全翼機のヨーイング安定試験

Last-modified: 2016-11-30 (水) 22:45:54

皆大好き全翼機の難題が一つ、「ヨーイング安定性」についての個人見解のまとめです。

まずは結論から。

・現在のバージョン(Ver1.1)では、後退角を持ったスプリットラダーでヨーイング安定が得られる。
スプリットラダー:上下に展開するラダーのこと。(下記画像参照)
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試験機

試験機モデル:X-47B ペガサス ・・・ノースロップ・グラマン社
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ヨーイング安定性について



まず、左右の後退角スプリットラダーは、通常飛行時に同じ力で機体に抵抗を与える。


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機体に任意のヨーイング操作を行うと、機体が進行方向に対して左右どちらかに角度を持つ。
すると、後退角を持った分ヨーイング中は左右のスプリットラダーの抵抗値に差が生まれ、ヨーイングに安定性が発生する。
(以下の写真は右にヨーイングを行っている状態)


pic (9)_R.jpg


このヨーイング安定性は、後退角が大きい程(即ち垂直尾翼に近づく程)強くなり、前進角であれば逆にヨーイング不安定となる。
この性質は機体後部に設置したスプリットラダーで発生する事を確認した。

まとめ

スプリットラダーを用いる事で、通常の航空機と遜色ないヨーイング安定が、全翼機でも得られる事が確認出来た。
これにより、全翼機を通常運用する事が出来るようになった。

  • 非常に参考になります! -- Clom? 2016-05-28 (土) 11:54:25
  • これ両方一度に展開したらエアブレーキになりそう -- 2016-11-17 (木) 07:00:05
  • この方式って尾翼の重量バランスを考えなくていいから、宇宙に行くSSTO向きなのかな? -- Roe? 2016-11-26 (土) 23:51:19
  • 空気抵抗やその他諸々の事を考えると地上向き・・・の浪漫飛行機ですね -- Meila? 2016-11-29 (火) 23:53:49
  • ふむ、空気抵抗が意外とかかる機体なんですね。解説ありがとうございます。 -- Roe? 2016-11-30 (水) 22:45:54