プロローグ
- Tier6。それはWoTで鬼門と言われるTier帯である。
最大Tier8までマッチングされる車両たちは、
IS-3,TigerIIと言った書記長や猛獣共と戦わされるハメになる。
ある者は書記長の122mmにケツを掘られて昇天したり、
またあるものは中国のパクリ戦車になすすべもなく蹂躙されたりと、
Tier6の車両たちにとっては阿鼻叫喚の地獄と化すことも。
そして、またここに一両、おっきくて太いものを打ち込まれて昇天しそうなアメリカ中戦車が…
第一章 出会い
- M4A3E8:うっ…ううっ…ひどい、ひどいよぉ。
あんなにおっきくて太いたまを何度も何度もぶち込んで…
私も、大口径砲がほしい。M4の短小ちんぽじゃなくて、もっと太くて長い砲を…!
- ???:イージーエイトや、それは過ぎた願いというものだよ。
- M4A3E8:あ、あなたは…!
そこに現れたのはソ連の重戦車、KV-2。
152mm砲の砲口の奥の闇には、格上の車輌ですら怯む程の殺気がこもっている。
- KV-2:君のその小さな車体では、大口径砲を積むことなど夢のなかの夢だ。
だが安心しろ。君が持っている105mm榴弾砲は、私と同じく格上を蹂躙するほどの力を持っている。
- M4A3E8:で、でも…10榴なんて格上相手じゃ二桁ダメージしか出ないこともよくあるのに!
相手にとっては蚊に刺されたくらいにしか感じてないよ!!
- KV-2:君はアメリカ戦車だ。私と比べるととても恵まれている。
街道上の神と呼ばれる私が、君のために榴弾砲運用のいろはを教えてあげよう。
君はその高性能な砲と、優秀な機動性で、戦場をさまよう悪魔となるのだっ!
- M4A3E8:私天使の方がいいんだけど…
第二章 座学
- KV-2:まずは基本だ。105mmHowitzer M4のスペックは?
- M4A3E8:HE単発410の貫通56、HEAT単発350の貫通101、レートは分間7.5発!
- KV-2:よろしい。この基本スペックと、敵戦車の装甲厚、そしてモジュールの配置をあらかた覚えることだ。
- M4A3E8:そんなの無理よ!私とマッチングされる車輌だけでも数十両あるのよ!
- KV-2:細かい数値まで覚えなくてもいい。HEとHEATで抜けるか抜けないか、それだけで十分だ。
モジュールに関しても、最初に覚えるのは弾薬庫と燃料タンクだけでいいだろう。
例えば、Tier8HTのIS-3。
榴弾砲でIS-3に大ダメージを与えるには、必ず背面を狙う必要がある。何故か分かるか?
- M4A3E8:正面は論外として、側面も空間装甲で守られているから、榴弾で撃つと最悪正面よりダメージ入らないもんね。
- KV-2:その通り。そして背面装甲厚は60mmだ。
- M4A3E8:HEATが貫通できるわね。
- KV-2:それがそうでもないぞ。HEATは傾斜に弱い上、敵も背面もとられまいと車体を旋回させる。
確実に垂直に打ち抜ける状況でないかぎりは、HEを撃つことが妥当だろう。
- M4A3E8:でも、HEだとせいぜい100ダメ行くか行かないかしか…
- KV-2:そこでモジュールだ。ソ連車輌は概ねエンジンルームの左右に燃料タンクがある。
つまり、車輌後部の左右を打てば、榴弾爆発によるダメージで燃料タンクを破壊し、
バーベキューグリルに変えられる。
榴弾砲の装填速度は遅い。
遅いからこそ、こうやって一発一発のダメージを最大化させるよう努力しなければならない。
榴弾で抜ける敵には榴弾を、抜けない敵にはHEATを、
HEATでも抜けなければ爆発ダメージによるモジュール破壊を目指し、
弾薬庫やエンジン、燃料タンクを確実に破壊し、燃やし尽くすのだ。
- M4A3E8:でも、いつもこちらが優勢とはかぎらないわ。防戦に回ったり、
正面から撃ち合わざるを得ない状況になった場合はどうすればいいの?
