窮奇【1】
まるで稲妻のような速さで山間を駆け抜けてきたのは、背中に蝙蝠が持つような羽根を携えた獣だった。身体は青白く光り、筋肉の発達した手足の先には鋭い爪が生える。奴の狙う獲物は、果たして? |
窮奇【2】
周囲が漆黒の闇に包まれるなか、全身に炎をまとった獣が姿を現した。背中から生えた巨大な羽根を羽ばたかせ、滑るように飛行しながら獲物を求め彷徨う。夜明けまでは、まだたっぷり時間がある。 |
窮奇【3】
天から怒りの鉄槌が落とされた。その雷光に先に姿を見せたのは、筋肉質の巨体に鋭い爪を持った虎のような獣。鈍く光る切れ長の目は、明らかに獲物を捕らえている。奴に狙われたら、もう命はない。 |
窮奇【4】
歴戦の騎士が剣を構えるのも間に合わないほどの猛スピードで、蝙蝠の羽根を生やした獣は天から舞い降りてきた。雷光に包まれた身体から沸き上がる力の前には、人間などひとたまりもないだろう。 |