浦上家
浦上家家中の宇喜多直家は その類まれなる智謀で浦上の繁栄に 大きく貢献した しかし、その裏で直家は 自らの力を高めるための智謀を巡らせ 反乱の機会をうかがっていた やがて直家の力は、主君である 宗景をもしのぎ、宗景の側近は 直家の存在を危険視するようになった そんなある日、家中の重鎮が集い 直家の処遇について秘かに評定が なされた 浦上宗景 今日は直家の処遇に関して ということだが？ 家老 直家殿の力は今や我をを圧し 当家にとって獅子身中の虫となっております 早急に追放すべきかと 明石景親 しかしながら、直家殿の智謀は 強国に囲まれた当家にとって 欠かせぬもの 重鎮たちの間で 議論の声が飛び交う 浦上宗景 ううむ、いかがしたものか 家老 今や直家殿を家中に留めるのは 庭に虎を飼うようなもの 牙をむく前に手を打つべきです！ 明石景親 浦上家がここまで大きくなれたのも 直家殿の力があればこそ なにとぞ、今後もご重用なさいますよう 直家の処遇をどうしますか？ 直家を見逃す 直家を追放する
「直家を見逃す」を選択
浦上宗景 やはりわしには、これまで尽力してくれた 直家は討てぬ こたびの話はなかったことにいたす 浦上宗景 それと、皆の者 直家にいらぬ気をまわさせぬためにも 決して他言は無用じゃ 明石景親 ははっ、しかと承りました こうして宗景は直家の追放を 見送ったのであった やがてその評定でのやりとりは 直家の耳にも入った 宇喜多直家 ふむ、さすがに浦上の年寄りどもも わしの狙いに感づいたか…… 侍 それがしもこの話を聞いた時には 肝を冷やしました 宇喜多直家 ふむ、この一件で宗景を見限る者も 出てくるであろうな むしろ機が熟したということか…… 侍 しかし、宗景様に対して兵を挙げれば 謀反人の汚名を受けることになりますぞ 宇喜多直家 いや、宗景の甥の久松丸を擁せば 大義名分も得られる ……浦上もこれで終わりだな そう言って直家は不敵な笑みを 浮かべるのであった 直家は挙兵を決意し すぐさま久松丸のもとへ早馬を走らせ 岡山城へ兵を進めた だが、直家は城を包囲したまま 一向に攻めようとしない 侍 直家殿、なぜ攻めぬのですか？ ここでいたずらに時間を費やすのは 無益化と存じまする 宇喜多直家 時を待っているのだ 侍 ……時でございますか 直家の家臣が意図を察しかねていると 突如、城から火の手が上がる 宇喜多直家 よし、今だ！ 全軍突撃せよ 城の様子を眺める直家を 城を守っていた明石景親が出迎えた 宇喜多直家 これは景親殿 貴殿のおかげでこの岡山城を容易に 落とすことができた 明石景親 いえ、拙者は直家殿に言われるまま 城兵を撹乱しただけ 明石景親 それよりも、宗景が城を出たとの 報せがありました すぐに追っ手を差し向けた方が良いかと 宇喜多直家 ……その必要はない 明石景親 なのでございますか？ 宗景はたとえ無能でも浦上の当主 徒党を組まれては厄介ですぞ 宇喜多直家 もはや宗景は自らの非力を 思い知ったであろう 宗景にそのような気概はすでにあるまい 宇喜多直家 それに、こたびの騒動で臣民は 大きな不安を抱いている 今はそれを抑えることが肝要 明石景親 ……なるほど、さすがは直家殿 深謀遠慮、感服いたしました 直家はあえて宗景を討たず 追放するに留めたのであった こうして直家は宗景を追放し 備前の地を見事手中に収めたのである
「直家を追放する」を選択
浦上宗景 確かに、昨今の直家の振る舞いには 目に余るものがある 直家に追放を命じよ！ 家老 ははっ こうして宗景は直家の追放を 決断したのであった 直家は宗景の出した 追放処分を不服として挙兵 宗景はすぐさま討伐隊を差し向けた 宗景の予想以上に迅速な動きに さすがの直家も籠城を余儀なくされた 宇喜多直家 くっ、よもやあの軟弱な宗景が 攻勢に出ようとは！ 侍 直家殿、これ以上は 持ちこたえられませぬ せめて直家殿だけでもお逃げくだされ 宇喜多直家 いや、こうも囲まれてしまっては 正面突破するよりほかに道はない 宇喜多直家 そのためには何者かを浦上軍に紛れ込ませ 浦上軍を攪乱させねばならぬ 侍 ……承知しました それならばそれがしが その役目を引き受けましょう 宇喜多直家 ……すまぬ 直家は浮き足立つ浦上軍の 囲みを突破し 辛うじて逃げおおせたのだった こうして宗景は、辛くも直家を破り 浦上家の体制を盤石のもとしたのだった
その他の大名家
浦上宗景に仕えていた宇喜多直家が 挙兵し、宗景を追放しました 今後は宇喜多家として飛躍を目指します