- KV-2:良かろう。では実践形式にてどう対処すればいいか教えてあげよう。
第三章 ウォーミングアップ
- KV-2:今回の実技演習では、対戦相手としてWZ-111君と戦ってもらう。
- M4A3E8:そ、それってTier8の重戦車じゃない!優遇持ちとは言えタイマンだと勝ち目がないわよ!
- KV-2:怖気づくな。奴は機動性こそ重戦車としては高いが、その他は典型的なソ連系HTだ。
砲はガバガバ、視界も短い。マップも稜線の多いSwampを用意してある。この意味はわかるな?
- M4A3E8:地形を活かして戦えってことね…。
- KV-2:わかってるじゃないか。WZ-111は俯角が少ない。くれぐれも市街地で戦うのは慎むように。
あっという間に距離をつめられて終わりだ。
- M4A3E8:そんなの言わなくてもわかってるわよ!WZ-111!覚悟してなさいよね!
- WZ-111:よろしくアル。米帝の格下MT如きにワタシが駆り出されるのも癪アルが、KV-2大先輩のお願いとあっちゃ仕方ないアルヨ。
- KV-2:では、それぞれスタート地点にて待機。5分間のウォーミングアップの後、戦闘開始とする。
どちらかが撃破されるか、CAPされたら負けとする。
また、今回は演習試合なので、修理キットなどの搭載はなしとする。では位置につけ!
第四章 開戦
- KV-2:<<こちらKV-2、これより無線にて戦闘アシストを行う>>
- M4A3E8:はぁ、ほんとに格上とタイマンなの…?勘弁してよ…
- KV-2:<<そう嘆くな。そうこうしてるうちに敵が距離を詰め寄ってくるぞ>>
- M4A3E8:わかってるわよ!今待ち伏せポイントに向かってるんだから!
- KV-2:<<移動中でも砲の扱いには気をつけておけ、できるだけ砲塔を旋回させるなよ。最前線に居る時は、
必ず砲を敵が出てくるであろう方向に向けて固定しておくんだ。榴弾砲は砲塔が動く時が一番照準が拡散する。
固定させるのとさせないとでは、命中率も違ってくる。一時の油断が命取りとなることもある。>>
- M4A3E8:確かに、砲塔を固定させるとあまり照準が拡散しなくなるわね…
っ、敵重戦車発見!距離320m!こっちには気づいてなさそうね。
- KV-2:<<初弾は履帯にぶち込め。砲を固定しているから照準時間はそこまで長くないだろう。>>
- M4A3E8:ラジャー!照準を履帯に向けて…ファイヤ!
- KV-2:<<外したな。榴弾砲の偏差射撃は難しいか?>>
- M4A3E8:弾速が遅いし、弾道も山なりになるしね…動目標で距離300mとなると難しいわね。
- KV-2:<<そういう時は移動先の地面に照準するんだ。特に履帯を切るときに有効となる照準方法だ。
敵の足を止めて、修理キットを使わせてから再度履帯に榴弾をぶち込むんだ。>>
- M4A3E8:次弾装填完了!今度は地面に照準して…ファイア!
- WZ-111:知ってるアルカ?ソ連系HTは履帯モジュールHPが高いアルよ!一発ぐらい屁の河童アルネ!
(KABOOOM!!!)って次弾早すぎないアルか?!
- M4A3E8:知ってる?イージーエイトのハウザーは6秒ちょっとで装填終わるのよ!
- WZ-111:でもダメージは全然無いアル。こっちは単発390アルよ!いくらアメ車でハルダウンしてるとは言え、
まさかTier6MTがTier8HTの主砲を弾くほど固くないアルネ!開火!
(ガギューン!!)
- M4A3E8:残念だけどそのまさかよ。私の防盾は、ソ連の175mmペネの砲ならギリ耐えられるぐらいには分厚いのよ。
- WZ-111:だったら距離詰めてインファイトするだけアル!
ワタシの履帯修理速度は5秒だから装填終わる前に動けるアルね!あとワタシは中国戦車アル!ソ連ソ連連呼するなアル!!!
- KV-2:<<流石にこれ以上距離をつめられると危険だ。一旦下がって再度奇襲をかけるんだ。>>
- M4A3E8:流石に榴弾砲だとDPMがきついものね…ちょっと悔しいけど、戦略的撤退よ!
- WZ-111:くっ、中戦車だからってちょこまかと…小賢しいアルね!
