百合用語集

Last-modified: 2014-08-29 (金) 07:38:38

かなり広義の百合関連用語を取り扱います。用語から新しい概念を取り込んでいただき、百合深度の増加や百合への理解を深めてもらえれば幸いです。


50音順



アンソロジー

多数の作家があるテーマに沿って書いた作品をまとめた本のこと。例えば百合アンソロジーとは、百合をテーマにした作品を集めた本のこと。雑誌とは異なり、その後各作家の単行本に収録(掲載)されることは稀。


ケモ百合(ケモノ百合)

メスの動物同士の百合のこと。獣耳やしっぽがある女の子同士(獣の擬人化)の百合も含める。勿論、3次元では難しいので、pixiv(画像掲示板)等でイラストにおいてちらほら存在する。

エス

sisterの"S"(エス)で、女子校内での上級生と下級生の間の恋愛的な友愛もしくはその関係を指す。戦前から女学生の間で使われていた。”S”(エス)ではなく”SIS”の部分で略し、シスと呼ぶ場合もある。

エル

lesbian(レズビアン)の頭文字”L”(エル)が由来。レズビアンの略称であり同義。

オオデイア・オデイア

川端康成著「乙女の港」にて掲載。エスと同義。由来は不明だが、dear(親愛なる・愛しい)にoh(感嘆詞)を単純に繋ぎ合わせた和製造語ではないかと思われる。親しい間柄の二人(意訳)といったところだろうか。

おめ

女性を愛する女性ということ。男女(おめ)。転じて、広く親しい女性同士を指す場合や、冷やかしとして侮蔑的に用いられる場合がある。


貝合わせ

女性器同士をこすりつける等で、快感を高めあう行為。「”一緒に”気持ちよくなる。」「”一緒に”達する」という描写のためによく用いられる。ただ、3次元に限っては、位置が、角度が、思ったより・・・等と、実は容易ではないことが示唆されている。


カップリング

キャラクター同士の組み合わせのこと。(例:憂×唯(けいおん))どちらが攻めでどちらが受けなのか等、どういうカップルであるのかまで含めて用いられる場合が多く、同じ作品でも鑑賞者の感覚により異なってくるため、
度々カップリング論争が起こる。公式・非公式カプという派生表現もあり、公式作品の中で明示されている組み合わせは公式。公式の枠や設定外の組み合わせ(作品では多く取り上げられていないけれど、自分は百合だと思うカップリング)を非公式という。

ガールズラブ

ボーイズラブ(男性同士作品の総称)から転じた女性同士作品の総称、または、個別的な女性同士の友愛関係を指す。百合とガールズラブでは、人により含める範囲が異なる。ただ、一部書店等ではガールズラブの呼称で一括しコーナーを設けている。

寄宿舎

地理的理由等で通学が困難な学生を対象に設置される施設であり、思春期の女性達が集い、生活する中で、S的なものや百合的なもの、キラキラワイワイとした友愛の日々のロマンスの舞台になる。なお、類義語である寮とは境界が曖昧である。


公式交流・公式認定

読者や作品内の登場人物の妄想によって、カップリングさせられていた二人が、友人として接点を持ったり、友情から一歩進展したりという展開を本編で発表されること。妄想が公式に認められた歴史的瞬間。


サフィズム

古代ギリシャの女性詩人サッフォー由来。正式な記録はなくその作風のイメージから作られた推測に過ぎないものもあるが、
・夫と死別後、未亡人のまま”若い女性を集めて”文学的アカデミーを作ったこと、
・作品非難としてサッフォーを同性愛者と罵るものがいたこと、
・レスボス島出身(英語ではレズビアンと同じ綴り)
であったことから、後世に、サッフォー=同性愛者=サフィズムとなりサッフィズムとも呼ぶ。同義語としてレズビアンが挙げられる。

女学校

第二次世界大戦以前に設立されていた女子教育機関の総称。女性が学ぶべきこと(家庭科等)を教えるという教育観によって、あるいは、男性と同等の教育機会をえるための教育機関として設立された。
現在その歴史的使命はほぼなくなり、名残として女子校・女子大が残っているが、少子化の影響により男女共学へ移行する学校もみられている。


スール

本来はフランス語における姉妹のこと。マリア様がみてる(コバルト文庫小説)における設定として用いられたことで有名。マリア様がみてるの舞台リリアン女学園では先輩が後輩の指導のため、先輩から後輩へロザリオを授受することで特別な二人=スールとなる。


セクシャルマイノリティ

直訳して性の少数派。同性愛や同性愛者を指す場合も多いが、同一性障害やトランスジェンダー等、性における様々な少数派の人々を広範に含めた表現である。人権問題や社会問題として本格的に取り組む人が多くいる分野なので、不容易かつ安易に触れない。

タチ(攻め)

