アミュティス【1】
「諦めるのはいつでもできます。でも、それは今じゃありません」 世界には多くの女神たちがいる。その中でもアミュテスは異端の存在だ。彼女の夢は悪魔の討伐ではなく、世界の安寧でもない。彼女が目指すのは、人々を歌で救う歌手になることなのだった。 |
アミュティス【2】
「生まれつき神力の弱い私は、自分の存在価値が分かりませんでした。そんな私が出会ったのが、音楽でした」 周囲の猛反対を押し切り、アミュティスは音楽の神々に弟子入りした。神が本来割り当てられた領分を越えることは不可能だとされている。しかし、彼女は血のにじむような努力で、音楽の力を磨いていった。 |
アミュティス【3】
「私みたいな落ちこぼれの神様だって、誰かの心に届くような歌をうたえる。そう信じています」 アミュティスのまっすぐな気持ちは、やがて周囲に変化を与える。音楽の神々は彼女を認め、天空の高原で行われる大音楽祭の前座に、彼女を抜擢したのだ。 |
アミュティス【4】
「ここが……ここが私の夢の舞台」 神々の音楽祭の前座として登場したアミュティスに、オーディエンスは冷ややかな反応を示す。音楽の神でもない女神の歌声など、誰も興味を持たなかったのだ。しかし、そんな雰囲気は少しずつ変わっていく。 アミュティスが信じる音楽の力が、奇跡を起こそうとしていた。 |