大地の騎士 アレン【1】
「あはは、どうもこんにちは」 その身軽な風貌が表すかのように、青年は軽薄な口調で挨拶した。この青年が、まさか常勝無敗の兵であると気づく人は少ないだろう。 |
大地の騎士 アレン【2】
「困りましたね。できれば穏便に事を運びたかったんですか」 少しも困ってなさそうな顔で、青年は槍を構えた。磨き抜かれた槍の穂が青年の鋭い観光を反射した。 |
大地の騎士 アレン【3】
「ふふ、僕なら勝てると思ってました?」 敵の喉元に短剣を突きつけて、青年は優雅に笑った。汗ひとつ書いていないその顔は、今し方戦闘を終えた戦士にはとても見えない。 |
大地の騎士 アレン【4】
「たまには本気を出さないと、なまってしまいますからね」 好敵手を迎えて、不敵に笑う青年。興奮しているのか、白皙の頬がわずかながら赤く染まっている。 |