ガルグイユ【1】
この世界は陸上だけに広がっているわけではない。人々に忘れ去られた水中の古代神殿にも世界は広がっている。 そして、そのような人目につかない場所にこそ、本当の恐怖があるものだ。 |
ガルグイユ【2】
時として、ガルグイユが縄張りに人間が迷い込むことがある。それは漁師であったり、冒険者であったり、竜狩りの騎士であったり、実に様々だ。しかし、彼らが最期に思うことはみな同じだという。 「ああ、溺れて死んだほうがどれほど幸せだったか」 |
ガルグイユ【3】
ガルグイユが棲む水中神殿に、古代王朝の『武器』が眠っているという伝説は古くからある。 そんな与太話を信じ、伝説の真相を確かめようとした人間がいた。その人間は見事に『真実』を手にしたが、握りしめたその拳は水中から浮き上がる前に、ガルグイユの腹におさまった。 |
ガルグイユ【4】
はるか昔、水中神殿がまだ陸上にあった時代。ガルグイユはとある魔術師によって異界から『武器』となるべく召喚された。 それから数千年の時が流れた。王朝は滅び、神殿は海中に没した。そんな今となっても、ガルグイユは古代王朝の『武器』として働き続けている。神殿を守るため、近づくものを貫き続けているのだ。 |