ユルルングル【1】
水平線の彼方に、虹色に光る物体が見えた。その正体を確認する間もなく、天は轟き、嵐が巻き起こり、大地を飲み込むほどの巨大な波が発生し、海は怒りのごとく荒れ狂う。それもすべて奴の仕業。 |
ユルルングル【2】
鋼のように強固な体を持った巨大な海蛇は、荒れ狂う波間から姿を現す。口を上下に大きく広げ、鋭く尖った牙を剥き出しにし、雷鳴よりも高らかに雄叫びを上げる。奴の動きを止める術はない。 |
ユルルングル【3】
巨大な海蛇の体表は、雲間から差し込む太陽光に乱反射し、無数の色を放つ。それが荒れ狂う波を彩り、あたり一面を光のプリズムが襲う。奴の姿はどこか神々しく、偉大な存在にさえ見える。 |
ユルルングル【4】
あらゆる物体よりも強固、そして虹色に輝く体を持つユルルングルは、鬱積した怒りを原動力に長く伸びた体を縦横無尽にくねらせ、海に嵐を巻き起こす。奴には善悪など関係ない。怒りこそ、すべて! |