タラスク【1】
人気のない静かなる渓谷に、その者の姿はあった。牙のように尖った幾本もの歯を剥き出しにしながら、仁王立ちで巨大な翼を広げる。恐ろしき伝説の怪物……タラスクが目覚めようとしていた。 |
タラスク【2】
タラスクが大きな翼をゆっくりと羽ばたかせるたびに、まるで竜巻のような突風が吹き荒れる。その動作とともに身体は血色に染まり、今まさに伝説上の怪物が蘇えろうとしていた……。 |
タラスク【3】
タラスクの頭に生える二本角にともされた炎は、反逆の狼煙。その巨体を炎に包み、さらには自らの魂をも燃やし、この世を灰と化すため立ち上がる。もう、奴を止めることはできやしない。 |
タラスク【4】
どこからともなく獣の唸り声が聞こえる。かつて、この地上を征した伝説の怪物は、己の身体に反逆の焔をまといながら復活した。大きく開かれた奴の口から吐かれる豪炎が、大地を焼き尽くす。 |