イピリア【1】
沼にいるあの魔獣には手を出していいものといけないものがある。 イピリアは絶対に手を出してはいけない生き物だ。仮にイピリアの機嫌を損ねても、その場では何も起きないだろう。だが、それから数日間はひどい病に苦しむ日々を送ることとなる。 |
イピリア【2】
イピリアは執念深く、残忍な生き物だ。誰かに罰を与える時、自ら直接手を下すことはせず、天候や病気などで相手を苦しめる。相手がどれだけ許しを乞おうが関係ない。緩やかに、確実に、与えるべき罰をじわじわと与えるのだ。 |
イピリア【3】
イピリアの怒りに触れないようにすることは難しい。なにせイピリアが何に対して怒りを感じるのか、イピリア自身も分からないからだ。 気まぐれのように人に怒り、罰を与える。この生き物の一番の恐ろしさはそこにある。 |
イピリア【4】
長年、沼で生き続けたイピリアのことを精霊のように考える人間がいる。だが、イピリアはそんなものではない。 魔力も執念深さも残虐性も、妖精などとは比べ物にならない。その恐ろしさに触れないためには、とにかく沼に近づかないことだ。 |