作成の動機は、例によって「新しいパーツを使ってみたかった」
あとver1.0.5(のキャリアモード)ではラムジェット(J-X4"Whiplash")の開放が遅くなっているので
比較的早い時期に開放できるアフターバーナーエンジン(J-404"Panther")で代用したスペースプレーンが作れないかな
・・・と、極めて普通の誰でも思いつきそうな発想に依っております
- ちなみに「新しいジェットエンジン」が追加されたのは(半年くらい前にリリースされた)1.0.5の時で、
機体の基本設計は割と早いうちから出来てはいたんですが・・・
いつものように記事執筆がKSPのバージョンアップに間に合わず、タイトルの「旬を外した感」が酷いことにw
作成環境など
- Ver1.1.2キャリアモード。資金とサイエンスポイントはセーブデータ弄って適当に増やしました
- SPH、Runway、R&D、Tracking Station、Astronaut Complex、Mission Controlをレベル2にアップグレード。
本機のコンセプトは本来「J-404の使用」で、資金やサイエンスを節約することでは無いんですが、
まぁせっかくですから施設改修も必要最小限に抑えておきます - 技術ツリーも同様に、出来るだけ開放を自重してこんな感じに
・・・いや、さすがに核エンジン(300ポイント)を自重すると航続距離がですね・・・
使用MODは
- MechJeb2
- Kerbal Engineer Redux
- Editor Extensions Redux
- RCS Build Aid(※開発版)
- BetterBurnTime
- Trajectories
- Kerbal Alarm Clock
- Minimum Ambient Lighting
MechJeb先生以外はいわゆる「便利MOD」なんで導入必須って訳じゃないです、お好みでどうぞ。
- ・・・ってか先生も便利MODですので、完全バニラ環境でも運用に問題があるわけじゃないのですが
単段でMun往復出来る性能を確保するために無理して軽量化しているので操作性があまり良くなく(特にロール安定性)
手動操縦だと離陸~打ち上げ中の姿勢制御に余計な操作が必要になりがちなので、打ち上げ効率がかなり悪化します
機体紹介
- 機体名は「J-404, LV-N, external LV-T30」の略で「404NexT」(適当
- 今回、ここでは外見だけ紹介。細々した機体解説は思い切ってカット、っていうか後に回しました
機体サイズとか重量とかは・・・見にくいかもしれないけど、左上のSS拡大してください
離陸
ジェットエンジンの特性が異なるので若干の違いはありますが、基本的な手順は普通のSSTOとそれほど変わらない、はずです
MechJebでピッチ10°(HDG90°、ROL0°)に設定して離陸。機体が重過ぎるのでいつものピッチ15°だと速度を稼げません
- 1.1での仕様変更(たぶんタイヤのグリップ力低下)のため、本機は滑走路上(走行時)の直進性があまり良くないです。
いろいろ小細工してなんとか手動で修正可能な程度に抑えてありますし、離陸速度がかなり低め(80m/sくらい)なので
放置して滑走路を多少外れても特に問題なく離陸できますが、一応注意点。- ちなみに本機は軽量化のために小細工と妥協をしてますが
1.1.2の場合、普通に垂直尾翼(安定翼)を大きめにして空力で抑え込むだけでも十分効果がありますし、お手軽かと - ・・・あと、1.1での(車輪の)仕様変更と言えば「荷重限界」関係だとは思うんですが、こっち未検証ですスミマセン
ていうかぶっちゃけると、1.1pre-releaseの時に(それまで付けてた)LY-10が壊れたんで単純にLY-35に変更して、それっきりですw
- ちなみに本機は軽量化のために小細工と妥協をしてますが
離陸時に姿勢を崩していた場合は安定するのを待って(必要なら手動で補正)から車輪を収納。
これと連動してJ-404のモード切替(アフターバーナー点火)とジンバルロック(効率上昇のため)が行われます。
- 現実のアフターバーナーほど燃費が悪いわけじゃないのでウェットモード固定でも構わなかったんですが
