ウァレフォル【1】
「欲しければ盗めばいいんですよ。自らの財を減らすことはありません」 ウァレフォルのささやきは、人の心を乱す。彼にそそのかされて、盗みを行ってしまう人間は後を絶たない。 |
ウァレフォル【2】
「何かご用ですかい? 何なりと言ってくだせえ」 ウァレフォルは便利な悪魔だ。人間の言うことはたいてい聞いてくれる。だがそれは、相手を油断させる方便に過ぎない。 |
ウァレフォル【3】
「ここまでやっておいて、もうできないなんて虫がよすぎやしませんかね」 行いを正そうとした者は、ウァレフォルの連れている動物達の胃袋に収まることになる。 |
ウァレフォル【4】
「さあ、もう少しだ…」 決して自らの手を汚さない。あくまでそそのかすだけで、人間が罪を犯す。その愚かさと醜さが、ウァレフォルの最高の愉悦であるのだ。 |