女性同士の性行為において、攻め(能動側)をタチ、受け(受動側)をネコと呼ぶ。○○タチという形で”どういう攻めか”を示す派生表現があり、例を挙げると、ボーイッシュ雰囲気の側が攻め(タチ)になることが多いが、
反して、スカートを履き(ファミニン=女の子らしい)攻める人をスカタチ。攻めと受けを逆転せずに終始主導権を握るタチをバリタチと呼ぶ等。


耽美、耽美主義

19世紀後半のフランスで生まれた芸術思想。美を至上のものとして道徳やテーマ等を排し、美の探求に価値をおく創作姿勢。現代日本では、親和性のある同性愛作品にその創作姿勢を向ける者がおり、耽美という語が作品の紹介・感想において用いられることがある。

同人(同人作品)

本来は個人製作の作品全般を指す。ただ最近では、漫画やアニメに触発された個人または複数が、同じ登場人物や設定を使用し製作した作品を指すことが多い。
原作より同人作品の方が百合度が著しく高い作品もあり、個人製作のため広く流通していないが、好きな作品の百合同人は一見の価値アリ。


同性結婚

社会的承認を受け、通常の異性間結婚と同一またはその一部の法的な保障や保護(財産の共有や遺産相続、社会保障における配偶者控除等の類)を受けられること。同性間結婚、同性婚とも言う。アメリカやヨーロッパ圏では、比較的同性結婚が認められている。


ネコ(受け)

女性同士の性行為において、攻め(能動側)をタチ、受け(受動側)をネコと呼ぶ。○○ネコという形で”どういう受けか”を示す派生表現があり、例を挙げると、スカートを履く(ファミニン=女の子らしい)側が受けになることが多いが、
反して、ズボンを履き(ボーイッシュ=男の子らしい)受ける人をズボネコ。攻めと受けを逆転せずに終始主導権を握られるネコをバリネコと呼ぶ等。

ふたなり(フタナリ)

下半身に男性器がついている女性のこと、またはその状態を指すことが一般的。両性具有が同義語であるように、本来は男性に女性器があるという意味も含む。現実世界では稀に症例が存在するが、他方作品世界では、同人作品内での性行為の装飾として用いられることが多い。


ベェゼ

フランス語における接吻。キスのこと。近現代の小説にて用いられていた。


ぺドフィリア(ペド)

幼児性愛のこと。またこの嗜好を持つ者をペドフィルと呼ぶ。ロリータコンプレックスと同義に使われることも多いが、厳密には、ペドフィリアは男女児に対する嗜好に対し、ロリコンは少女に対するものに限定。


百合

女性同士における友愛や淡い恋心、憧れ等の感情のこと、またはその感情で結びついた二人の関係性を指す。ガールズラブやレズビアンと同列に用いられることもあるが、肉体関係がある場合は百合ではない等、
百合はガールズラブやレズビアンとは全く異なるという意見もあり、現在統一的見解はない。

Yuricon

北米に拠点を置く百合の普及に努める百合振興団体。組織代表のエリカ・フリードマンは、日本作品の翻訳なども行う百合マンガ専門出版社ALCも運営している。
また、Yuriconが各地で主催するイベント名の一部に用いられることもあり、過去東京で開催されたこともある。

百合ップル

百合+カップルの略称で女性同士のカップルのこと。バカップルの意味合いも含み、いちゃいちゃらぶらぶしている百合カップルのことを指す場合もある。
一部限定的な使われ方として、女性声優界における百合っぽい女性声優の二人一組を指すこともある。(生天目仁美と伊藤静、中原麻衣と清水愛等)

百合度

作品の百合的描写の頻度または濃厚さ等を示す指標。百合の統一的見解がないため、同じ作品であっても評価者の好みや感覚で百合度はかなり上下する。

百合豚

元は百合好きの過激な一部を指すネットスラング。(百合)アニメに男は不要等の過激発言で、他の作品鑑賞者らから侮蔑的な意味で豚とつけられそれが広まっていった。百合が好き過ぎて残念な(哀れな)振る舞いをする人という意味が転じて、
それだけ百合が大好きなんだと自虐を含めながらも肯定的に捉えて、自ら百合豚を名乗る人もいる。似た意味の、百合厨が使用されることもある。


百合要素

作品に含まれる百合的な部分のこと。ストーリー、設定、キャラ、関係性等を挙げ、どこが百合的な部分かを説明する場合に用いられる。

養子縁組

血縁と関係ない二人が親子関係を結ぶこと。通常の親子と法律上(戸籍や遺産分配の権利等)同様の扱いを受けられる制度。現実世界または作品世界において、同性愛カップルが結婚制度の代替や心理的な絆を求め利用する場合が稀にある。
作家の吉屋信子等。作品では星川銀座4丁目等(一部そういう描写が登場)。


リリィ

英語における”Lily”(百合)のこと。百合と同義。

レズビアン

女性同性愛者のこと。レズまたはビアンで略すことが多いが、”レズ”は蔑視的意味合いがあるという理由で、ビアンを積極的に使用する場合がある。