せっかくのモード変更機能を活用したかったし、カスタムアクショングループも使えない*1のでこんな形になってます
J-404エンジンの(実用的な)高度・速度限界はおおよそ15km前後で800m/sくらい・・・だと思います
- 高度だけ、あるいは速度だけであればどちらももう少し引っ張れますが、「両方稼ぐ」ならこのくらいかと
軌道投入(70km、2,100m/s)に足りない分は当然、両脇の軌道投入用ブースター(と核エンジン)で加速するわけですが
ロケットエンジンを使う場合、上昇角10°では浅すぎて効率が悪いので機首を上げていきます
- 高度10kmでピッチ15°
- 対地速度が下がりはじめたら(単純に高度14~15kmでもOK)ステージ進行しロケットに点火。同時にピッチ20°
- ブースター燃焼終了したらピッチ10°に戻す
- Ap到達時間が離れていくようになったら機首Prograde
- アポジキック
試行錯誤の結果(あまり煩雑な操作をせずに)効率よく打ち上げる手順はこんな感じでした
- ちなみに手動操縦の場合は、無理に(大きく)ピッチアップ操作すると姿勢が安定しないので
(Kerbinの丸みで)自然に機首が上がるのに任せた方が良いかも
周回軌道~Mun着陸
これも恒例の但し書きな気もするんですが、念の為
大気圏外では、有翼スペースプレーンの挙動は普通の宇宙船とほとんど変わらないのですが、一応解説を
LKO(100km)に投入。
大気圏を出たらカーゴベイを開けて(Rキー)ソーラーパネルと放熱板を展開(BSキー)します
- ちなみに、別に熱に弱いわけでもないこれらがカーゴ内に入ってるのは空気抵抗対策のためです
- コマンドポッドは、どちらかと言うと前作(R-5)と同じく「コクピットから手を離さずにデータ回収するため」です
せっかくカーゴ内にあるしMk1 Lander CanやEAS-1(椅子)で軽量化することも考えたのですが
前者はカーゴからはみ出して見た目が悪く、後者はクルーレポート取得とデータ格納機能が無いので採用を諦めましたw - データ回収で思い出しましたが、実験機器は(機体に必要な分だけで、特にこの為にはツリー開放してないので)
Goo、Science Jr.、温度計、気圧計を搭載しています。
・・・実験機器は大抵小さくて軽いですし、追加するのはそれほど難しくないかと
・・・さておき。
見ての通り、この時点での残りΔVは3,200m/sくらい。
核エンジン単発故の低推力で離着陸時の重力損失が大きいので効率は良くないですが
Munに着陸して戻ってこれる性能は、なんとか確保しました
ちなみに残り燃料の重量から逆算したスペック上、本機はLKOに約10tのペイロード投入能力があるはずですが
(Mk2カーゴは狭すぎてロクなものが積めないと判断し)設計上は「重量物の輸送」を想定していません。
・・・Mk1キャビンに換装、またはMk2キャビン開放で観光客を乗せるくらいなら小改造で対応できそうですが
Kerbin~Mun遷移はばっさりカット。
前述の通り、TWRにも残りΔVにもあまり余裕が無いので、減速は遅くても早くても(100秒ルールとか余裕こいてると)ダメです
高度20km位の周回軌道からSurface-Retrogradeで全力噴射を続けると、ちょうど間に合うくらいの減速が出来るかと
- BetterBurnTime入れてると調整しやすくて超便利ですw
帰還
- リアクションホイールがあまり強くない
- (現verの)LV-Nにはジンバル機構が無い
- (タイヤ走行時の直進性対策で)後脚がかなり前にあるため、地表で20°以上機首を起こすとテールストライクする
と三重苦を抱えているので、Munから離陸する時は地形の起伏を利用する必要があります
- SSでは普通に東(HDG90°)向きに離陸してますが、Munの自転速度は非常に遅い(10m/sくらい)ので
方角は気にしなくても効率はあまり変わらないんじゃないかと思います - ・・・っていうか(低推力といっても)MunでのTWRは1以上ありますし、着陸時に
縦置きしたままの方が離陸は楽なんですが、前述の通りホイールが弱く傾斜があると倒れるのでお勧めしません- 5°くらいまでならSASつけていればなんとか耐えます(本機は無人ポッド積んでないですがMechJebチップで代用できますし)
