タクヒ【1】
「昔のことは分からない…人だったのかな…?」 女人の体を持ち、天をかける妖鳥タクヒ。人の体を基とした彼女にかつての記憶はない。 |
タクヒ【2】
「あたしの剣技…人の頃の名残かしら」 名だたる剣豪に勝る膂力と技を備え、魔族にそぐわぬ疾風の剣技を持っているタクヒ。まさに魔族の肉体が不可能を可能にしたと言える。 |
タクヒ【3】
「…魔王が…あたしに次の生をくれた?」 再び生を受け未だ時が過ぎない間、タクヒはしばし苦悩していた。人としての自分が魔物に転生されたことを。 |
タクヒ【4】
「魔物として生きるのも…悪くないものかもね」 生前求めた剣士としての栄誉。望むものは失ったが、長き生と空を翔ける翼を代わりに手にしたタクヒに、今はもう迷いはない。 |