第五章 被弾
- KV-2:<<ところで、格下車輌が格上と戦う際に、勝機をつかむ最も確実な方法はなんだと思う?>>
- M4A3E8:いきなり何よ急に。そんなの弱点を突っついて少しずつ削るしか無いんじゃないの?
- KV-2:<<HPの差でどうしても出来ない時もある。正解は「CAPをする」だ。>>
- M4A3E8:<<でもそれじゃ、すっとろいHTならともかく、機動性のあるソ連系HTだと
すぐに戻れるからCap止められちゃうよ?
- KV-2:その通り。でもだからこそ、CAPを阻止せざるを得ない状況を作り、機動性を殺すのだ。
敵が陣地に戻り、自車をSpotする前に陣地を離れ、待ち伏せする。これが最も安全な対格上HTとの戦闘方法だ。>>
- M4A3E8:そういうことね。でも大体いつ戻ってくるかなんてわかるものなの?
- KV-2:<<大まかにはな。例えば今の状況。敵HTは撃たれたところで数十HPしか減らないので、
おそらくあまり警戒せずに追ってきているだろう。先ほど会敵した地点から約600m、
そして君はもうすぐサークルに入る。WZ-111のこのマップでの巡航速度を40km/hとした場合、スポット
距離である350mまで近づくのに何秒かかる?>>
- M4A3E8:0.6km÷40km/h×3600=54、つまり54秒で敵に見つかるってことね。
- KV-2:<<その通り。なのでCAPが40秒超える頃には動いて隠れたほうがいいってことだ。
私もこれをよくルクスにやられてるよ。近づいてくれれば一発で昇天させてあげられるんだが。>>
- M4A3E8:貴方がAP使ったら私も瀕死になるからね、勘弁してよね。…そろそろ時間だし、一旦CAPやめて隠れるわ。
(ピコーン)ってあれ?六感付いてるっ!!
- KV-2:<<早く逃げろ、弾が飛んでくるぞ!>>
(ガスッチュドーンガラガラ!!!!)
- M4A3E8:いやぁぁぁ!ほ、車体前方側面に被弾、機動輪損傷!…あれは、WZ-111!
なんで今になってやっとSPOTされてるのよ!!
- WZ-111:知ってるアルか?中国戦車は重戦車も隠蔽が高いアルよ!しかも我はカニ目も付けてるから、
ちょっと遠い草むらで静止すれば先手を打てるアルよ!更に中国四千年の歴史が生み出した
エンジンリミッター解除で出力増強、機動性もアップしてるアル!もう逃さないアルよ!覚悟するヨロシ!
- M4A3E8:なによそれ!どうせソ連の技術パクっただけじゃない!このソ連クソ戦車!
あんたの履帯切ってやるんだから!(ドォン!)
- WZ-111:どうせ止め刺すために止まるからちょうどいいアル。
さぁ、排莢は済ませたか?神様にお祈りは?切れた履帯をガタガタ震わせ命乞いする準備はOK?
- M4A3E8:ふざけないで!私は、私はまだ死んでなんかいないんだから!
- WZ-111:どうあがいても無駄アル。履帯は切れて動けない。
演習だから修理キットは積んでない。先ほどの一発は高ぶれして残りHPは300ちょっと。チェックメイトある。
流石にTier6MTがTier8HTにタイマンで挑むのは無理があったアルね。では安らかに死ぬアル…
開 火!
瀕死のM4A3E8に容赦なく襲いかかる122mm徹甲弾。E8に逃れる手はあるのか!!
次回、「激闘の果てに」乞うご期待!(嘘
第六章 乱数という名の幸運
~ほんの少しだけ時を遡る。
…あぁ、履帯が切れてて動けない。WZ-111がなんか言ってる。
HPは残り310。このままじゃ、あと一発で…
- WZ-111:~~~!もう逃さないアルよ!覚悟するヨロシ!
なによ、格上だからって偉そうに。榴弾砲の怖さを知らないのかしら。
- M4A3E8:…あんたの履帯切ってやるんだから!(ドォン!)
- WZ-111:どうせ止め刺すために止まるからちょうどいいアル。
さぁ、排莢は済ませたか?神様にお祈りは?切れた履帯をガタガタ震わせ命乞いする準備はOK?
