コイオス【1】
「儂の眠りを妨げるのは誰だ?」 立っている地面が揺れ、地響きにも似た低い声が辺りに響く。これまで地面だと思っていたのは、巨神コイオスの腹の上だったのだ。 |
コイオス【2】
「一度は儂を追放しておきながら、また力を借りたいとはな」 コイオスと神々は、一度は神界の覇権をかけて戦った。そして敗れたコイオスは、神界から離れたのである。 |
コイオス【3】
「貴様らも気にくわんが、あの悪魔共の方が目障りだ」 要請を受けて、コイオスは重い腰を上げた。その頭は、もう少しで月にも届こうかという高さにある。 |
コイオス【4】
「どうした、その程度か。風が撫でたのかと思ったぞ」 悪魔達の攻撃をかわしもせず、コイオスは哄笑した。岩のような皮膚には、傷ひとつ付いていない。 |