ニミュエ【1】
「健やかに、気高く育つのですよ……。いずれ貴方は、この国を背負う騎士になるのですから」 湖の乙女・ニミュエの胸には、小さな赤ん坊が抱かれている。 |
ニミュエ【2】
「危ないって何度言っても、剣を放さないのよ」 ニミュエの眼差しの先には、剣の柄を握って微笑む幼児が立っている。遠い将来、彼はこの剣を持ってブリテンの王を助けるだろう。 |
ニミュエ【3】
「もう少しで、この子も私から離れていってしまうのね……」 ニミュエはたくましく成長した少年を見て、小さなため息をはき出した。少年の名はランスロット。 |
ニミュエ【4】
「貴方はもう一人前の騎士です。この剣を持って行きなさい」 ニミュエがランスロットに渡したのはアロンダイト。岩を斬れども刃こぼれしないというランスロットの愛剣である。 |