名称 | 点睛召将術 |
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日本語 | てんせいしょうしょうじゅつ |
英語 | Summoning of Painted Eyes |
繁体字 | 點睛召將術 |
簡体字 | 点睛召将术 |
魏無羨が使う邪術のひとつ。
人形に血で瞳を描いて魂を宿らせ、それを使役する術。
その他の呼び名:
点睛召喚術(ラジオドラマ)
参考資料
魏無羨が紙人形の姉妹を召喚するために唱えた呪文「媚眼含羞合,丹唇逐笑開。不問善與惡,點睛召將來。」の前半部分は南朝斉の文人・何思澄の「南苑逢美人」が原典。この詩は、作者が南苑で美人に逢ったことを詠んだものである。
また、陰力士を召喚した呪文は「野火燒不盡,春風吹又生。」だが、これは唐の詩人・白居易の「賦得古原草送別」から引いたものである。
漢詩紹介
南苑逢美人(作者:何思澄)
洛浦疑廻雪 洛浦 廻雪かと疑う
巫山似旦雲 巫山 旦雲に似たり
傾城今始見 傾城 今始めて見る
傾国昔曽聞 傾国 昔 曽て聞く
媚眼随羞合 媚眼 羞に随いて合し
丹唇逐笑分 丹唇 笑を逐いて分る
風捲葡萄帯 風は捲く 葡萄帯
日照石榴裙 日は照らす 石榴裙
自有狂夫在 自から 狂夫の在るあり
空持労使君 空しく持して 使君を労せしむ
(意訳)
洛浦の神女は風に舞う雪のようで、巫山の神女は朝の雲のようだといわれる。
傾国の美人がいるとは昔聞いたことがあるが、傾城の美人は今初めて見た。
恥ずかしそうに瞳を閉じ、赤い唇が微かな笑みを浮かべている。
錦の帯は風で巻かれ、ざくろ色の裾は陽光に照らされている。
この美人には既に夫がいるようだ。よそから来た太守が口説いても無駄骨に終わるだろう。
賦得古原草送別(作者:白居易)
離離原上草 離離たり 原上の草
一歳一枯栄 一歳に ひとたび枯栄す
野火焼不尽 野火 焼けども尽きず
春風吹又生 春風吹いて 又生ず
遠芳侵古道 遠芳 古道を侵し
晴翠接荒城 晴翠 荒城に接す
又送王孫去 また王孫の去るを送れば
萋萋満別情 萋萋として別情満つ
(意訳)
生い茂る野原の草は、年に一度、枯れてはまた生える。枯れた草を燃やしてもその根は残り、春風の吹く頃にまた生えてくる。
見渡す限りの草は古道を覆い、晴れた日の青々とした草は荒れ果てた城壁まで続いている。
また旅立つ友を見送るが、生い茂る草のように別れの悲しみで胸がいっぱいになる。