マミー【1】
死の臭いが充満する古き遺跡の中、その魔物は音もなく起き上がる。死してなお王座への執着を失わず、侵入者へ牙をむくのだ。 |
マミー【2】
かつての王族に名を連ねた彼の体はもはや面影もなく乾き崩れ、身に纏う包帯がなければ形を維持することすらかなわないだろう。 |
マミー【3】
死に際し、樹脂で固められた肉体は多くの宝石と共に埋葬された。だが部下の裏切りと度重なる盗掘により、彼のきらめく栄華は跡形も無い。 |
マミー【4】
彼は乾いた屍肉と化し、固められた樹脂の内部に魔族が種を埋めた。魔族が遺跡を拠点として活用する正にその時、一斉に孵化することだろう。 |