旗本 マンジロウ【1】
「ほれ、そこじゃ」 殴りかかってくる暴漢の拳をよけ、マンジロウは軽く脇腹を小突く。さして力も入れていないように見えたのに、暴漢はうめき声を上げ倒れてしまった。 |
旗本 マンジロウ【2】
「儂ももう若くないからな。争いごとは御免なんじゃよ。そういうのは若い者に全部押しつけてしまうのさ」 マンジロウはそう言って呵々と笑った。 |
旗本 マンジロウ【3】
「今じゃ、前に出ろ」 マンジロウがサッと采配を振るのに合わせ、軍勢が前に出る。敵の軍が伸びきったところに、見事なカウンターが決まった。 |
旗本 マンジロウ【4】
「明日でもいいことは、明日やればいいのさ」 マンジロウはそう言ってズズッとお茶を啜った。とても、先ほど軍を率いて敵と戦ったとは思えない風貌だ。 |