたと思われる。
→ファンブックにも1939年計画によって「晴風」含む3隻が建造されたという記載あり。
→壮大な勘違いをしていたので削除
- 各国における陸軍の存在が不明。
→BMやWDと同じように陸軍の流れを汲んだ治安維持組織が存在する?海賊行為が現実世界よりも多い点から、テロ行為も多発していると見られ、非正規戦闘や市街地戦能力を重視していると考えられる。
- 史実では関東大震災で被災、損傷した結果廃棄された天城が完成している事から、地震は小規模だったか、若しくは発生していない。
日本におけるブルーマーメイドの所属について。
国土保全委員会は名称から現代の国家公安委員会に相当すると推測します。これは治安機関の趣が強いブルーマーメイドの機能とも符合するかと思います。
史実では戦後に内務省が解体、その後に公安委員会が設立されました。よって2度目の大戦がないはいふり世界では内務省が引き続き存在し管轄しているものと考察しました。
現代の海上保安庁は国土交通省の外局ですが、はいふり世界における海の重要性を考えれば他の治安機関と統合されていても不自然ではないかと思います。 -- かんぶりあ? 2022-04-11 (月) 20:19:24