シーフ キナイ【1】
「知らない顔だね。ここで何をしてるんだい?」 男の背後からナイフを突きつけて、キナイは低くささやいた。先端が触れた喉元から、血が糸のように細く流れ出す。 |
シーフ キナイ【2】
「盗られる方がまぬけなのさ。悔しかったら、実力行使で取り返してみれば?」 手にした財布を弄びながら、キナイはにんまりと笑った。 |
シーフ キナイ【3】
「もしアタシに剣を当てられたら、この体自由にしてもいいよ」 キナイは上衣を脱ぐと、鍛え上げられた体を見せつけるようにくねらせた。 |
シーフ キナイ【4】
「フフッ、ずいぶんとやっかいなことになったね」 口ではそう言いながら、キナイの表情は楽しそうだった。金よりもトラブルの方が、彼女の好物だ。 |