【白雪】シヴァ【1】
「今日ばかりは、破壊を忘れ舞おうぞ」 全てを破壊する神シヴァが、ついに破壊による終焉を与えるため、この国に降り立った。しかし山には白い雪が舞っていた。風に舞うその雪の美しさに見とれ、シヴァはこの国に、一時の猶予をもたらしたのだ。 |
【白雪】シヴァ【2】
「この雪も、まるで舞っているかのようだな」 白い雪がひらひらと舞う景色に、踊りの王としてのシヴァが目覚めたのだろうか。 降りしきる雪の中、シヴァは一人の舞姫として舞い踊りはじめた。 |
【白雪】シヴァ【3】
「雪よ、風よ、我と共に踊らん」 雪の中で踊る舞姫の姿に、人々は目を奪われた。この謎の舞姫の正体が、破壊神シヴァであると見抜ける者はいないだろう。だが彼女の踊りに、人々は忘れていた何かを見いだしていた。彼女の神性が、そうさせたのだろうか。 |
【白雪】シヴァ【4】
「そんな顔をされては破壊もしにくくなる」 舞を終えてもシヴァは、破壊をもたらしはしなかった。踊りに感動する心があるのなら、この国の未来をもう少し見てやってもいい。美しき破壊神は、そんな風に思ったのかもしれない。 |