- 実は、多少ならそれ以上の傾斜でも(上SSのように)エンジン・片方の垂直尾翼・放熱板の3点で安定して直立できるのですが
言うまでも無く放熱板は壊れやすいですから、もっとお勧めできませんw
あとは普通にKerbinに帰還。
今回も例によって重心と抗力中心はだいたい揃うように調整してあるのでエアロブレーキ中に機体を立てたままでもそれなりに安定
- 必要なら残った燃料を適度に移送して調整します
耐熱性能も問題ないのでそのまま1発で速度を落としきる事も出来ますが、まぁここも普通に(KSCに戻るため)一旦低軌道に投入
・・・たぶんそのくらいの燃料は残せるはずです
機体重量が(離陸前の半分以下に)減っているので、帰還時の滑空能力と操作性は大幅に改善。
念のため(手動で核エンジンをシャットダウンして)ジェットエンジンも準備しましたが、結局使用せず滑空のみで帰還、着陸できました
・・・パラシュートも使用してないですが使うの忘れてたw
現verだと(グリップ力低下の数少ない恩恵で)走行中に機体が転倒する事はまず無いですから
左右にハンドル切って蛇行する事で減速距離を稼ぐのも有りじゃないかなー、と思います
TSTOモード
・・・外見からだけでも容易に想像はつくとは思いますが。
本機の軌道投入用ブースターは(構造上および燃料消費系統も)本体とは完全に独立していますから
軌道投入時での残りΔVを1,000m/s程度伸ばすことが出来ます
- というより、どちらかと言うとこっちの方が設計時に想定した「本来の運用法」なんですが
記事タイトルが「SSTO」の方がインパクトがあるかなー、とか考えたからというのは秘密という事でw
ついでに言うと、上で使い忘れたパラシュートも本来は
Dunaに着陸するためのものです
- いつものようにエンジン併用。対地高度500mで全力噴射、衝撃耐性高めなLV-Nを地面にぶつけて着地します
大気圏内運用
で、同様にブースターを最初から取っ払えば(SPHで外してもいいし、滑走路でエンジン点火前に分離してもOK)
大気圏内用の飛行機としてもそのまま使用する事が出来ます
- ブースター(内の燃料)の分軽くなるので、操作性もほぼ問題ないレベルまで向上
時間かかるので実際に試してないですが、Kerbin1周前後くらいの航続距離はあるはず- 足りなければ(ブースターの位置に)簡単に増槽が追加できますし(面倒ならそのままブースターの酸化剤だけ抜いて使うのも有り?)
1.0.5以降では、燃料パイプで本体と繋げばジェットエンジンでも優先的に燃料使ってくれるので楽です - ・・・いや、まぁ機体の強度が足りてなく低空で物理倍速すると安定しない(2倍はOK)ので実用性はあまり無いんですがw
- それでも最近のKSPは、以前よりパーツの接続強度上がってきてますし、「機体が空中分解しない」だけで良いなら
(ブースター固定してる2本以外)針金一切使ってない本機でも7Gくらいまで耐えますフライトレポート(F3で表示)での測定による推定値。 ごく短時間(KERのG-Forceで表示される)であれば、45Gくらいまで耐えられるのを確認しています
- それでも最近のKSPは、以前よりパーツの接続強度上がってきてますし、「機体が空中分解しない」だけで良いなら
機体データ
- MechJebチップ、KERチップは外してあります
- 記事内でもちらっと書きましたが、アクショングループは
RCS(Rキー)がカーゴベイの開閉、Abort(BSキー)がパネル類の展開/収納となっています - ステージ設定は(こちらは記事内とは逆に)本来の設定であるTSTOモードになっています。
- SSTOとして使用する場合はSPHでステージング設定を無効化してください
そのままでも構わないんですが、KERやMechJebで残りΔVが正しく表示されない(分離前提で計算される)ので不便ですw
- SSTOとして使用する場合はSPHでステージング設定を無効化してください
- パラシュートの展開気圧はcraftデータを直接書き換える事で最少の0.01に設定してあります。
SPHではデフォルトの0.04より小さく出来ないので厳密に言うとこれチート行為ですが、フライト中なら設定できるし許容範囲・・・ですよね?