【十刃】エロハ【1】
「見よ。あの美しく神々しいお姿を」 神殿に鎮座するエロハを見た人々は溜息混じりにそう呟く。美しい青髪を持つ彼女は、いつも微笑みをたやさず穏やかにすごしている。なのに人々の口から出るのは恐ろしいウワサばかりだった。 |
【十刃】エロハ【2】
「まさに触らぬ神に祟り無しだ」 誰かがエロハの機嫌を取り損ねたら、なにもかもが終わる。圧倒的な美貌と底知れぬ恐怖をあわせ持つ神、それがエロハなのだ。 |
【十刃】エロハ【3】
「控えよ。ここは貴様ごときが立ち入るべき場所ではない」宮殿への侵入者を軽く一瞥すると、エロハはその美しく長い髪をたなびかせた。それはまるで何かの前奏曲のようでもあった。 |
【十刃】エロハ【4】
「下賤なる者よ、塵と消えよ」 戦闘態勢をとったエロハが光り輝く弓を放つと、侵入者は一瞬のうちに消滅した。彼女の機嫌に障ること、それはすなわちもう手遅れを意味するのだ。 |