講義の作法

Last-modified: 2024-07-14 (日) 23:02:30

徳川家など

徳川家康は息子の信康に
戦(いくさ)話を聞かせていた
 
古今東西の戦話の中から得られるものは多い
それが家康の考えであった
 
松平信康
父上、お待ちくだされ
 
急に信康が席を立つ
 
徳川家康
話の途中ぞ、いかがした?
 
松平信康
しょ、小用にございまする
しばしお待ちを……
 
厠より戻ってきた信康に対して
家康は厳しい口調でしかりつけた
 
徳川家康
戦話は国にとって大事な話であるぞ
例え小便を垂れ流すことになろうとも
戦話の席を立ってはならぬ
 
徳川家康
徳川の子が戦話に聞き入って
座敷を汚したとあらば
我が家の面目も立つ
 
松平信康
か、かしこまりましてございます
 
信康は父の言葉を聞き
それ以降、戦話を聞くときは身を引き締めて
臨むようになったという

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