ティシフォネ【1】
「憎みなさい。憎みなさい。それが人間として当然の感情なのですから」 ティシフォネは、親を殺されて涙に暮れる少年の耳元で優しく囁いた。彼の心の中に、復讐の種を蒔くように。 |
ティシフォネ【2】
「仇を討つのです。相手を討ってこそ、亡くなった人も浮かばれるのですよ」 愛する夫を失った妻には、毒を塗った短剣を手渡した。女性の手でも、容易に相手を殺せるように。 |
ティシフォネ【3】
「主の無念を晴らさずに何が忠臣でしょう。殺すのです、地の果てまで追ってでも」 主君を殺された戦士の元を訪れ、ティシフォネは敵の居場所を知らせた。 |
ティシフォネ【4】
「……ふふふ、そう。殺し合え。もっとワタシを楽しませろ」 人間が憎しみ合い、殺し合う。それがティシフォネにとって至上の喜びだ。今日も彼女は、新たな犠牲者を復讐へと誘う。 |