- M4A3E8:ふざけないで!私は、私はまだ死んでなんかいないんだから!
- WZ-111:どうあがいても無駄アル。履帯は切れて動けない。
演習だから修理キットは積んでない。先ほどの一発は高ぶれして残りHPは300ちょっと。チェックメイトある。
流石にTier6MTがTier8HTにタイマンで挑むのは無理があったアルね。では安らかに死ぬアル…
開 火!
ヒュン!
- WZ-111:は…外した!?どうしてアル!?いくらガバガバ砲とは言え絞ればそれなりに当たるはずアル!
しっかりと車体のど真ん中狙って打ったアル!乱数が狂ったアルか?!
- M4A3E8:落ち着いて見てみなさい。貴方の砲、壊れてるわ。
- WZ-111:な…なんだって!つまり、あの時お前が撃ったのは…砲身!?
- KV-2:<<見事な判断だったな。正直、砲身を打ったところで壊れるかどうかは運任せだったが。>>
- M4A3E8:あんな状況で履帯を狙うバカがどこに居ると思ってんのよ。舐めてかかりすぎよ!
- WZ-111:くっ、でもインファイトならまだ勝てるある!ワタシのHPはまだ1100以上もあるアル!
- M4A3E8:追いつけるもんなら追いついてみなさい!その間に私は稜線上に篭もらせてもらうわ。
その壊れた砲身で、私の防盾に当てれるものなら当ててみなさい!
第七章 決戦
- M4A3E8:かなり距離を稼いだわね。
- KV-2:<<そうだな。追いかけっこはしないだろうから、今度はおそらく相手が陣地占領するだろう。>>
- M4A3E8:だったら、予想される進撃ルートで待ち伏せしてあげればいいのね!
- KV-2:<<ただ、相手は重戦車としては足が速い。一気に陣地まで突っ込まれて持久戦に持ち込まれたらまずいぞ>>
- M4A3E8:どうして?陣地に入られても、ダメージ入れるか、
最低でも履帯を切ってあげればずっとリセット出来るじゃない。
- KV-2:<<…お前、いま弾何発持っている?>>
- M4A3E8:え?HEが30発と、HEATが2発だけど…あっ
- KV-2:<<感づいたと思うが、HEで正面から打ち込み続けた場合、
外したり当たりどころが悪くてダメージが入らなかったりで、結局無駄となる弾が少なくない。
有効弾数は約半分。単発平均80と計算しても1200だ。>>
- M4A3E8:外したり履帯を切る際に使ってしまうと、倒しきれなくなるわね…
- KV-2:<<一発足りとも無駄には出来ん。…来たぞ>>
- M4A3E8:兎にも角にも削ることが優先ね!
~そして、榴弾がどーんどーんどどんがどーんと飛び交うこと十数発。
WZ-111は陣地占領をめざし、車体をフリフリさせて履帯を切らせつつ、
E8の弾が無くなるまで持ちこたえようとするも、HPが350まで低下。
やむをえず、近くの建物の影に隠れることに。
そしてE8は、止めを刺すために追いかけるも、建物を挟んで対峙する形になった。~
- WZ-111:しつこいアル…まさかHPが350まで削られるとは思わなかったアル…
- M4A3E8:ふふん。格下だと思って舐めてるからそうなるのよ。
(でも、私もHEは残り1発しかない。あとはHEATが2発…
調子に乗って前に出ちゃったしもう最悪…)
- WZ-111:でも、お前がのこのこ追っかけてきてくれたお陰でこっちもやりやすくなったアル。
逃げずにさっさと戦うアル。来ないならこっちから来てやるアル。今度こそ覚悟するヨロシ!
- KV-2:<<深追いは禁物だということを改めて思い知らされた訳だな。なんで追っかけるんだ…>>
- M4A3E8:うるさいわね!そんなに来て欲しいんだったら来て上げるわよ!
- KV-2:<<おい、挑発に乗るな!先ほどの冷静さはどこ行ったんだ!>>
- WZ-111:いい子アル。こっち来るアル。しね!(どぉん)
がぃぃいん!
- M4A3E8:(よしっ!)引っかかったわね!私の車体正面下部は101mmの装甲なのよ!
角度をつければソ連のガバガバ152mm砲だって弾くわ!今度はこっちの番ね!
