ボドニーク【1】
「人が生きるには水が必要なんでしょう?水を怖がることはないのよ」 水の精であるボドニークは、極めて危険である。彼女は人間を水の中に連れ込むのが好きなのだ。しかも、人間は水さえあれば、呼吸をしなくても生きていられると思っている。 |
ボドニーク【2】
「水が欲しいなら、私がいくらでもあげるわ」 ボドニークは加減というものをしらない。干ばつに苦しんでいた村に現れた彼女は、その村を救うために大洪水を起こした。哀れなその村は、今でも水の中に沈んでいる。 |
ボドニーク【3】
「私は水を操るわけじゃない。私自身が水なの」 ボドニークは無から水をつくりだす。一度に生み出せる水の量は膨大で、小さな湖なら作ることができるほどである。そして、その水と一体化したボドニークは、もはやもはや誰も止めることができない。 |
ボドニーク【4】
「私を怒らせたらどうなるか、分からないわけではないでしょう?」 ボドニークが本気で怒れば、あらゆるものが洗い流される。激流の破壊力も、冷水の冷たさも、水底の暗さも……水の持つ、すべての恐ろしさを体験できるに違いない。 |