南部家
南部晴政に子がなかったため 跡目は晴政の養子の信直か 九戸実親のいずれかと目されていた 実親の兄の九戸政実は 実親を跡目にすべく 陰謀を巡らせていた ある日、南部家家臣、大浦為信は 数人の供を連れて城下に出ていた そこで為信は民の会話を耳にした 農民 こうも税が重うては暮らしていけぬわ 老人 まったくじゃ こんなら前の領主様の方がましじゃったな 大浦為信 それほど税を取り立てておるのか？ 組頭 この地は南部家にとって無二の米所 お家を支えるため、民には 重税が課され、皆不満を抱いておるのです 大浦為信 おぬしもか？ 組頭 ……それがしにも養わねばならぬ者が おりますゆえ 大浦為信 左様か…… このままでは南部が滅ぶのも そう遠い先ではないかもしれぬな 為信は、その言葉を半ば自分に 言い聞かせるようにつぶやいたのであった ある日、為信は信直のもとを訪ね 帰路につこうとしたが 九戸政実に呼ばれ、その屋敷を訪れた 大浦為信 九戸殿 それがしに何か御用でございますか？ 九戸政実 おお、為信殿 貴殿に相談したいことがあってな 九戸政実 ……実は今の南部家のことだが 貴殿はどう思う？ 大浦為信 と、申されますと？ 九戸政実 信直様の父の高信殿が守る 石川城が手薄になっていると聞いた 大浦為信 …… 九戸政実 為信殿が高信殿を攻め 信直様が打って出たところで わしがこの城を奪うというのはいかがか？ 大浦為信 なるほど、挟み撃ちというわけですな 承知いたしました 為信は政実の思惑はともかく 信直が進退きわまったことを確信し 津軽での独立を決心したのであった 為信は、多くの民と将兵を味方につけ 津軽を治める要所、石川城を急襲した 大浦為信 今宵はほとんどの城兵が出払っておる 今こそ石川城を手に入れる好機ぞ！ 南部家は為信の謀反を察知すると 石川城を救うべく重臣たちを呼び寄せた 南部信直 逆賊、大浦為信めが 石川城を攻めているのだ 九戸殿には先鋒としてご出陣願いたい 九戸政実 ……しかし、この機に乗じて 南部の地を狙う輩がいるとも聞きます それがしは守りを固めたく存じます 南部信直 …… どのような対処をしますか？ 石川城を見捨てる 自ら出陣する
「石川城を見捨てる」を選択
南部信直 ……致し方ない、出陣は取り止めじゃ！ 為信め この恨みは必ずや晴らしてくれる！ 信直は手も足も出せぬ状況と悟り 石川城への救援を取りやめたのであった 為信の兵は一気に石川城を制圧した 高信は敗北を覚悟し 自室にて腹を切ろうとしていた 組頭 くっ、なぜだ なぜ殿が討たれねばならぬのだ！ 石川高信 もうよい これが宗家の都合ならば口惜しきことだが この地に住まう民の望みならば致し方ない 組頭 …… 喧騒がひときわ大きくなってきた 石川高信 そろそろ潮時のようだな 介錯を頼む 組頭 高信様…… 担当する勢力を選択してください 南部家 津軽家
- 「南部家」を選択
為信の謀反は南部家を震撼させたが 信直は晴政を支え 南部家を守り抜こうと誓うのだった
- 「津軽家」を選択
為信は津軽で独立を果たし さらなる飛躍へ向けて 虎視眈々と次の狙いを定めるのであった
「自ら出陣する」を選択
南部信直 やはり石川城を見捨てることはできぬ 者ども出陣じゃ！ 九戸殿、留守中よろしく頼む 九戸政実 ははっ こうして信直は出陣を決意し 諸将に戦支度を命じた そんな中、信直は側近を呼び寄せた 侍 殿、お呼びでございますか 南部信直 おぬしに頼みがある 九戸の兵に紛れ、政実殿が 謀反を起こさぬか見張っていてほしい 侍 九戸様が、謀反を起こすと！ 南部信直 わしを廃し、自らの弟を跡目にして 南部の実権を掌握するのが狙い こたびの謀反も為信との共謀であろう 南部信直 もし政実殿が おかしな動きをするようであれば ……政実殿を討て 侍 ……わかり申した こうして信直は石川城へと向かった 迅速な決断のため救援は間一髪で間に合い 為信は不利を悟って城から逃亡した 一方、政実も謀反を起こしたが 信直が放っていた刺客に討ち取られ 九戸配下の将兵はことごとく処断された 信直は多くの犠牲を出したものの 的確な判断で謀反を鎮圧し 南部の版図を守り抜いた 間もなく、この一件は晴政の耳に入り 信直は晴政に南部家の跡継ぎと 認められてのであった
その他の大名家
南部家の大浦為信が 主家の混乱に乗じて石川城で独立しました 今後は津軽為信に改名します