アグロヴァル【1】
「だからさあ、もうボクの勝ちでいいでしょ?」 小さな体に似合わぬ巨大な鎚を構え、アグロヴァルはにっこり笑った。まるで神で出来たおもちゃを持っているかのようだ。 |
アグロヴァル【2】
「腕相撲? 本気出していいの!?」 アグロヴァルの細い腕には、水桶を片手で持ち上げるほどの膂力が秘められている。外見で判断すると痛い目を見るだろう。 |
アグロヴァル【3】
「えへへ、キレイでしょう? ボクが自分で摘んだんだよ」 戦場を離れれば、アグロヴァルはまだあどけなさを残した少女である。鎧の花飾りは、精一杯のおしゃれなのだ。 |
アグロヴァル【4】
「いっくよー? せーの!」 アグロヴァルが鎚を振り下ろすと、固く閉じた城門があっけなく砕けちる。彼女がいるかぎり、例え籠城しても敗北は免れないだろう。 |