アギエル【1】
「私は天使? それとも悪魔?」 天界にいる時は天使として、地獄にいる時は悪魔として過ごし、互いの世界の間をつなぐ。それがアギエルの立ち位置だった。平たくいえばコウモリ、スパイ、裏切り者なのだ。 |
アギエル【2】
「地獄の王たちが軍備の拡張をしているようです」 天界の神々に、アギエルは悪魔たちの動きを伝える。天界は焦り、悪魔たちの動きを止めようと横やりを入れ始める。アギエルは地獄に精通する者として神々に一目置かれた。 |
アギエル【3】
「天界は主戦派と、穏健派に大きく分かれつつあります」 地獄の悪魔たちにアギエルは神々の動きを伝える。悪魔たちは秘かに穏健派に肩入れし、天界の攻勢を食い止める。アギエルは天界に精通する者として悪魔たちに一目置かれた。 |
アギエル【4】
「平和が私の望みーーけれど、私はいつの日か消される存在」 天界からにせよ、地獄からにせよ、アギエルは二重スパイの罪で、いつの日か処刑されるだろう。確実に訪れるその日までの、つかの間の平和がアギエルの生きた証だった。 |