(このまま突っ込んで、初弾榴弾、目標履帯、旋回を止める!)
ずどぉん!
- WZ-111:もうそっちの弾が無いのはわかってるアル!HEATでワタシの側面は抜けないあるよ!
- M4A3E8:(更に前進、背面へ回りこんでHEATを…打ち込む!)
どしゅぅぅぅぅ
うぃー でぃでんと ぺねとれー ぜあ あーまー!
- M4A3E8:し、尻に打ち込んでも弾かれた…?!あんた、また体ひねって弾いたのね!
- WZ-111:ワタシの履帯の修理速度は5.3秒ですって言ったある!
- M4A3E8:そんな口調では言ってないわよ!こうなったら、一か八か体当たりで履帯を切る!
がぁん!ぎりりりり!
- M4A3E8:やった!切れた!
- WZ-111:でもこっちの弾も装填完了、砲塔ももうすぐそっちを向くアル!
- M4A3E8:装填手、早く、早く次のHEATを!
HEAT Shell Re-loaded!
F i r e!
開 火!
第八章 決着、そして
- M4A3E8:(…私の残りHP、たったの5…なんとかまだ生きてるけど…弾はもう無い…
もう…終わりね…)
- WZ-111:(ふっふっふ、ワタシもまだ生きてるアルよ。まだ80も残ってるアル。
結局のところ、ワタシの勝ちに変わりはないあるね。…えっ、そんな、馬鹿な!!)
どがっしゃーん!
- M4A3E8:燃えている…。燃料タンクが燃えて…爆散した…!
- KV-2:<<ちょうど燃料タンクがある部分にHEATを撃ち込んだんだ。燃えて当然だな。>>
- M4A3E8:つ、つまり…私が…勝ったの?
- KV-2:<<あぁ。勝利おめでとう。これでお前は、格上の重戦車に打ち勝つ術を身につけたんだ。
これで、今後は蹂躙されなくて済むな。Tier6だろうとTier8だろうと、お前は活躍できる。出来るんだ。
自身の装甲と、機動性と、圧倒的な榴弾の火力で、戦場をさまよう悪魔となって、
格下だと思って舐めてかかってくる重戦車共を、地獄の底に落としてやれ。>>
- M4A3E8:…いやだわそんなの。
- KV-2:<<!? ど、どういうことだ!まさかとは思うが、76mm砲で日和るつもりか!>>
- M4A3E8:違うわよ。私は、装甲と、機動性と、この榴弾砲の火力で、
困ってる味方をアシストして、チームを勝利へと導く天使となるのよ!
時には前線でSpotし、時には履帯を切って味方を応援し、時には盾となって味方の撤退を助ける。
もちろん、体を張った結果撃破されるかもしれない。だけど、味方を守れるんだったら、
それは決して無駄ではないわ。KV-2先輩から教わったテクニックも、味方のために使えるでしょ?
- KV-2:<<…ふふっ、あはははは。君らしい、実に良い答えだ。教えた甲斐があったよ。
私はこれにて失礼しよう。今度はもしかしたら、戦場で出会うかもしれん。
152mm榴弾砲を持った悪魔どもには、くれぐれも気をつけろよ。では、そろそろ通信を切るぞ>>
- M4A3E8:ありがとう、KV-2先輩。
ぷつっ、ざーーーー。
エピローグ
KV-2先輩、お元気ですか。
私が戦場の片隅で煙をあげていた時に会ったあの日から、
先輩から教わったことは、今でも私の体に焼き付いています。
あれから戦績は格段に向上し、今では私の短い榴弾砲の砲身に、3つの輝かしい星が輝いています。
私も、先輩と同じように教える立場になり、今ではある軽戦車のコーチを担当しています。
T49君といって、なんと先輩と同じ152mm砲を持っているんですよ。
でも、大口径砲を持っているせいか、ちょっと性格がひねくれちゃってて。
どんなふうに指導していいのか、頭を悩ませている毎日です。
もしも先輩だったら、どんな指導をするのでしょうか。よろしければ、お聞かせください。
ご返事、お待ちしています。
イージーエイトより。
- KV-2:ふっ、彼女も大変な後輩を持ったものだな。
仕方がない。この老体、もう一振り鞭打って、指導してやるか。
「本当の」戦場の悪魔とは、どういうものかを。
…………続くかな?