バアル【1】
「魂ヲヨコセ。デナケレバ血ヲヨコセ」 バアルは悪が具現化した存在である。蛙、蝙蝠、人間、その他さまざまな顔を持ち、そのそれぞれが甲高い声で呪詛をまき散らす。 |
バアル【2】
心地ヨイ瘴気ダ。コレデコソ我ガ宮殿ニフサワシイ」 バアルは口から真っ黒な霧を吐きだした。その霧をすった小鳥は地に落ち、獣は足を折って倒れ込む。 |
バアル【3】
「無駄ナコトヲ。人ノ刃ヲバアルニ突キ立テヨウトハナ」 無数の兵士に囲まれても、バアルに動じた様子はない。その無数にある顔には、喜色のようなものすら浮かんでいる。 |
バアル【4】
「面白イ。久々ニ見セテヤロウ。バアルノ本当ノ姿ヲナ」 バアルの姿が見る見る大きくなり、見上げるばかりの巨体が現れた。その姿を見ただけで、心の弱い者は発狂してしまう。 |